雨音が激しくなって来ました。本降りです。
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これだけ降って来ると、大川の水量が心配されます。
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降った分だけは大川がこれを受け入れなければなりません。
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海へ海へ流し去ってやらねば、地上は水浸しになってしまいます。
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一定量を超えれば、大川は氾濫します。土手が決壊してしまいます。
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小学校の頃、よく大川が氾濫しました。いまよりもずっと川幅が狭かったのです。
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大川に掛かっている木の橋が、橋桁に流木を絡ませていました。やがて濁流の水位が上がり、橋は途中で落ちてしまいました。
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こうなるともう渡っていけません。上流にある丈夫な石の橋に回って行かねばなりませんでした。
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しかしこの石の橋の先は山に続いていて、そこには寂しい墓場があります。
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そこを小学生のわたしが一人で肝を潰しながら帰って行ったことがありました。
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いまはもうそんなことはないでしょう。大川の川幅がずっと広げられています。頑丈な橋も懸かっています。
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午後からのこの大雨。よく降るなあ。たいがいぶんで上がってくれないかなあ。