アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

人助けにかかわる問題点…

2014年02月22日 | Weblog
「助け合い」について子ども達に説明する際、「渡り鳥の助け合い」と「皇帝ペンギンの助け合い」を話すのが常でした。
 で、この度訪問する学校では、助け合いの説明から、「渡り鳥」も「皇帝ペンギン」も削除することにしました。

 代わりにどんな話をするかって?次の話です。

 ソチ五輪。クロスカントリーの競技中に、ロシアのアントン・ガファロフ選手がクラッシュ!その衝撃で左のスキー板が折れた。アントンは、倒れたまましばし動かない。ようやく起き上がったアントンは、再び滑り始めるも、再び転倒。なんとか起き上がるも進めない。左のスキー板は、めくれて剥がれて惨憺たる有様。それでもアントンは、右足一本だけで、前に進もうともがいた。メダルを獲るチャンスなどなくなっているにもかかわらず…。

 懸命に走るガファロフ選手だったが、ゴール付近で再び転倒…。
 その時である!スペアのスキー板を持った男性が雪の斜面を膝まで埋もれながら駆け下りてきた。彼は、アントンの足元に屈み込むと自らの手で壊れた板と交換した。 この男性はロシア代表のスタッフではなく、カナダ代表のコーチ、ジャスティン・ワーズワースさんであった。
アントンは、トップから約3分遅れではあったが、無事にゴールすることができた。
 ジャスティンは、「彼(アントン)の奮闘をただ見ていることなどできなかった」と語った。

 この話をしようと思っています。えっ?子ども達も知っている話じゃないかって?知っていてもいいのです。私が最近感動した「助け合い」の話を聞かせるのであって、児童が知っているとかいないとかは関係ないです。
 えっ?「アントンが一方的に助けられたのであって、助け合いではないだろう」だって?いえいえ、アントンにとっては単に助けられただけですが、ジャスティンにとっては、過去に助けられたことがあったので、お返しをした。つまり、「助け合い」だったのです。

 クロカンの選手だったジャスティンの妻が、競技の最中にポール(ストック)をポッキリ折ってしまった。見るに見かねた他国のコーチが、駆け寄ってスペアのポールを貸してくれた。困っている人を見たら、敵も味方も関係なく助ける…。

 ただ…気掛かりなことは…
 電車のレールに横たわっている人を助けようとして亡くなった。
 駅のホームに転落した人を助けようとして亡くなった。
 溺れている人を助けに行って亡くなった。
 このようなことが起こっている…。ここのところを、上手く話してあげなければならないが…。