あれは,あれで良いのかなPART2

世の中の様々なニュースをばっさり斬ってみます。
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証拠があるところから攻めるのが捜査のセオリー

2009年03月06日 01時01分49秒 | 裁判・犯罪
小沢一郎氏の公設秘書逮捕について,「国策捜査」であるとの発言が物議を醸しています。はたして本当に国策捜査なのでしょうか?

献金捜査、自民に波及せずと高官 異例の言及(共同通信) - goo ニュース

ポイントは小沢事務所がまじめに帳簿を付けていたところにある

結論から言いますと,昨日も書いたとおり,「国策捜査でも何でもない」と思います。
一般に,捜査のセオリーは,「証拠があってかなり堅い線から攻める」ということにあります。当然の話で,逮捕状などを請求するときには必ず犯罪を裏付ける証拠が必要となりますし,その後裁判になれば,当然証拠を出さなければ有罪になることはありません。さらに,逮捕から起訴までは最長でも23日間しかなく,基本的には起訴後の捜査はできませんので,逮捕をすると,検察の捜査は逆に「短時間勝負」になるのです。
であれば,当然の話として,「逮捕する前にある程度がっちり証拠を固める」ことが必須となります。一方で,逮捕前の捜査は,ほとんどが任意捜査であるため,資料収集作業は困難を極めます(捜索差押令状で証拠を押さえるにしても,その令状請求のためにはやはり証拠が必要となります。)。
したがって,捜査機関としては,「とにかく手堅いところから攻めていく」という捜査手法がセオリーとなるのです。
これが行き過ぎてしまうことで,「別件逮捕」などの問題が生じていることを聞いたことがある人も多いかもしれません。あからさまな別件逮捕はもちろん基本的には違法捜査になりますが,別件逮捕をする理由は,「とりあえず証拠が手堅い軽微な罪で逮捕して,その逮捕勾留時間を使って本件の事件証拠の収集をしたい。」という点にあります(繰り返しますが,これは基本違法です。現在は,当然もっとちゃんとした方法で捜査しています。)。

すると,今回の西松建設ルートについてはどうでしょうか。検察側が「最後に追いつめようとしている場所」がどこなのか分かりませんが(噂レベルでは,政治家や闇のフィクサーなど数名の名前が挙がっています。),仮に大物のX氏を逮捕起訴するのが目的であるとした場合,とりあえずその近場で証拠が残っているところから攻めていくと考えるのが自然です。
そして,小沢一郎氏については,政治資金規正法に関する第一人者であり,従前から政治資金の収支についてかなり細かくガラス張りにしていたと言われています。もしそれが事実であれば,ガラス張り=証拠が残っているということになるので,検察側としては「証拠収集がしやすいターゲット」であったと言えます。
だから,まずは小沢一郎秘書から逮捕した,と考えられるのではないでしょうか。

決して国策捜査などではなく,よく言えば「小沢氏の正直者帳簿が残っていたから」ということ,悪く言えば「隠し忘れた」ということで,まず最初の捜査対象としてロックオンされたのではないかと思います。

もちろん,ここは推測の域を超えないので何とも言えません。いずれにせよ,今後起訴されるか否か,あるいは更なる逮捕者でるか否かで,この推測の信憑性も変わってくることでしょう。今後の行方を見守りたいと思います。

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6 コメント

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Unknown (そらっち)
2009-03-06 08:33:30
マスゴミはあまり取り上げていないが、東京地検特捜部は「請求書を送りつけていたという事実はなかった」って発表したらしいですね。。。
そらっちさま,コメントありがとうございました (おかにゃん)
2009-03-07 02:13:59
こんばんは。
なるほど,そんな発表しているのですね。もっとも,捜査機関は,捜査の必要上から必ずしも正確な発表はしませんから,現時点では鵜呑みにはできないかもしれません。
逮捕状取れたくらいの証拠って,いったい何だったのだろうって思いますね。
お勧め (時評親爺)
2009-03-08 10:11:16
おはようにございます(飯ナシ汗)

ん~、検察捜査とかについては・・・

http://www.amazon.co.jp/gp/product/4344411528/sr=1-2/qid=1236473648/ref=olp_product_details?ie=UTF8&me=&qid=1236473648&sr=1-2&seller=

ここいらへん↑の著書類(=著者は元特捜地検検事で某事件で有罪確定)とか

http://www.amazon.co.jp/gp/product/4106101033/ref=olp_product_details?ie=UTF8&me=&seller=

ここいらへんの著書類(=著者は元裁判官で現弁護士ですがいろんな面で著名です)とか

読んでいなければ、各著者は複数出版されてますのでお勧めします。

但し著書内容の評価はお任せしますが(いずれも元検事・元裁判官なので)、意識は変わるかもしれませんが変わらないかもしれません(謎)
>おかにゃんさま (ぴえる)
2009-03-08 12:05:13
これが時代劇なら,小沢氏の放った刺客によって,秘書は口封じされているところでしょう。
小沢氏は事実無根で徹底抗戦の構えで,今のところ「秘書を信じる」とも言っていますが,将来的には「ワシのために不味いメシを食ってくれ。」とのストーリーができあがっているようにも思えますね。

ちなみに我らが秘密結社にも,そろそろ人事の動きがあるようですな!
時評親爺さま,コメントありがとうございました (おかにゃん)
2009-03-08 23:12:19
こんばんは。夜お茶中にございます。
ご紹介いただいた書籍,いずれの著者もいろんな意味で「ただ者ではない方」ですね。
正直,どっちも読んだことありませんが,レビューを見る限りでも賛否両論っぽい感じが・・。
ぴえるさま,コメントありがとうございました (おかにゃん)
2009-03-08 23:14:58
こんばんは。
時代劇なら,確実に,その後欽さんか水戸黄門か松平健あたりが来て一気に解決,なんていうオチになりそうですね。
しかし,この捜査,どう考えても「本丸」があると思いますが,果たしてどこにターゲットとロックオンしたのか,そこに興味があります(必ずしも小沢代表とは限らないっていうこところがミソです。)。

ところで,秘密結社にも国替えがあるみたいですね。春ですなあ・・。

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