朝から雨が降っています。気温が下がっています。寒いくらいです。上下とも長袖を着ています。外には出ていけません。家に籠もっているきりです。もうお昼です。
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書きたいことがありません。読んでもらえるようなことが見付かりません。自分の主張というものがないのです。社会問題がいろいろ起こっていますから、そういうことに関心があれば、非難や批判や具体的な問題解決策が言えるでしょうが、それが言えるほどの広くて深い知識を持ち合わせていません。書いていると我が身の不勉強さがしみじみ知らされてくるばかりです。
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くわんのんのしろきひたひに瓔珞のかげうごかしてかぜわたるみゆ 会津八一
夏の歌。だろうと思う。風が渡ってきている。観音さまは聖観音さまだろうか、宝冠を被っておられ、そこから瓔珞の金具が細く垂れている。それが風に揺れると瓔珞の小さな影が、観音さまの白い額に影差してくる。その揺れている影を、作者は見ている。よくよく近くへ寄っていなければ、額の白さも、白い額が映している細い影も見えてこない。それほどに観音さまに親しみを感じているのである。繊細で、涼感のある作品である。