多病息災発達障害者こよりの日常

両手で数えきれない障害と持病を抱えつつ毎日元気に活動中。発達障害の息子たちの子育ても終え、悠々自適の毎日です。

「みんないっしょ」にこだわる人

2018-03-14 18:28:06 | 人間関係
障害を持つ子どもの 親御さんは、進路選択の時に


「通常学級か 支援学級か 支援学校か」で 悩むことが多いそうだ。


兄ちゃんの時は 「この子は 絶対に普通の子と違う、何かある」と


思っていたが、見た目では 他の人にはわからないし、


あちこちの小児科で 相談しても 取り合ってもらえなかった。


通常学級に入ったが、体がうまく使えない。不器用である。


文字も 正確に書くことが できなかった。


通常学級で 6年過ごし、中学をどこにするかの選択の時は、


本人が「みんなといっしょにOO中に行く」と言うので


意志を尊重したが 多分 途中で挫折するだろうなあ、と思っていた。


中学では「部活」がある。その中学では「全員参加」だったので、


授業で へとへとになり、その後は部活で 力を使い果たし、


小学校でも 行き渋りがあったのが、


本格的不登校になった。


私は あれだけ無理をしたので ガス欠だな、と思っていたが、


学校の先生には 一大事だったようで、家に電話がかかってきたり、


家に 訪問をと 言われた事もあった。


家に 先生が来たら、子どもが 不安になる事必至である。


私が 学校に出向くようにして、家での様子を 時々連絡しておいた。


月日は過ぎて 卒業式だけ 参加させて、


義務教育終了。「学校とはとりあえず縁が切れたよ。何がしたい?」と


尋ねたら 「家に居る」というので 不登校から 「ひきこもり」になった。


家できままにさせつつ 家事や介護の手伝いをしてもらううち、


ある日「俺、高校いく」と言い出した。


ならどうぞ、と パンフレット等を集め、知人で 現職の高校の先生がいたので、


そのお宅に お邪魔して、説明を受けて 質問もして、


「通信制高校」への進学を決めた。


普通の生徒さんは4年で卒業と言うケースが多いと聞いたが、


学校に通う習慣が無くなって かなり経つし、学習の遅れもある。


だが 息子が 自分で 不登校して 自分で ひきこもりをしていたので、



私が あれこれ 世話を焼かなくてもいいだろう、と放っておいた。



せっせとレポートを出し、時には学校へ出かけ、先生や友達と交流していたようだ。



3年後 卒業し、バイトに行くと言い出した。私は 履歴書の書き方は


手伝ってやったが、面接には 本人が行けばいいし 放置である。


バイト先で あれこれあったが そんな事は当たり前だし、


これも あまり手を出さずにいるうちに 会社から


「正社員にならないか」と 言われ 正社員になり、現在もその会社にいる。


自閉っ子は 最初から 手のかかる子だったので、修行に手をかけ


パニックや 自傷や 偏食などの 問題行動を 減らしていった。


しかし 就学時には どう見ても 「通常学級」では


お客さんに なりそうに思い、訓練の機会が多い支援学級に通わせることにした。


周囲から「普通に みんなと一緒でいいじゃない」「障害児なんかうちの家系にはない」など


雑音があったが スルーして せっせと 修行に励んだ。


自閉っ子は 様々な先生や クラスメイトから 学びができたし、


睡眠障害が治った頃からは、走る事が得意になった。


中学も 支援学級に進んだが、足が速いので 普通のお子さんに交じって


リレーに参加し、活躍し、先生や友人が 応援を送る中走った事が


嬉しかったようだ。


同級生が 高校進学に目を向けるころ、自閉っ子も自分の行く先を考えていたようだ。


学校公開日に 支援学校高等部と、高等特別支援学校の 見学に先生と出かけた。


自閉っ子は 支援学校の高等部の実技に参加して、その学校の先生が


「開校以来 初めてではないか」という 技を見せ 驚かせた。


その後「君は この学校もいいけれど、高等特別支援学校でもやっていけそうだよ」と


声を掛けられた。


高等特別支援学校は 倍率も高く、合格後の学校生活について行けずに


辞めてしまう生徒さんもいると聞いた。


中学の先生は 自閉っ子の 「特別高等支援学校」受験は


気が乗らないようだった。不合格になった時の 自閉っ子の事を考えていたらしい。


私は 先生の 気遣いより 自閉っ子の意志を尊重したかったので、


受験させてもらえるようお願いした。


自閉っ子は 入学後、自分より 知的に高い同級生に囲まれて


学習面では 苦労したようだが、実技の授業や


部活動や 体育祭など、楽しい学生生活を送り、


その後 就労目指して 努力を重ねた。


同級生の進路が 次々決まる中でも、自閉っ子は


あきらめていなかったし、私も同じだった。


3年生の中で 一番最後に進路が決まった自閉っ子。


どちらの子も、「普通ではない」歩みを経て、


今は 「一般社会」の中で 仕事に 余暇にと


充実した毎日を送っている。


小学校や 中学校で 「みんなといっしょ」や「普通の生活」は


送ってこなかった二人だが、学校時代がどうだったかは


周囲が 気にするほど 社会、特に働く場所では 関係がないように思う。


「みんなといっしょにすごすのが幸せ」と 思って


通常学級を選ぶことも 多いようだが、義務教育が終われば、


それぞれ 選んだ場所に 向かっていく。


小学校や中学校で 一緒に過ごした同級生との関係は、


そこで 終わってしまう事もある。


それだけでなく、次の進路を選ぶ時に、


学習や 生活習慣が 身に着いていないと、苦労することが多いという事を


見据えて、通常学級では 得られない事を 家庭や他の場所で


補うことが 必要ではないかと 今 息子達を見ていて感じる。













支援者なくとも、自閉っ子は育つ 親子でラクになる34のヒント
クリエーター情報なし
花風社

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