アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

自然との共存共栄

2014年08月29日 | Weblog
 北海道の議員さんが、「アイヌってもういないんでしょう」と、ツイートしたのだそうな。地方議員なのか痴呆議員なのか…「号泣議員」「LINE脅迫議員」「飛行機の座席の背もたれを倒すな議員」…急激に存在を誇示し始めた地方議員たち。その中にあって、北海道の議員による、「アイヌはもういない」…。こういう人を議員にするのって…。

 アイヌ語は、北海道の地名に色濃く残されていますが、単に「地名」という底の浅い話じゃない。地名で、土地の特徴が分かるようになっている。
 「歌」は、砂浜を表します。ですから、「島歌」という地名は、岩場に砂浜があるところ。「内」は、小さな川のこと。「稚内」などの「内」が付く地名は多い。
 北海道の地名でもっとも多く使われていると思われるのが、「別」。これは、「(大きな)川」。川の合流点を意味するのが、「太」。

 アイヌ語の地名に限らず、日本の(世界も同じかもしれませんが)元来地名は単なる標識の符号ではありませんでした。地名を聞くと、どんな土地なのかが分かった。旭川…ああ、朝日が上る(東にある)川なんだな。深川…ああ、深い川なんだな。滝川…ああ、滝のような流れがある川なんだな。砂川…ああ、流れがゆるやかな(砂地の)川なんだな。

 人々は、自然と共生していました。ですから、洪水や地滑りがどこで、いつごろ起こったかなどよく知っていた。つまり、「どこに住めば安全なのか」「どこに田畑を作るのがいいのか」…そのことを地名に表した。

 しかし、BUT!人々は自然との共生をやめた。ダムで水を制御するようになった。谷あい、湿地、海までも埋め立てて住宅や工場を造った。
 こうなっては、土地の特徴を教えている地名が、単なる記号となってしまって…。

 平成の大合併で、全国の市町村の数は、半分近く減り約1700に。新たにつけられた地名は…「ひらがな地名」「カタカナ地名」が台頭。土地の実態を表す地名が、トタン屋根に雹が降るような音を立てて消えていった。由緒ある名前がむざむざと切り捨てられた。たとえば…
 広島市北部の土砂災害で、とりわけ被害が大きかったのが、「安佐南区八木地区」でした。この地域は、「八木蛇落地悪谷(やぎじゃらくじあしだに)」と呼ばれていたのだという。「八木」は、岩石が流されて転がっている場所という意味。その、岩石が流されて転がっている場所に蛇が降るような豪雨(土地の伝説では、大蛇を退治して首を切ったらその首が降ってきた)。ひどい水害が多い谷…!先人は、警告していた。
 現在は、「安佐南区八木地区」…なんと穏やかな名前。災害への警告は「八木」にしか残されていない。もっとも「八木」の意味を知らなければ、なんにもならないが。

 先人の叡智である「地名」。土地に生きるヒントを与えてくれており、災害への警告を発してくれているものもある。私たちは、今こそ、先人の声を聞き取り、共有できる知恵を働かせなければなりません。
 異常気象?自然と共生しておれば、「異常」という言葉は出てこない。自然は自然なのですから。…うーん!中学生の作文のようなまじめなオピニオンだ。