ホルモン屋徒然草~珍しホルブロだ

新米ホルモン屋の親爺の日々。ホルモンのこと、店の出来事、周辺の自然や話題。

悪人

2011-11-07 11:25:18 | 第1紀 読書・JAZZ
高3は理系クラスにいたが、途中でやはり文学部を目指すことにした。
文学系を受験するには、社会(特に歴史)の素質が無く、数学で受けれる学校を受験することにした。
一年あそび、やはり文学部はあきらめ他の学部に入った。

その何十年か後も全く同じように、さてさて、ほどほどワタシの人生、脈絡が無いのだよ。

して、なぜ文学部かというと、子供のじぶんから小説が好きで、中高校生のころは一日数冊読み明かしていたと思う。
金のないときは誠山房(今は無いが花巻上町の本屋さん)で、立ち読みで一日に一二冊読む強者だった。

外国の小説を外国語で読みたいと思った。
自称文学青年が(今はいるのかどうかわからないが)「フランスに行きたい」と思うのと同じで、仏語や英語の洋書を言語ですらすらと読みたかった。

しかるに、せっかく入った学校でも教養課程の仏語1、仏語2を4年の、それも卒業間際まで単位をよこせよこさないと教授ともめる落第生だった。
あれほど夢見た仏語の授業を、実はさぼりにさぼっていたのだ。
願望が近づくとおののくという悪いタチは昔からのものだ。

結果、その後の読書は日本の作者のものが多くなった。
ディティールというのだろうか、私小説など好きなワタシは、やはり日本人ゴコロしか理解できないだろうと勝手に決めていた。

吉行淳之介などを英訳にしても、かの国の方は理解するだろうか。
その反対を自分において、かの国の方が書いた訳文を読んで、果たして理解できるのかと自分に問い合わせたら、そこに首を傾げたオノレがいた訳だ。
まぁ、ほとんどナニカから逃れているとしか思えないことも無いのだが。

前置きが長くなった。

前夜、ここのところ珍しく二週続きでテレビ映画を見る。

「悪人」。
吉田修一の原作で、小説も映画も大きな賞をいくつかいただいた話題作だということは知っていた。

感想はといえば、確かに監督と役者は良かったと思う。

ただ、ストーリーとか展開から云えば、「余計なもの」「無駄なもの」「とっくつなもの」が多かったように思う。
投げかけられた作者の意図、あるいはこめられたもの、その心象がなにであったのかは、酒をたらふくいただいて時々「ねむ」に入っていたワタシには残るものは無かった。

彼の小説は「パレード」を買い求めた程度で、それも今回と同じような希薄な残像しかない。
たぶん、あわないのだろう。
最近は大きな賞をいただいている旬の作家なのだろう。
ただ、ワタシにはあわないだけなのだ。

前文のように日本文学、それも同じ意識で読める現代文学というのか昭和、それも戦後以降の作家が好きなワタシは、その作家が気に入れば全冊揃えるまで読み込むという傾向がある。

最近、社会人になって買うばかりでほとんど読みふける時間も持ち合わせなくなってきてからも、話題の作家は読むようにしている(もちろん立ち読みのつんどくがおおいのだが)。
何人か好きな作家もできたが、二十代、三十代の女性作家が多いように思う。

今の自分はそういう読み物があっているのだ。

だから新刊は積み上げているのだが、昔から大好きな作家の本を引っ張りだして再読するというのが最近の傾向なのだな。

うん、そんな感じ。



今日から昼も夜も大通店にいます。

そして明日は「第2回盛岡月見ハシゴ酒祭り」。

皆さまのお越しを楽しみにしてお待ち申し上げます。