アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

ブリンクマン?崖っぷちの人?

2020年04月21日 | Weblog
 新型コロナウイルスに感染して重症化する人、といえば、
 ① 「持病がある人」
 ② 「喫煙の習慣がある(あった)人」ですよね。
 毎度毎度、テレビで流れていますから、国民みんなが知っている。この、「持病」「喫煙」ですが、「持病がある人」、「喫煙の習慣がある(あった)人たちにとっては、「重症化します」と、教えられても、どうしようもない。もう遅いって事です。持病はともかく、喫煙は、「重症化予防のため、禁煙しま~す。これで安心」とはならない。
 一般的にはタバコをたくさん吸うと、肺に穴があく。タバコを止めると、穴は増えなくなるが、今まで吸ってできてしまった穴が修復されることはない。タバコを吸って肺胞が壊れてしまうと元には戻らない。これは、COPD(慢性閉塞性肺疾患)と呼ばれているもの。このあたりまでは、多くの人が知っていること。
 「タバコをたくさん吸うと…」の、「たくさん」ってどれくらいなのか?はいはい、本日の本題に入っていきます。
 「ブリンクマン指数(喫煙指数)」なるものがあります。一日の喫煙本数と、これまでの喫煙年数から計算することができます。
 ブリンクマン指数=1日に吸うタバコの本数×喫煙している年数
 たとえば、1日に40本、20年間喫煙している場合は、「40×20=800」で、ブリンクマン指数は800。この指数が400以上で肺がんのリスクが上がり、700以上ではCOPDのみならず、咽頭がんや肺がんのリスクが数十倍上がるという。女性はそれよりも低い値で危険となる…男女平等ではないらしい。
 つまり「たくさん(の喫煙)」とは、ブリンクマン指数400以上としておきましょうか。因みに、志村けんさんの場合、20歳から65歳までの45年間、毎日40本のタバコを吸っていたと言われていますから、ブリンクマン指数は1800。COPDになっていたとしても不思議ではありませんね。
 喫煙開始時期が早ければ早いほど、ブリンクマン指数(喫煙指数)が高くなりますから、COPDになります。そうなると、新型コロナウイルスの格好の標的になるわけです。
 喫煙開始時期が早い…つまり、子どものうちからの喫煙開始。これはストップしてあげなければならないこと。子どもの喫煙で困っている保護者は、今が禁煙指導のチャンスかも。
 高校生の喫煙で思い出されるのが、およそ12年前の愛知県の黄柳野高校(つげのこうこう:全寮制)での出来事。
 校外で喫煙する生徒が多かった。山火事でも起こしたら大変だ。と判断した学校が、男子寮の1室を「禁煙指導室」と名付けて事実上、喫煙場所とした。早い話が、生徒寮に喫煙所が設けられたわけ。記憶にある方は、「ああ、そんな事あったね」でしょうけど、初耳の方は、「んなわけないだろう。実名まで出しての誹謗中傷、ふざけるんじゃない」と、怒り出すと思います。でも、事実。
  校長先生は、書類送検されました。「ブリンクマン指数を増やそうとした罪か」って?似たようなものですが、「青少年保護条例違反」。結局、校長先生は保護者の嘆願で起訴猶予処分となりましたがね。
 で、およそ7年前ですが、黄柳野高校の男子寮2階から出火。焼け跡から男子生徒の遺体が見つかった。ただしこの火事、「たばこの火の不始末」とは断定されておりません。
 現在の黄柳野高校生徒の喫煙の状況はどうなのか?「たばこと暴力については厳しく指導されるようになってきた」とのこと。「指導されるように…」と、いうことは、校舎内、寮内からは、「たばこ」は消えていないらしい。喫煙所はどうなったかって?それは、校長先生が書類送検された段階で閉鎖されました。
 「たばこ」から見えてきたものがあります。
 コロナウイルス…特に若年層は、「(根拠などないのに)自分は感染しない」と、思っている。だから夜間外出をする。
 若者の「たばこ」についても「百害あって一利なし」ということは、耳では知っている。だけど自分は、「肺がん、咽頭がんにならない。COPD?なるわけない」と思っている。だから、喫煙を止めない。
 「喫煙歴があれば、コロナに命を奪われる確率が高い…」この一文って、何の変哲もないけど、禁煙指導に説得力があるんじゃないか?「喫煙止めよう」より、こ一文をアナウンスしていただくだけで、喫煙者は減るんじゃないか?
 人の思考は、「自分に都合の良いように考える。違う考えは排除する」。これってむしろ当たり前。ところが、コロナの力は、人の思考までも、屈服させる。
  ブリンクマン指数。「ブリンクマン(brinkman)」は、人名。「brink」の意味は、「崖っぷち」とか「瀬戸際」。「man」は、人。ということは、「崖っぷちの人」。なるほど、ブリンクマン指数が高ければ、COPDに対しても、コロナに対しても、「崖っぷち」ってことなんですねえ。落ちたら死ぬってこと。これが、今日の「オチ」。