アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

「ウサギとカメ」…同時にゴールイン

2014年10月22日 | Weblog
 日本語は生き物、世相を映して変わっていく。ところが、世相を反映して変わっていくのは、言葉だけではなかった。

 「さるかに合戦」…ペルー(インカ)にもある昔話。これを、「人権教室」に結びつけようと考えているのですがぁ…話が違っている…。

 今子どもたちが読んでいる、「さるかに合戦」では、猿に柿の実を投げつけられて死んだはずの母が、怪我で済んでいる?!噂では聞いていましたが、現実を目の当たりにしますと、「そ、それはぁ…」と、呆然となりましたよ。

 「さるかに合戦」だけでなく、「かちかち山」も、変わっている。タヌキがおばあさんを殺すこともなく、泥の舟が沈んでも溺れ死ぬこともない。
 この現象…悪いとは言いません。と、いうか、言えません。なぜなら、「死んだ」「殺した」という言葉…子どもに聞かせたくないですから。

 「したきりスズメ」…スズメの舌は切られなくなる。
 「桃太郎」…鬼たちと仲良くなる。
 「ウサギとカメ」…同時にゴールイン。
 「鶴の恩返し」…正体を知られた鶴は、与ひょうと結婚します。
 「浦島太郎」…玉手箱を開けても、太郎はおじいさんにはならない。
 「こぶとりじい」…欲が深くても生きていける。
 「うば捨て山」…この話は、抹殺されてしまうんじゃないか。おっと、「抹殺」という残虐性が高い言葉を使うとダメなんですよね。

 昔話も時代と共に変わっていく…日本現代話?生き物ということで…。