アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

マシュマロの季節は?

2010年09月04日 | Weblog
  桜餅、うぐいす餅…春の菓子。では、マシュマロの季節は?
 「マシュマロに季節なんかないでしょう」という意見の他に圧倒的に多いのが、「ホワイトデーの頃だから、春!」という回答。確かに、福岡の老舗菓子メーカーがホワイトデーを「マシュマロの日」としたのが日本全国に広がっている。
 しかし、BUT!マシュマロは夏の菓子なのです。し、証拠ですか?俳句で夏の季語だから…

 マシュマロの食感ががんぼの歩行感    幻椏
マシュマロや蓬生に日の暮るるまで    石脇みはる
 このように夏の季語として詠まれています。日本では、マシュマロは生で食べることが多いですが、欧米では焼いて食べることがあります。キャンプファイアーを囲み、木の枝の先にマシュマロを刺してファイアーで焼く。これが…外はカリカリ、中はモチモチ…。クセになり、一人一袋は簡単に食べ尽くしてしまいます。キャンプファイアーは、夏ですから…キャンプファイアーのマシュマロは、季節にふさわしい正しい食べ物ということになります。
アメリカでは、ココアにマシュマロを浮かべて溶けた状態のものを飲むことがあるから、寒い季節の菓子ではないかって?日本では、真冬にアイスクリームを食べるでしょう。だからといって、アイスクリームは冬の季語ではありません。ココアへ入れる件は、タマタマということでよろしくお願いします。

 閑話休題。「マシュマロは、フランスから入ってきた菓子…どうして、夏の季語に?」マシュマロは、「marsh mallow」という植物の根から抽出した汁に卵白や砂糖を加えて作られた(現在は、卵白・ゼラチン・砂糖で作る)。marsh mallowの和名は、薄紅立葵(うすべにたちあおい:アオイ科タチアオイ属)。この、薄紅立葵という花が、俳句の夏の季語。そんなわけで、マシュマロは夏の菓子。
 だからなんなんだって?日本の食べ物から、季節感が失われております。その昔は、「季節のもの(旬のもの)を食べると健康で暮らせる」といわれておりました。夏はもう終わってしまいましたが、まだ暑いので、「マシュマロを食べて元気を出そう!」ということで…。

 マシュマロが白いと思ったら大間違い。マンゴーマシュマロ、チョコマシュマロ、ブルーベリー、イチゴ…。中に、あんこやら各種ジャムを入れたものも。不思議な食感の菓子です。