多病息災発達障害者こよりの日常

両手で数えきれない障害と持病を抱えつつ毎日元気に活動中。発達障害の息子たちの子育ても終え、悠々自適の毎日です。

どこまでが健康で、どこからが疾患なのか

2018-05-27 17:49:58 | 精神疾患
私は 発達凸凹のほかに、脳関係の疾患がいくつかある。


てんかんに 双極性障害、相貌失認、などである。


私のてんかんは、一般に思われているような、


倒れて意識が無くなるという症状とは違うタイプで、


「欠神発作」というものである。


けいれんもおきないし、倒れることもないが、数秒から数十秒意識がなくなる。


私も 長い事気づかず、「あれ?今何してたっけ?」という事が


頻繁になったので、「若年性認知症」かと思った。


病院で相談したら、「紹介状書くから、ここへ行って脳波検査しなさい」と


言われた。その際に「力を抜いてください」と言われるが、


私としては リラックスしているつもりでも、


がちがちに体に力が入っているらしい。


何とか検査をしたが、結果は「てんかんの欠神発作」という事で、


服薬を始めた。それから数年になるが、発作は起きない。


栗本啓司さんの コンディショニングを受けて、力の抜き方も覚え、


色んな事で楽になった。


双極性障害は、以前は「躁うつ病」と言われていた。


テンションが高い時と低い時の差が大きく、


躁状態の時は 睡眠時間が少なくても平気だし、


エネルギッシュになると 先生から説明を受けた。


診断にピタリとあてはまるエピソードが私にはないので、


「双極性障害Ⅰ型」にも「双極性Ⅱ型」にもあてはまらないと言われた。


診断がどうであれ、自分がどうなりやすい状態かがわかればいいので、


別に気にせずにいる。先日 神田橋條治先生の本を読んでいたら、


「双極性の人は いわば気分が変わりやすい人だから、


無理に 普通のペースにはめ込むと 無理が出やすい」(大意)と


言うようなくだりがあり、それならそれでいいか、という気持ちになった。


相貌失認は、100人に1人か2人いるそうだが、


「人の顔が覚えられなくて」と言っても


「私だって同じよ」「誰でもある事ですよ」で終わってしまう。


よく いろんな場所で「こよりさん!」と声を掛けられるが、


ほとんどの場合 私には 相手がどこのどなたかわからない。


私の性質をご存知の方は「まあ仕方ないか」で 済ませて下さるが、


私が その方を全く覚えていない事に ショックを受けられる方も多い。


お顔を 真正面から 一対一で 何時間もずっと見ている機会があれば、


覚えられる可能性もあるけれど、


普通に 一回や二回、いや十回程度では 覚えられないと思う。


私は 脳関係の疾患があり、体の疾患もそれに負けず劣らず多いのだが、


病気で落ち込む事は あまりない。


わが家から 病院への交通費がかさみ、


気付かないうちにICカードの残高が足りなくなっていて、


改札を抜けようとしたら 警告音とともに 閉じ込められ、


後ろの人の邪魔になりつつ、駅員さんが来るのを待つ時は


落ちこむ。 


病院に向かって 電車やバスを乗り継いで、やっと到着、という時に


信号機が赤になり、青信号になるのを待って


病院に入って 受付をしようとしたら


「午前の受付は終了しました」の プレートが出ていた時も


へこむ。


朝早くに出て 乗りつぎ乗りつぎをして ようやく来たのに


交通費がかかっただけじゃないか~!と へこむ。


病院も 突然「なんとか学会のためO日は休診いたします」だったりする。


私は 病気そのものよりも、通院に伴う様々な出来事には


困っているけれど、病気そのものには あまり困っていない。


たくさんの主治医が なんとか病気を治そう、進行を止めよう、と


努力してくれる。


検査の結果を説明して、いかに治療が大切かを 力説してくれるが、


私の目には その画像が見えないし、どこが異常で


以前より どこが 深刻な状態なのか、全く分からないので


はあ、と説明を聞き 帰ってくるだけである。


そんなぐうたらな 患者だが、気楽に過ごすのは


ストレス軽減にはいいらしいし、笑う事は心身ともにいい影響があると


聞いたことがある。


私は 毎日夫や息子や 猫に


囲まれて 楽しく過ごしているので、それが 薬や注射よりも


効果があるのかもしれない。


私は 病気を抱えているけれど、病人には見えないと


沢山の人に言われる。どこまでが健康で、どこからが病気なのか、


その線引きをするのは 難しいのかもしれない。









DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル
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医学書院
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