多病息災発達障害者こよりの日常

両手で数えきれない障害と持病を抱えつつ毎日元気に活動中。発達障害の息子たちの子育ても終え、悠々自適の毎日です。

言葉の遅れや発達

2018-10-22 19:33:48 | 言語・言葉
お子さんの発達で、皆さんが 特に気になさるのは「言葉」ではないかと思う。


健診や その他の場所でも 必ず調べられるし、


遊びの場ですら、「言葉の発達が早い子」が 注目を浴び、


時には他の子のリーダーになったりもする。


場に会った、年齢相応の言葉の理解、そして会話ができるかどうか、が


子どもの品定めになっている場面を見ると、心が痛む。


私自身は、話し言葉の遅れはないが、人との会話、特に


家族以外の人との会話や、子どもとの会話は苦手で


何も 話せない事が多かった。


文字を読むことは 早くからでき、「この子は教えもしないのに字が読める」と


父親が喜んで 本を買ってくれた。読み書きの能力は 同じ年頃の子どもより


早かったけれど、話し言葉は からきしだめだった。


母親や 他の大人に 何かの説明を求められた時。


集団の中での一斉指示が、自分にも向けられている事が長い事わからなかったし、


わかるようになっても、自分が何をすればいいのかは、聞いた言葉からは


読み取れなかった。


会話が 成り立たない子でも、言葉を理解できていないとは言えないし、


会話ができていても、「Aと言われたらB]というように


パターン化して 覚えた言葉で 乗り切っているだけの子もいる。


私の長男は、文字には 慣れても、家族以外の人との会話が苦手だった。


次男は、文字も読めないし、会話も 成り立たず、私が 次男の動きや


表情、意味のある言葉だとは 他の人が気づかない「意味不明な発音」から、


意思を 汲み取って 他の人に「通訳」をした。


次男が 「自分の名前」や 「物の名前」の発音ができるようになっても、


私は 手放しでは 喜ばなかった。次男には、それは「単なる音」でしかなくて、


まだ「言葉の芽」にすらなっていない事がわかっていたからだ。


単語や 二語文、あいさつの言葉も 自動ドアの前に立てば開くのと同じで、


次男にとっては 反射的に「この時はこの音を出す」という行動に過ぎなかった。


それを 見抜いていたのは 私だけで、健診の場でも、小児科医に相談しても、


「これだけ話せて、何が心配なんですか?」と言われた。


話しているように見えるだけ、という事は 誰も気づかなかった。


逆に「言葉がない」「言葉が遅い」と 言われるお子さんと一緒になった時、


その子たちの いきいきした表情や 身体表現や目線に注目する事なく、


「言葉(音声言語)」にだけ こだわる親御さんを見て不思議に思った。


部屋に入ってきた 私達親子に さっと視線を向け、


緊張した様子になり、目をそらし、別な方向へ行き、「嫌だ」「知らない人だ」という


音声以外の言葉を 私に投げかけてくれた。


興味を持って 関わろうというお子さんは、私の上着の裾に触ってみたり、


そーっとこちらに近づいてきて、私が 動くと 一歩下がりながら、


(おばさんこわくないね)という顔をして、目を合わせてくれた。


その子たちが「言葉が無い子」と呼ばれ、言葉を話す事ができるように見える次男が


「言葉のある子」といわれる事に、違和感を感じた。


音声言語でのつながりだけを、コミュニケーションだと思う人が


大多数である事は、あの頃から 変わっていないように思い、


悲しくなる。






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50の手習い。

2018-10-22 18:35:49 | 趣味
ある所で 席がお隣になった方と お話が弾んだ事があった。


その方は 多趣味で、絵やコーラスなどを 趣味として


楽しんでいると聞いた。


会が 終わってから、コーラスへのお誘いを受けた。


「とんでもない音痴ですが、いいんですか?」と


お尋ねしたら、「大丈夫。初めから歌える人なんていないわよ」とおっしゃり、


レッスンの見学に来るよう誘ってくれた。


ほとんどのメンバーが 私より年上で、皆さん素敵なマダムである。


見学に 数回出かけた所で、「これだけ見に来るってことは


やる気があるんでしょ?」と言われたが、私は 音痴である。


迷惑かける事は わかっているので、迷っていたら


私の 音痴を 謙遜だと 思ったマダム達の勧誘が始まり、


最後は「先生に 声を聞いてもらって、パートを決めてもらわないと」と


レッスンの 休憩時間に ピアノに合わせて 発声練習である。


ピアノの音とは 全く違う音を がなるだけの私に


居並ぶマダムは 口をぽかん、か 笑いをかみ殺すのに必死である。


先生は こういう初心者にも 慣れているのか、一通り聞き終わり、


「アルトのパートに入りなさい」と言われた。


誘ってくださったマダムと 同じパートなので、


先生も「じゃあ、こよりさんの 面倒はAさんよろしくね」となり、


Aさんは 私の声を聞いた後なので 表情が硬くなっているように見えた。


それが 一年以上前の事である。


何度教えてもらっても、レコーダーを買って レッスンのおさらいをしても、


音痴は 音痴のままである。


Aさんは レッスン前に 私の声を聞き、「ここが違う」


「なんでここで音がはずれるのおお???」と 必死に教えて下さるが、


私の音痴は 筋金入りなので、見守るマダムも


Aさんに 同情しつつ、何度叱られても平気な私にも「?」といった感じである。


レッスンで 覚えた事も、家でおさらいするうちにおかしくなっていく。


レコーダーの 再生音と、自分の声とを、自分では聞き分けられないのである。


結局 自宅の練習で 変な癖をつけて 次回のレッスンに行き、


Aさんは「何で?こないだ教えてちゃんとうたえたじゃない~」と


ご自身の努力が 徒労に終わる現実に 打ちのめされ、


見ていても お気の毒であった。


やる気は あるから 入ったのだし、熱心に先生や Aさんが教えて下さるのも


ありがたいが、私の 脳みそと 耳と 声が ついていけないのである。


普通の人は そこで 音をあげたり 嫌になったりするのかもしれないが、


私は 聴くだけだった歌を 歌えるので、うれしいだけである。


私のために レッスンは しばしば中断し、皆さんに ご迷惑をかけてばかりだが、


徐々にではあるが 音のはずれが 最初よりは減っていき、


習った曲の ごく一部ではあるが、なんとか歌えるようになった。


先生も Aさんも、他の方も 喜んで下さったが、


私が 上達したのではなく、「この一曲」だけを マスターしただけで


「歌」や「楽譜の読み方」を マスターしたわけではないので、


新しい曲になったら また 調子はずれ。


Aさんは 私の声を聞き 落胆し、「何で 歌えないのよ~!?」と


言われたが、音痴は 簡単には直らないので、説明できないし、


説明した所で Aさんの気持ちが 上向きになるわけはないので、


実に お気の毒であった。


しかし レッスンに参加するうち、最初の


「七面鳥が絞められるような声」にも やや変化が。


歌は うまくはないけれど、食事中の 誤嚥で むせる事がなくなったし、


階段の上り下りでも、息切れがなくなった。


声を出すだけで、体は 変わるんだなあと うれしくなったが、


レッスンは「健康法」ではないので 先生は 音痴を やや音痴にすべく


決死の努力をしてくださり、Aさんも いろいろと助けて下さり、


今も レッスンを 続けていられるのは ありがたい。


楽譜も読めず、リズムも 音程も 他の方に比べたら


まだまだであるが、低くしか出せなかった声の 音域が広がり、


先生から「高い音が出せるようになったから、アルトからソプラノのパートに移って」と


レッスンの途中に言われ、何が何だか わからないままに


ソプラノの 方に混じって歌う事になったのだが、楽譜も読めないし、


アルトのパートが 頭に残っていて、どっちとも言えない変なメロディーになる。


先生が 「ソプラノ!違う!」と指摘して下さるが、「ソプラノ」の問題ではなく


「私」の問題なので、同じ個所を何度も繰り返しての練習になり、


先生も 苛立ちを 隠せなくなり、「こんな事を 何回も教えてできないのは


猿にも劣る!しばらく休憩!」と おっしゃった。


先生にも 皆さんにも お気の毒である。


こんなことを繰り返しつつ レッスンに通っているが、


歌を覚え、声を出す時間は 楽しい。


今日も レッスンに 出かけたが、前回よりは


ましな出来だったのか、先生が 「仕方ない」と覚悟を決めて


来られたのか わからないが、レッスンの中断が 少なかった。


一番下手な私だけれど、「絞められる七面鳥の声」の時よりは


ましになったと思うので、こつこつ続けていこうと思う。


付き合って下さる 先生と 他の方々に感謝です。





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