アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

19歳で年俸1億円なの?

2020年12月03日 | Weblog
 中3の男子が、保護者にお願いした。
 「中学校を卒業したら、フランス料理を学びにフランスへ行きたい。高校・大学へは行かないので、それにかかる費用を渡仏の費用に充てたい」
 「せめて、高校を出てから行きなさい」と、親。親としては、最大限の譲歩…?

 結局、高校を卒業し18歳で渡仏。念願のシェフに弟子入りできた。18歳での弟子入り…弟子たちは、年下ばかり…。18歳の彼は、「体より先に頭が働いてしまった(手がうごかないのに口は立派…ということかな?)」。その状況についてシェフは…
 「なぜ、もっと若いうちに来なかったのか…」

 シェフの言葉の裏に、「若いうち(中学校を卒業してすぐ?)」に来ていたらモノになったかもしれないのに」が、隠れているような。だとすると、子どものために高校ぐらいは出てほしいという親心が、子どもの芽を摘んでしまったことになる。
 親御さんは、「挫折して20歳になってからの高校生でもよかった。高校も出ずにフレンチの修業に出すことを恥じることもなかった…時間は戻らない…」と。
 では、中卒で渡仏していたらどうなっていたか?それは誰にもわからないこと。
 フレンチのシェフをめざして渡仏して修業し、「成功した姿とは」どういう姿なのかは…明確に言えるはずもありませんがね。

 私が知っているフレンチシェフは、北海道南部の「天ノ川」が流れる町の出身。高卒で渡仏。フレンチを学んで帰国後、表参道で店を持った。現在は、目黒区の目黒通り沿いに、1階から3階までをレストランとする、「キリゲリ(フランス語で、『笑う門には福来る』の意味)」のオーナーシェフ。このような姿を「成功」とするならば、高卒で渡仏しても成功するケースが「もちろんある」という一つの証明でしょうか。ただ気がかりなのは、コロナ禍の影響を受けたでしょうから…キリゲリも苦戦していることは間違いないでしょう。

 フレンチの修業で中学を出たら渡仏する子どもたち…今も少なからずいるのでしょうが、「一体何百人いるの?」と驚かされるのが、ヨーロッパへサッカー留学する子どもたち。しかも、小学生。スペイン、イタリアは9歳から、ドイツは8歳から受け入れてくれる。8歳、9歳で自炊して、学校へ行って、サッカーの練習をする。根性が養われるわけです。挫折したら、泣きながら日本へ帰って来ればいいわけで…第三者から見ると悲壮感はぁないかな。
 先鞭を付けたのは、「久保建英選手」ですね。10歳で、スペインのFCバルセロナへ。来季の年俸は、1億円。これですから、世の中の親は、小学生の子どもをヨーロッパへ送り込むはずです。ヨーロッパ行きの斡旋業者の数も半端ない。一大産業になっている。
 サッカーだけじゃなかった!サーフィン、ダンス、テニス、ゴルフ…。日本の小学生が海外で修業している。

 保護者が、子どもを育てるに当たって「古めかしい世間の常識の殻を破り始めた」と、いうことですね。一度しかない我が子の人生、親として、「どのような努力があるだろうか?」と考えて出した結論なのでしょう。
 レオナルド・ダ・ヴインチは、「教育よりも、経験が大切」と言っています。
 なぬ?「ダ・ヴインチを出す前に、日本には『かわいい子には、旅をさせよ』という諺があるぞ」って? ハイハイ、それを先に言うべきでした。