アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

ファッションはリニューアルできるが入れ墨は…

2010年07月12日 | Weblog
 田舎では、「入れ墨=暴力団」と、相場が決まっている。見かけることがなくなった。ところが、東京へ行って何が驚いたかって、「ふつーの学生風の男の子が、立派な入れ墨をしている」「女子大生が、色白の二の腕にくっきりと入れ墨」…入れ墨の普及がめざましい?欧米かっ!(これも古くなってしまいました)

 入れ墨をしていると、公衆浴場へも、プールへも行けない。人生まだまだ先があるのに、今から自分の行動半径を狭めている。子供ができても、プールへ連れて行ってあげることが出来ない。家族で温泉へも行けない。私が再三、「入れ墨は身体髪膚の毀損だから彫っちゃダメ」と主張しているのに聞く耳を持たないんだから…。
 入れ墨は消しゴムでは消せない。老いて皮膚がたるむと、入れ墨もたるむ。「母の名は親父の腕にしなびて居」という川柳…この親父は、奥さんの名前を腕に彫った。そして歳月が経ち奥さんも親父もしなびた。しなびた入れ墨、消そうにも消えない。うまい川柳だけど、笑えない。

 この度の、サッカーW杯でも、入れ墨の選手が目立ちました。日本人は、森本貴幸だけ(?)なので良かったですけど。

 外国人の入れ墨については、咎めるつもりはない。なぜなら、「入れ墨感」が違うから。日本の場合、「入れ墨=罪人→鉄火場→やくざ→暴力団→チンピラ→ショボイ奴」という図式。これが欧米・南米の場合(もちろん国ごと、地域ごとに入れ墨感は違う。一般的な線で…)、「入れ墨=ファッション」。但し、高い階層の人々は、入れ墨などしない。主に、労働者階級のファッションです。

W杯で韓国と戦ったギリシャのゲカス選手(FW)は、「寒冷殺人○」と、漢字で入れ墨をしていました。○の部分は、どうしても読み取れませんでした。たぶん、「拳」だとは思うのですが。ところで、「寒冷殺人拳」って何?
 気づいたのは私だけではなかったようで、ネット上でも「寒冷殺人拳」に係わる書き込みが見られました。意味は、「Cool Killer」の日本語訳だろうという説が大多数を占めますが…。まあそんなところでしょう。日本人が理解できない日本語を、右腕の内側に彫っている。生涯消えることはない。気の毒でなりません。

 森本も漢字で彫っています。こちらは、寒冷でも温暖でもなく、「獅子王」。日の丸を背負った試合では、サポーターで隠している。獅子王を見せて大活躍などすると、入れ墨をするサッカー少年少女が続出してしまいます。現役中は、隠しておいていただきたい。

 寒冷殺人拳は、しなびても怖さが増して良いかもしれない。しかし、しなびた獅子王は…「老」の字を、獅子王の頭に追加で彫るしかない。