仏典を読経している。音読する。
*
すると、音の響きの中に、仏陀が出現して来る。
*
どきっとする。
*
あり得ないことがあり得ていることに驚く。
*
読経は、仏陀と相対する時間と場所を設定してくれる。
*
仏陀がわたしに語り掛けて来る。
*
仏陀に語り掛けられているわたしを感じて、わたしは厳かになる。
*
生きているうちに、わたしは仏陀に相(あい)見(まみ)えて、仏陀の説法を聞いていられるのである。
仏典を読経している。音読する。
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すると、音の響きの中に、仏陀が出現して来る。
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どきっとする。
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あり得ないことがあり得ていることに驚く。
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読経は、仏陀と相対する時間と場所を設定してくれる。
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仏陀がわたしに語り掛けて来る。
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仏陀に語り掛けられているわたしを感じて、わたしは厳かになる。
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生きているうちに、わたしは仏陀に相(あい)見(まみ)えて、仏陀の説法を聞いていられるのである。
仏壇の前に座って読経をした。大無量寿経を読経した。といっても、一度に全部を読経したわけではない。5回くらいに分けて。ゆっくりと。噛みしめるようにして。すべて漢語だから、意味を理解するのが難しい。
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ほぼ理解していないといっていい。でも、有り難いことが書かれているはずだから、有り難がって読経する。それでいい。いい加減読経でいい。そのうち、毛穴から沁みて来るはずだ。
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仏典は仏陀の説法である。読経の中に仏陀を感じればそれだけで安らげる。仏陀が直接わたしに語っているような錯覚に落ちることがある。すると仏陀とわたしは二人になってしまう。
小学校時代の友人の、K君のところに立ち寄ったら、烏賊を3尾もらって来た。彼は海釣りが趣味。でっかい鯛をなんどももらったことがある。
もらった烏賊は冷凍にしてある。解凍して刺身で食べてもいいらしい。
僕も西瓜を届けた。でっかい西瓜を。もちろんスーパーで買った西瓜だが。彼の家の近くに孫たちが住んでいる。たぶん、孫たちにも届けられただろう。
なかなかK君宅へも行かない。今日は彼から久しぶりに電話が入った。それで訪ねてみることにした。
一日、よくこれだけの雨が降るなあ。感心している。これだけ多量に降り続けば、大空の貯水湖が空になってしまうはずなんだけど、そうはならないらしい。フシギだなあ。貯水湖にどんどん流れ込んで来る大きな大きな川があるんだろうか。
この老爺の小さな頭脳くらいでは、謎は解けそうもない。
待とう。
待とう。
そう言い聞かせている。
*
苦しいところにいる。いまは苦しいところにいる。
でも、日は回っている。暗い夜は明るい朝になるだろう。
*
待とう。
待とう。
そう言い聞かせて、いまを過ごしている。
*
祇園山の山麓辺り、ホトトギスが来て鳴いている。
テッペンカケタカ カケタカ、まだ地の底か、と鳴いている。
お昼になった。どうしよう。
誰も居ない。
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インスタントラーメンしか作れない。これはお湯を注ぐだけですむから。
でも、気が進まない。
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食べないでもいい。
それほどにお腹が減っているわけでもない。
雷さんの機嫌がよくなりました。地団駄を踏まなくなっています。静かになりました。
雨も小止みに戻っています。
*
すべては変化なんですね。いっときもじっとしていない。
つまり活動をしている。そういうことなんですよね。
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雷鳴も止む。梅雨も明ける。晴天の夏空が広がる。こうやってすべてのものが、次々に変化を遂げていく。
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僕もそう。僕を取り巻いている悪条件好条件もそう。巡りに廻る。固定がない。
変化に変化を遂げて新しくなって行く。新しいページが捲られて行く。
*
短期的でものを見ていないで、長期的に見ていたい、だったら。
悲しみが悲しみで終わることはない。苦しみが苦しみで終わることはない。一切は新しくチェンジして行く。
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できたら、宇宙誕生時間から宇宙消滅時間、さらに宇宙復活誕生時間までの、長い長い時間の、物差しで。
この世から消えてしまう、もうしばらくで。
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消えてしまった僕は、その後、どうするのだろう?
どうしているのだろう?
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この世を消えて、次の世に出現をしているのだろうか?
だったら、地点移動をしたことになる。A地点からB地点へ。
よりよいB地点へ。
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で、この世との関係がプツンと切れてしまうのだろうか?
この世を執着しているだろうか?
新しい門出に祝福されている余りに、この世のことなどすっかり忘れ去ってしまっているのだろうか?
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よりよいB地点に進んだとすれば、きっとこの世のことは放擲できるだろうが、そうでない場合、つまりより悪い地点に落下している場合は?
この世のことがすべてよく思われて来るだろう、きっと。帰りたくなってくるだろう。
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どっちだろうか? 進歩だろうか、退歩だろうか。
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僕は、進歩に賭けたい。次なる進歩向上を約束されたので、この世を去って行く気になっただろうからである。
M君は大学時代の友人。同じ県内に住んでいる。愛妻家だ。
旅に誘っても彼は応じない。日帰りまでなら付き合う。
奥さんと離れるのが嫌らしい。一晩でも。
いっしょの布団で寝てないと眠られないらしい。
手を繋いで寝ているのだそうだ。冗談だろうが。
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老いて益々夫婦仲がよくなるなんて、凄いなあ。
いや、そうでなくちゃならないだろうけど。
朝夕、二人の散歩を欠かさないのが秘訣らしい。
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昨日久しぶりで彼から電話をもらった。僕のことも思い出してくれたらしい。しばらくお喋りをした。彼とは何でも話せる。
人柄が実にいい。穏やかである。争いごとをしない。高校教師をしていた。生徒たちの信頼が厚かったらしい。
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老い先が短いから、元気にしているうちにまた会おうよというところで、会話は終わった。
しかし、しばらくの間でも、奥様との緊密な一枚岩連結を破ってしまいそうで、会うのは気が引けるのである。
雷さんがごろごろごろと鳴っています。
大空で戦車を引いているような音がします。
雨はしばらく小止みになっています。
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気温26℃。湿度94%。ムシムシします。
半ズボン半袖シャツでいます。
雷の横暴が始まりました。雨が大地を叩きつけています。