おっとう(おとっつあん、オヤジ)は、水芋の甘酢料理が好きだった。水芋の茎の、酢もの料理である。食べる時に独特の歯触りがあった。カサリコソリの音がした。水芋料理は、やや、エグいので、嫌いだという人も多い。息子のわたしは嫌いじゃなかった。それほどおいしいとも思わなかったが。
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我が家にはその水芋の種芋が残っている。毎年成育が盛んになるが、誰も食べない。食べたら、喉のあたりがエグい、からだそうな。エグいというのは、痒みを覚えるの意味合いだろう。昨日、畑の草取りをしていて、冬眠中の水芋の種芋を掘り起こしてしまった。育てても誰も食べないのだから、捨て去ってもいいのだが、惜しい気もするので、そのままにしておいた。芋の部分は普通の里芋と同じように食べられる。
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人様に差し上げようとするのだが、受け取り拒否に会うのがオチだ。小川に泥鰌がいたころは泥鰌汁(どじょうじる)にも入っていた。
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