「お~い、I嬢。山椒、どこいった。」
「あれっ、いつものとこに無いですか。あっ、こっちにあった。おばあちゃんが持ってきたのかな。」
「あれっ。賄いのスジ煮、もうないの。俺のすきっ腹、どうしてくれるの。」
「あら、おばあちゃんが食べたのかね~。」
「をかしら屋」厨房内には私も含めて三人が働いているが、こうして「おばあちゃん」がときどき出没する。
あるはずのものが所定の場所に置いていなかったり、賄いがいつのまにか無くなっていたり、欠品を補充していなくてあわてたりしていた時は、きっと「おばあちゃん」がいたずらしていたことになる。
だから、「おばあちゃん」は突然予告なしに現れるし、ささやかだったり、とてつもないいたずらをしたりするけど、厨房の緊張を和らげたり、爽やかな風を引き込んだり、いいことも少しはする。お茶目で、あわてんぼうで、少し優しい「おばあちゃん」なのだ。
目に見えない「おばあちゃん」がいることで、いらぬ仕事の緊張や失敗のなすりつけなどが柔らかく解決する。
I嬢の「おばあちゃん」や、私の「おじいちゃん」達はある日そっと忍び込んできた。
「あれっ。今、お客さんがきたよね。おばあちゃんが。」
というように、誰か一人にしか見えないお客様としてお店にきて、時々、特に忙しい時に見え隠れする店の住人となったのである。
多分、どの店にも住んでいるのかな。
「おばあちゃん」のいない店は、ちょっとぎすぎすしたり、きりきりしていたりするのかもしれない。
英国には民家にすみついてこっそり家事の世話をする「ブラウニー」がいたり、どの店にもフェアリー(妖精)が棲んでいたりするという。
日本にも座敷童子が・・・。
そして、「をかしら屋」には「おばあちゃん」がいる。
「あれっ、いつものとこに無いですか。あっ、こっちにあった。おばあちゃんが持ってきたのかな。」
「あれっ。賄いのスジ煮、もうないの。俺のすきっ腹、どうしてくれるの。」
「あら、おばあちゃんが食べたのかね~。」
「をかしら屋」厨房内には私も含めて三人が働いているが、こうして「おばあちゃん」がときどき出没する。
あるはずのものが所定の場所に置いていなかったり、賄いがいつのまにか無くなっていたり、欠品を補充していなくてあわてたりしていた時は、きっと「おばあちゃん」がいたずらしていたことになる。
だから、「おばあちゃん」は突然予告なしに現れるし、ささやかだったり、とてつもないいたずらをしたりするけど、厨房の緊張を和らげたり、爽やかな風を引き込んだり、いいことも少しはする。お茶目で、あわてんぼうで、少し優しい「おばあちゃん」なのだ。
目に見えない「おばあちゃん」がいることで、いらぬ仕事の緊張や失敗のなすりつけなどが柔らかく解決する。
I嬢の「おばあちゃん」や、私の「おじいちゃん」達はある日そっと忍び込んできた。
「あれっ。今、お客さんがきたよね。おばあちゃんが。」
というように、誰か一人にしか見えないお客様としてお店にきて、時々、特に忙しい時に見え隠れする店の住人となったのである。
多分、どの店にも住んでいるのかな。
「おばあちゃん」のいない店は、ちょっとぎすぎすしたり、きりきりしていたりするのかもしれない。
英国には民家にすみついてこっそり家事の世話をする「ブラウニー」がいたり、どの店にもフェアリー(妖精)が棲んでいたりするという。
日本にも座敷童子が・・・。
そして、「をかしら屋」には「おばあちゃん」がいる。