冷え込んできている。またぞろ、雪にでもなるのだろうか。サイクリングに出たのはよかったんだが、道を渡ろうとしていてその中央で安定を欠き自転車もろとも転倒してしまった。とっさには起き上がれない。寒いので体がすばやい反応をしてくれない。鈍痛がやって来る。早く起き上がらねば自動車に踏みつけられてしまう。焦ったがしばらく大の字になっているしかなかった。やっと起き上がったが頭がふらふらする。まずは自転車を抱き起こして道を渡りきった。大きな道路である。自転車を止めて傷む部分を確認した。麻痺の足の膝と手の臂が擦りむいて出血している。膝が動きにくくなっている。このまま続行できるかなと不安になった。しかし、ともかく帰るしかない。でももうサドルを跨ぐのが恐い。しばらく足を引き摺りながら自転車を押して歩いた。そしてああよかったと思った。大事故にならずに済んでよかったと思った。夕方に書けて冷気が流れ込んできた。昼間、日が射していたのでさぶろうは軽装である。下着と薄いシャツである。ペダルを漕いでからだを温めなければならないと決断して、自転車に乗ったがやはり安定性を欠いてふらふらした。ああ、自分は70才だったんだと思った。