ホルモン屋徒然草~珍しホルブロだ

新米ホルモン屋の親爺の日々。ホルモンのこと、店の出来事、周辺の自然や話題。

汁なし

2011-04-07 11:41:00 | 第1紀 食べる・飲む
10年以上前になるのか、盛岡中野のゴルフ練習場に隣接した料理店に通ったことがある。
IBC岩手放送の当時の担当者に教えられて行ったのだが、まさにかの業界の連中は昼時ともなると事務所から抜けだしクライアントとの打合せと称してあちこちと食べ歩きをするものだから、その目利きにはしばし感心させられるものだった。
まぁ、今は当時と違うのかもしれない。
夜な夜な繁華街を闊歩する姿も見られないようだし。
少なくとも、ワタシの店には足が遠のいていないかな、諸君。

おっと、いつものように話はずれた。
その中野の店は、そうとう住宅地に入っていく目立たない場所にあるのだが、昼時ともなると彼のような業界の連中や、さまざまな業種の営業マンの砦と化し混み合った。
どの料理も一つ何かしらの特徴があり、図抜けていたと思う。
中でも人気なのは坦々麺とふわふわのオムレツだったと記憶する。
ワタシが「入り込んだ」のは、実は「汁なし坦々麺」だった。
本来、「坦々麺」とは汁がないものを指すらしいが、私たち日本人はあの辛いスープと挽肉と白髪ネギのが坦々麺である。
そういうワタシも「汁なし」と表記された、たぶん本場もんの「坦々麺」はここがはじめてで、そしてすっかり虜にされた。
悔しいのは汁が無いだけに、それでなくとも食い意地が張って食べるのが早いワタシには、大盛りでもあっというまに無くなることだった。
途中で酢を足しながら味を変化させて食べるのだが、それでもスープが無いだけにボリュームも足りないし、友人達がまだ食べ終えていないのを恨めしそうに待つのは、少しながら苦痛でもあった。
まぁ、いつものごとく「大盛りの大盛りはできますか」とか聞けばいいのだが、ここの経営者も従業員も女だらけで、いついっても厨房からそのアマゾネス達の怒声、罵声、口喧嘩がきこえるのだから、とてもわがままなリクエストを通す気分ではなかった。
そして、突然、「汁なし」の店は消えた。

この店がワタシの大通店のすぐそばにある「珍萬」に関係することは知っていたが、あまりにも店のそばにあることと、店内の4テーブルは昼時はいつも着飾ったカワトク帰りのおばはんや仕立てのいいスーツをまとったロマンスグレーの紳士などで満席で、一人気軽に入れない気分でいた。
もちろん、何回かは「珍萬」で食事しているが、噂通りの洗練された中華で、夏は冷やした麺がとてもおいしい。(もちろん大盛りでいただくのだが)

先日、「盛岡はらぺこ日記」を読んでいたら、その同じ名前の店が移転する前の「珍萬」のあった場所で開店したことを知り、たぶん「アレ」もあるのかなと、昨日、ランチタイムを早めにきりあげて店に向った。

中ノ橋の岩手銀行を曲がり少し歩いたところに「ざくろ」はあった。
すっきりとしたデザインの店内に4人掛けのテーブルが3つと8人がけが一つ。
そして、やはりあの女主人。
ほっとする。
あの「ざくろ」復活だなと。

注文はもちろん「汁なし坦々麺 大盛り」。
まぁ、記憶通り厨房の中は少しけたたましい怒声が飛び交っていたが、これはご愛嬌で、やってきました「汁なし」!!!
挽肉と上品な暗い赤色のソースを急いで麺に絡め、絡め、絡めて、ずずずっとすする。
おおっ、この味だ。
いや、ほぼ記憶の味だが、それよりは少し粘性も高く、挽肉が柔らかく上質な気がする。
スパイスも少し複雑系で、いや、これはかなり気に入った。
全体に粘性が高く、本当に急いで麺と絡めなきゃいけないが、この粘性も何故か質感を高めている。
グレードアップしたな、、、などと、ほくそえみながら箸を進める。
半分過ぎたところで、酢を一回り。
味の変化を楽しみ、さらに半分進んだところで酢を一回り。
う~ん、最後に残った汁や唐辛子やなんやらを丼に顔をくっつけて舌で舐め廻したいが、まあそうもいかん。

満足したのだが、やはりもう少し腹が、煩悩が食べたいといっている。
でも、まさか「大盛り おかわり」とも言いづらいので、後ろ髪を引かれながら店をあとにした。

結果的には少しの散歩の途中で、だんだん腹が発酵して一杯になってきたのである。
なんと情けない胃袋だ。
ほんの数年前まではこんな量では不満で、もう一軒、ランチの二次会に廻ったのだが。

その夜、なぜかまんちくりんの大通店のカウンターに食通の常連さんが。
曰く、そうそうあそこの皮蛋が「すごい」のだよと。
おっと、こりゃ夜も突入せにゃいかん。

だれかお供はいませんか。。。。。

参考:「盛岡はらぺこ日記

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