アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

弁当を持って登校する幸福な子どもたち

2011年09月29日 | Weblog
 インドとブータンの国境…インド側は、ジャイガオンという町。インド人に混じって、ブータン人が買い物をしている。どうしてブータン人と分かるか?見分け方?これは赤ちゃん以外は誰でも見分けられるはずです。なぜなら、ブータン政府は、「正装は、民族衣装」と、法律で決めているからです。

 正装しなくてもいい場面では、ジーンズでもいいのかって?遊びに出かけるときはジーンズでもOK。民族衣装は、男性は「ゴ」、女性は「キラ」。男性のゴは、丹前を着て尻まくりをしているような…。現代の日本人は、「丹前」が分からない人が多くなってしまいましたが…。
 キラは、ロングのタイトスカートのような…タイトスカートも死語か…。ゴもキラも、大変おしゃれな衣装です。小学生も高校生も制服は、ゴとキラです。小さな子がゴやキラを着ている姿は、実にカワイイです。ゴの場合、革靴を履きます。小さな革靴をピカピカに磨いた小学生…カッコイイです。

 顔は、日本人ソックリ。中には、インド系、ネパール系、チベット系と思われる人もいる。全体の7割は日本系…じゃなくて、日本人とよく似た顔です。日本人の顔をして、丹前というか、着物のようなものを着ているので、実に親しみがわきます。
 中には、ゴを着て腰から剣を下げている人も…お、おい、銃刀法違反じゃないのかぁ?江戸時代の日本じゃないんだから…これも、法律で決められているのだそうで、「政府高官は腰から剣を下げること」と。政府高官には見えない人も剣を下げていました。…と、思ったら、ナタでした。農作業で使うらしい。このように、刃物が普通に出回っている。これも、日本人にとって奇異な光景でした。

 キラは細身の女性でなければ似合わないだろうって?そう思います。で…、ブータンの女性で太った人を見ることはありませんでした。みなさん、スレンダーな方ばかり。

 ゴ、キラを着て登校する子供達…持ち物は、カバンと弁当。おしゃれなブータンの子供達は、弁当を入れるものにもこだわりがあるらしい。女の子は、竹か籐で編んだ四角いハンドバッグのようなカゴ。男の子の弁当入れは、電気釜の小さなものを思い浮かべていただくと、まさしくそれ。
 弁当持参で登校する…日本のように、学校給食などない。これは、素晴らしいことです。親が作ってくれるのか、自分で作るのかは不明ですが、「弁当」持参。

 私は、学校給食に疑問をもっているものですから、ブータンの弁当には膝を叩いて喜びましたよ。「給食だと、手間がかからない。面倒くさくないからいいじゃないか」って?それなら一体誰のための給食なの?手間をかけなくなった分、親子の絆が細くなってきたんじゃないの?学校給食の普及と、中学生の非行の増加のグラフを重ね合わせてみたらおもしろいことが分かりますよ。
 弁当を作る手間を省いて幸福になるとは思えない。ブータンでは、「弁当を作る手間も幸福と考えている」と、感じましたよ。