アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

ブータンの子にモノをあげてはいけません

2011年09月30日 | Weblog
ブータンで緊張の日々を過ごしたので、固い話ばかり続きました。今日は少々柔らかい話にします。
 ブータン行きの目標に、「ブータンの子を捕まえて、数を数えさせる」というものを掲げておりました。
 ゾンカ語(ブータンの公用語。なお、英語もブータンの公用語です)では、数字を数える発音が…「1→チィ、2→ニュィ、3→スム、4→ジィ…(中略)…11→チュウチィ、12→チュウニィ、13→チュスム、14→チュウジ…」だという。それを、立証してもらおうというもの。

 折良く、下校途中の男の子を捕まえた。10歳だという。
 私が、「イチィ、ニイ、スァン…」と数えたら、な、なんと通じた!これは期待が持てる!指を三本出して、「これを発音して!」と、お願いした。
 少年は、なんと言ったか!少年が、「サン」とか「スン」とか言ってくれるだろうと期待したのであるが…答えは、「three(スリー)」。そりゃないべ!
 4も5も言ってもらったが、「four,five(フォー、ファイヴ)」でした…。がっかり。「ゾンカ語で言って!」と、言えば良かったのかも知れませんが、その時は狼狽していたもので…。

 「イチィ、ニイ、スァン…」を諦めて、ブータンの九九を言わせようと粘ってみたが、英語でしか言ってくれなかった。
 学校教育は英語で行われているので、「1、2、3…」も、九九も英語なのですね。

 その子にお礼はしたのかって?「イチィ、ニイ、スァン…」も言わないような子にお礼をするはずがないでしょうがぁ!
 私が捕まえた男の子なのに、これ幸いと写真をバシャバシャ撮って、男の子に「四色ボールペン」をあげた人がおりました。男の子は、「し、し、信じられない」といった表情でボールペンを懐に入れました。男子の民族衣装、「ゴ」は、「巨大ポケット」がある衣装なのです(帯の上の部分が、いわばポケット。背中の方までたっぷり物を入れられます。ボールペンなら、数千本ぐらいなら簡単に入ってしまいます。 
 おっと、そういうことじゃなくて…ブータンの子にものをあげてはいけないと思います。不幸にしてしまう恐れがありますから。飴チャンをあげるオバチャンも多いですが、虫歯になったらどうするの!日本人によって、不幸にされてしまうわけで…。