アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

「絶望も大切?」…つまり「全てが大切?」

2021年07月23日 | Weblog
  ゲーテ・・・「希望は誰にでもある。何事においても、絶望するよりは希望を持つほうがいい。先のことなど、誰にもわからないのだから」

 カフカ・・・「ああ、希望はたっぷりあります。無限に多くの希望があります。…ただ、ぼくらのためには、ないんです」

 いきなりですが、外国の地名、日本語の音によく似ていることがあります。
 一番有名(?)なのが、オランダの「スケベニンゲン(助平人間)」。バヌアツの「エロマンガ(エロ漫画)」も笑える。ベトナムのメコン川クルーズの発着地は、「ミト(水戸)」だった。ロシアには、「カザン(火山)」があり、フィンランドには、「ハンコ(判子、反故)」がある。
 
 いつも自分だけで楽しんでいるでいる外国人の名前は、「カフカ」。これは、日本語の「可、不可」と同じ音。どこが楽しいかって?私の学生時代は、成績は、「優、良、可、不可」でした。成績表が、「可、不可ばかりで、優も良もない友人もおりまして…」自分のことだろうって?わ、私は、優ばかりでしたけどね。ウソですけど。

 で、冒頭の二つの言葉ですが、希望があるほうが、ゲーテで、希望がないほうがカフカ。「希望名人ゲーテと絶望名人カフカの対話」(頭木弘樹編訳、飛鳥新社)に対比して載っていた言葉。本のタイトルがおもしろいでしょ。編訳者の名字が、「頭木」…私も様々な木を見てきましたが、「頭の木」は、見たことがない。出版社が、飛鳥さんです。覚醒剤…大丈夫かなあ?意味が分からないって?「チャゲ&飛鳥」…古すぎましたか。

 ゲーテには大変お世話になってきました。知り合いじゃないのですが、小論文を書く際の結論に、「ゲーテの言葉に・・・・・がある」と、締めくくると格好がつくのです。ゲーテはポジティヴシンキングです。
 「何でそう深刻に世間のことで思い悩みたがるのだ。陽気さと真っ直ぐな心があれば、最終的にはうまくいく」…こんな具合。

 一方、カフカと来たら、ネガティヴシンキング。「すべてが素晴らしい。ただ、僕にとってだけはそうではない…どの方角に向きを変えようと、真っ黒な波が打ち寄せてくる」…これだもんねぇ。

 ネガティヴシンキングはダメということではありません。気分が落ち込んでいる人に、無理にポジティヴな言葉がけをしてはいけない。これ、心理学では基礎的なこと。ネガティヴへ引きずり込もうとすれば、ポジティヴに生きようとするわけです。人間にはそういう力があるのです。

 ではゲーテはよくないのかって?ゲーテは、そこの所もよく分かっている。
 「無理にやってもだめなことはある。精神力だけでうまくいかないときは、好機の到来を待たねばならない」…これ、ゲーテの言葉です。

 人生も、終末期に近づくと、希望より、希望がないことの割合が多くなってきます。80歳を過ぎた叔父叔母は、10年前は、10名。今は、叔母が2人。この人たちをお葬りしなければなりません。実姉は、77歳の現役OG(木場の材木問屋勤務。東西線で通勤!)。順番から行きますと、姉も私が葬らなければ…。だけど…葬らせていただく前に、ほぼ100%、私が先に葬られるんじゃないか…。
 「希望名人ゲーテと絶望名人カフカの対話」熟読して、「希望と絶望」を持とうーっと!


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