しきしまの やまとのくには ことだまの さきはふくにぞ まさきくありこそ 柿本人麻呂 万葉集
日本の国は言霊が幸いをもたらす国です。どうか私が言葉で「ご無事でいて下さい」と申し上げることによって、どうぞ無事でいて下さい。 (海路の旅に上る人に餞した歌) 奈良県桜井市のホームページより
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志貴島(敷島)の日本の国は事魂の佑はふ国ぞま福くありこそ
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日本人は日本語を使って話している。日本語は大和言葉である。漢語とは違う。独特に違う。やわらかい。大和言葉には神々が宿っている。それで神秘的である。力が満ちている。なんとも不思議な霊力が籠もる。唐に行く遣唐使は海路の危険を冒す。この危険を乗り越えるには摩訶不思議の霊力が必要になる。作者はこれを和歌という言霊によって超えさせようと願った。わたしが贈ったこの歌を音読すれば旅の無事が約束されますと。大和言葉は音韻の言葉である。言葉の音の調べ、韻には神の力が宿っていた。その大和言葉をわれわれは口に上らせている。短歌ではない和歌をこそわれわれ大和の人は使いこなす能力を与えられている。国学者のいいそうな弁論か。
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