アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

日体大団体行動と伊能忠敬

2016年02月04日 | Weblog
 日本体育大学といえば、「集団行動」。ほかにもあるだろうって?はい、何もかも素晴らしいです。集団行動はその一つということで…。
 「どうしてあれほど整然とした行進が出来るのだろうか?」指導者の清原名誉教授に聞いたわけではありませんが…私が思うに、歩幅ですね。(注:元プロ野球選手の清原容疑者と清原名誉教授とは一切関係ありません。念のため)
 日体大の集団行動は、「歩幅が95cm」。これは大変ですよ。ちなみに私(身長168cm)も歩幅95cmで歩いてみましたがぁ…めちゃくちゃきついです。

 で、集団行動、歩数は1分間に167〜172歩と決まっているんだと!5歩のアソビがある。アソビの正体は何か?身長差だと見ますねえ。集団行動の人たちは、身長150cm前後の学生から、190cm前後の学生までいる。その学生たち全員が、「歩幅95cm」で行進する…!1分歩けば…5歩ぐらいの差が出てくる…当然というか、それが自然ですね。えっ?違うの?5歩もの差が出ては、綺麗な行進にはならない?…まっ、難しいことは分かりませんがね。
 ともあれ、私は、「日体大集団行動」のファンです。まさか、これから日体大に入学して集団行動をする気じゃないだろうなって?分かってますよっ!歩幅の関係で私は集団行動チームに参加することは不可能であるということは!安心して下さい。

 本論ですが…日体大の集団行動が話の枕かって?そうなんです。前置き長っ!
 伊能忠敬なんですがね、17年の歳月を費やして全国を測量し、「大日本沿海輿地全図」を完成させた。日本史上はじめて国土の正確な姿を明らかにしたわけで。そのことと、日体大集団行動にどんな関係があるのかって?

 伊能忠敬は、55歳になってから蝦夷測量(北海道の測量)に出かけた。蝦夷地では測量器具を運ぶ馬は1頭しか使うことが許されていなかった。そのため、「大方位盤(脚のついた円形の盤の中央に望遠鏡を設置したもの。円盤には方位を測るための磁石が取り付けられるようになっている。円盤の周囲には、角度が分かるように目盛のついた真鍮の環が組み込まれている)」を、運ぶことが出来ない…つまり、使えなかった。ですから、「間縄(早い話が、巻き尺。麻縄に、1間ごとに目印の木札が取り付けられている)」で、距離を丁寧に測りはじめた。しかし、あまりに時間がかかりすぎた。で、どうすることにしたかというと、「歩測」!
 
 歩幅がばらばらでは、正確な測量など出来るはずもない。伊能忠敬は、「歩幅は69cm」で北海道を測った。「95-69=26」という話じゃないんです。ただただ驚き、呆れる凄い話。 
 一定の歩幅を守る・・・これがどれだけ大変なことか。トライした人ならよく分かる。私は、団体行動の人たちも、伊能忠敬も…尊敬します。