みな死んでしまうんだよなあ。生きているものはみな。例外なく。もちろんこのわたしも。
死んでしまうと、どうなるんだろうなあ。
此処には居なくなるんだよなあ。
＊
わたしが此処にいなくなったことを、しかし、わたしは知るだろうか？ どうやって知るだろうか？
感覚する頭脳を失っているのだから、知ることが出来ないかもしれない。
＊
だったら悲しまなくてもいいのかもしれない。死んだのか死んでいないのか、察知不能だとすれば、悲しいという感情もわかないはずだ。
＊
じゃ、万事終わりで、すっきりするのかもしれないなあ。
＊
そうなんだよなあ、悲しいのは生きている間だけのことだったんだよなあ。
人が住んでいない空き家が近くにある。ここに枇杷の木が栄えている。実がたくさん実っている。そろそろ熟す。カラスがこれを待っている。ガアガアガアガア大声で鳴いて、大群で大空を舞う。そして一日で食べ尽くす。バタバタバタと羽音をさせて、家の家の屋根のとっぺんに来て、爪先で枇杷の実を押さえて、上手い具合に種を吐き出して、飛び去って行く。
雨が降ると土が潤う。畑の野菜類も活気づくが、草も勢いを得ることになる。野菜類にあげた肥料分を吸って、あっというまに畑を草が埋め尽くすことになる。草取りに精を出さねばならなくなる。
仕事がない年寄りに与えられた仕事が草取りだ。黙々と仕事に励むことになる。そして夕方には充実感にあふれることになる。草に感謝だ。
素泊まりで、近くの温泉に行って来た。友人といっしょに。旅館直属の食堂が休店日だった。しかたなくスーパーで夕食の弁当（刺身とにぎり寿司と焼き鳥）と缶ビールを仕入れていった。食事の前にゆっくり温泉を楽しんだ。素泊まり料金は３８００円だった。翌日、朝６時にまた朝湯を楽しんだ。
雨。雨降り。そんなに酷くはない。しとしとしと、雨垂れがするくらい。でも、空が掻き曇っていて、薄暗い。これからまだ降りたそうにしている。
＊
昨日、一昨日と、日照りの中で長く働いたので、今日は休憩日。照らされて照らされて、ふわりふわりになってしまった。気分が悪くなった。熱中症になりそうだった。
＊
友人が我が家の畑の猪避け対策の柵を張り巡らせてくれた。切って来た竹を使って。西瓜畑、メロン畑、薩摩芋畑に。友人が暑い日照りを斧ともせずに頑張るので、僕がギブアップすることができなかった。
＊
二日間掛けてほぼ出来上がった。雨に張り巡らせる作業がｍだ幾分か残っているが、それはこの後、この僕がゆっくりゆうくりすればいい。友人に感謝している。
