元総務大臣の鳩山邦夫氏が自民党を離党しました。鳩山氏は，新党結成を前提にした与謝野氏や舛添氏らとの連携も視野においており，今後の動向や賛同者などの動きが注目されます。
自民に離党届の鳩山邦夫氏、ＧＷ前に新党結成の意向(朝日新聞) - goo ニュース
ここまでは想定内，さてどこまで雪崩が起こるか
鳩山氏の離党はもともと想定内の出来事でした。そもそも，谷垣総裁誕生の頃から「離党だろう」とささやかれていました。また，鳩山兄やん総理のスキャンダルを攻めるには，正直自民党内に鳩山弟がいるのは，自民党幹部からすると「目の上のこぶ」であったといえます。下手に攻めると全部自民党に戻って来てしまいかねないからです。そういう意味では，自民党からしたら，「内心ラッキー」と言えます。
ただ，手放しでは喜べません。よく言えば考え方の違い，悪く言えば選挙に勝つための手段として，「脱自民党」を画策している議員は結構います。ただ，地元組織との絡みから，簡単に自民党を抜けることはできません。
ところが，鳩山新党が発足すれば，「いやいや，基本，自民党だから」などということで，地元組織ごと離党することも可能となります。そうなると，離党者は一気に拡がる可能性が出てくるでしょう。おそらく，このままでは参院選を戦えないという自民党系議員は一気に鳩山新党に流れてしまい，自民党基盤が崩壊する可能性が考えられます。
じゃあ，民主党は万々歳かというと，そんなことはありません。もともと，寄り合い所帯の民主党ですから，ちょっとしたことで一気に崩れてしまうことはありえます。特に，「反小沢派」の方々からしたら，鳩山新党は渡りに船となりますので，一気に民主党を離党してしまう可能性があります。そうすると，場合によっては単独過半数すら危うくなり，「自然に政権交代」という憲法も想定していないような自体が起こりかねません。平たく言えば，自民，民主の雪崩の後で「鳩山新党が自民党にくっつく」となれば，自民党ラインが過半数取りますから，解散無くして政権交代が起こるのです。
まあ，ここまで激しいことは実際想定しづらいですが，いずれにせよ，鳩山新党とみんなの党が今後のキャスティングボートを握る存在といえるでしょう。逆に，国民新党は風前の灯火となる可能性があります。郵政改正法案しかない国民新党には，もはや静香ちゃん以外に国民に与えるインパクトはないからです。
ただし，鳩山新党にはアキレス腱があります。それは，「鳩山邦夫氏自身の人気がない」という点です。みんなの党の渡辺氏は，メディアの露出などからそこそこ人気があります。また，かつての日本新党の細川氏の場合，よく分からないけどものすごい人気がありました。ところが，鳩山氏については，策士ではあるものの，人気はありませんから，党の顔になり得ません。
とすると，鳩山氏の発想としては，「自分が小沢一郎状態になる」ということで，「美しい顔」を探すことになるでしょう。そうすると，舛添氏が代表というのがベタな筋書きですが，ウルトラＣとしては，菅直人氏あたりを一本釣りするなんていうこともないとは言えません。たはたま，田中真紀子氏あたりを持ってくるなんていう受け狙いも０ではないでしょう。女性代表っていう路線は非常にあり得る話です。
いずれにせよ，イメージ勝負となるはずです。
では，参院選はどうなるでしょうか。結論から言えば，「勝者のいない選挙」になるでしょう。いわゆる単独過半数取れる政党が全くないということになります。のみならず，本来の争点となりうる「年金」「財政改革」「景気回復」「生活再建」「コンクリートか人か」などという論点そっちのけで，「とにかく政権はどこか」みたいなイメージ選挙になってしまいます。すると，有権者は何を基準に選んでよいか分からない状態になりますし，そもそも「自民党も民主党もだめだからもういいや」っていうことで選挙に行かない人が増えるこわさすらあります。
そうすると，「最後は組織力勝負」になりかねません。つまり，なんやかんや言っても結局は，「どこの組織を持っていったか」が全てになるのです。そして，組織主体政治が復活し，国民主体の政治からますます離れていくという負のスパイラルに陥りかねません。
鳩山新党がどこまで国民目線での政策を提言するか分かりませんが，いずれにせよ，参院選が単なる駆け引きの場となる「ライアーゲーム」にならないよう，やるからには真剣にやってほしいですし，新党に参加する議員もライアーゲームのような駆け引きだけで離党することのないようにしてもらいたいです。
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自民に離党届の鳩山邦夫氏、ＧＷ前に新党結成の意向(朝日新聞) - goo ニュース
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鳩山氏の離党はもともと想定内の出来事でした。そもそも，谷垣総裁誕生の頃から「離党だろう」とささやかれていました。また，鳩山兄やん総理のスキャンダルを攻めるには，正直自民党内に鳩山弟がいるのは，自民党幹部からすると「目の上のこぶ」であったといえます。下手に攻めると全部自民党に戻って来てしまいかねないからです。そういう意味では，自民党からしたら，「内心ラッキー」と言えます。
ただ，手放しでは喜べません。よく言えば考え方の違い，悪く言えば選挙に勝つための手段として，「脱自民党」を画策している議員は結構います。ただ，地元組織との絡みから，簡単に自民党を抜けることはできません。
ところが，鳩山新党が発足すれば，「いやいや，基本，自民党だから」などということで，地元組織ごと離党することも可能となります。そうなると，離党者は一気に拡がる可能性が出てくるでしょう。おそらく，このままでは参院選を戦えないという自民党系議員は一気に鳩山新党に流れてしまい，自民党基盤が崩壊する可能性が考えられます。
じゃあ，民主党は万々歳かというと，そんなことはありません。もともと，寄り合い所帯の民主党ですから，ちょっとしたことで一気に崩れてしまうことはありえます。特に，「反小沢派」の方々からしたら，鳩山新党は渡りに船となりますので，一気に民主党を離党してしまう可能性があります。そうすると，場合によっては単独過半数すら危うくなり，「自然に政権交代」という憲法も想定していないような自体が起こりかねません。平たく言えば，自民，民主の雪崩の後で「鳩山新党が自民党にくっつく」となれば，自民党ラインが過半数取りますから，解散無くして政権交代が起こるのです。
まあ，ここまで激しいことは実際想定しづらいですが，いずれにせよ，鳩山新党とみんなの党が今後のキャスティングボートを握る存在といえるでしょう。逆に，国民新党は風前の灯火となる可能性があります。郵政改正法案しかない国民新党には，もはや静香ちゃん以外に国民に与えるインパクトはないからです。
ただし，鳩山新党にはアキレス腱があります。それは，「鳩山邦夫氏自身の人気がない」という点です。みんなの党の渡辺氏は，メディアの露出などからそこそこ人気があります。また，かつての日本新党の細川氏の場合，よく分からないけどものすごい人気がありました。ところが，鳩山氏については，策士ではあるものの，人気はありませんから，党の顔になり得ません。
とすると，鳩山氏の発想としては，「自分が小沢一郎状態になる」ということで，「美しい顔」を探すことになるでしょう。そうすると，舛添氏が代表というのがベタな筋書きですが，ウルトラＣとしては，菅直人氏あたりを一本釣りするなんていうこともないとは言えません。たはたま，田中真紀子氏あたりを持ってくるなんていう受け狙いも０ではないでしょう。女性代表っていう路線は非常にあり得る話です。
いずれにせよ，イメージ勝負となるはずです。
では，参院選はどうなるでしょうか。結論から言えば，「勝者のいない選挙」になるでしょう。いわゆる単独過半数取れる政党が全くないということになります。のみならず，本来の争点となりうる「年金」「財政改革」「景気回復」「生活再建」「コンクリートか人か」などという論点そっちのけで，「とにかく政権はどこか」みたいなイメージ選挙になってしまいます。すると，有権者は何を基準に選んでよいか分からない状態になりますし，そもそも「自民党も民主党もだめだからもういいや」っていうことで選挙に行かない人が増えるこわさすらあります。
そうすると，「最後は組織力勝負」になりかねません。つまり，なんやかんや言っても結局は，「どこの組織を持っていったか」が全てになるのです。そして，組織主体政治が復活し，国民主体の政治からますます離れていくという負のスパイラルに陥りかねません。
鳩山新党がどこまで国民目線での政策を提言するか分かりませんが，いずれにせよ，参院選が単なる駆け引きの場となる「ライアーゲーム」にならないよう，やるからには真剣にやってほしいですし，新党に参加する議員もライアーゲームのような駆け引きだけで離党することのないようにしてもらいたいです。
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