オレンジな日々

広島在住のシンガーソングライター&ピアニスト
三輪真理(マリ)のブログです。
音楽大好きな日常を綴っています。

村上春樹『1Q84』(BOOK3)

2010-06-11 | おすすめ本
1Q84 BOOK 3
村上 春樹
新潮社



読みたくて読みたくてしょうがなかった『1Q84』の第3巻を昨日1日で読了。
5月の半ばに買ってたけど、一気に読みたかったので、仕事が落ち着くまで本屋の袋に入れたまま封も開けなかった。
読み終わって・・なんだか月が見たくなった。なのに、なぜか新月・・。

村上春樹小説の魅力は、その文章とリズム。
克明すぎるほど克明に描かれるところと、あっさりと省略されているところの対比。
結局天吾のお父さんは誰なのか?お母さんは何故死んだのか?ふかえりはその後どうなったのか?最後にリトルピープルが作っていた空気さなぎは結局どうなったのか?・・・etc.
何にも説明されないままあっさりと終わってしまう。

でも、まあそれでいいのかも。

現実の人生だって、克明すぎるほど克明な日常と、結局はわからないまま過ぎていく毎日で構成されている。
私たちが自分のこととして認識できる世界なんて、世界のほんのわずかの部分しかない。
どこまでが真実でどこからが想像なのか、ちゃんと説明できる人なんてきっといない。

あなたの見ている世界があなたの思っている通りとは限らない。
善人と思っている人が本当は悪人で、正しいと思っていたことは間違ってるかも。
そんな風に想像力を刺激してくれるのが村上春樹小説の面白さなのかもしれないね。

ところで。
私はとっても個人的な理由で、村上春樹さんが大好き。
きっとそれは私自身の特定の思い出と結びついてるから。
それは一生多分誰にも打ち明けない思い出。
誰にも打ち明けないからこそ、私にとっては大切なんだよね。

「忘れて 二人の思い出は置き去りのままでいつか
 誰にも知られず 風に吹かれて消えてゆくの

 忘れて 私のことなら思い出の彼方へ消して
 わかっていたはず 二人が二度と戻らないって」

 (Peppemrint Leaf『哀しい夢』マリ作詞・作曲より)