人だすけ、世だすけ、けんすけのブログ

愛知13区(安城市・刈谷市・碧南市、知立市、高浜市)
衆議院議員 おおにし健介

終戦記念日におもう

2008年08月15日 | 日常
きょうは、63回目の終戦記念日ですが、靖国参拝で大騒ぎしたいつの日かとはうって変わって、新聞やニュースの報道はオリンピック一色で、終戦の日に関する話題は影をひそめていました。

しかし、一年に一度のこの季節にあの戦争の惨禍に思いをいたすことが必要だと思い、「きけわだつみのこえ」を引っ張り出して来て、朝、事務所に出てくる前に、適当に頁をめくって拾い読みをしました。

戦争の目的を疑いながらも、最後まで、祖国と愛する者の未来を憂いながら死んでいった学徒兵の手記は、一見さりげなく、また、冷静に死を受け入れようとしているかのように見えて、いつ読み返しても悲痛な叫びが聞こえてきます。

21歳でルソン島で戦死した瀬田さんが両親に宛てた手紙には次のようにあります。

 「マニラ湾の夕焼けは見事なものです。こうしてぼんやりと黄昏時の海を眺めていますと、どうして我々は憎しみ合い、矛を交えなくてはならないのかと、そぞろ懐疑的な気持ちになります。避け得られぬ宿命であったにせよもっとほかに、打開の道はなかったのかとくれぐれも考えさせられます。あたら青春をわれわれは何故、このような惨めな思いをして暮らさなければならないのでしょうか。若い有為の人々が次々と戦死していくことは堪らないことです。中村屋の羊羹が食べたいと今ふっと思い出しました。」

最後の羊羹のところが一段と悲しみを誘います。多くの学徒兵たちが若い命を散らしたことを思うとき、二度と戦争の惨禍を繰り返してはならないと思います。
北京ではスポーツを通して世界平和を実現する祭典、オリンピックが行われていますが、つい最近も南オセチアではロシアとグルジアの軍事衝突もありました。「どうして我々は憎しみ合い、矛を交えなくてはならないのか?」というわだつみのこえにもう一度耳を傾ける時です。


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