小田急中心の模型のブログ

Nゲージで私鉄電車を楽しむブログです。
旧小田急中心の模型のページ(2003~2014)の製作記も再掲載しています。

小田急の角目ライトをリアルに

2021年11月07日 20時01分54秒 | 小田急1000形


長年の懸案について、久々に取り組んでみました。


※敷地外より撮影

まずは実車について。
'80年代らしい角型シールドビームですが、
前照灯・尾灯それぞれのレンズに銀のリムがつく独特の形状です。
思いつく限りでは他事業者であまり見ないカタチをしていますが、
小田急ではLSE~RSE、8000~2000まで割と長く用いられた部品ではないかと思います(違ってたらすみません)


リムは光沢の強いステンレス系?の素材で、
光の加減によってこの画像の運転台側のようによく反射します。
ライトケースのリムと相まって、独特の繊細な表情を作り出しているのがわかります。


当然のことながらライト類は光軸が正面を向くように付いているので、
R6000を描く前面の丸みに対して食い込むような付き方になります。


以上を踏まえてGMの1000形(完成品版)を眺めてみると、
やむを得ない面はあるもののかなり大味な印象です。


製品が出たばかりの6年前に、レンズの裏からアルミ箔ステッカーを添えて
反射鏡を表現してみたことがあります(左側=準急幕の車両)
多少表情が変わりますが、やっぱりリムがないと違うなーと。


実車はほぼ同じライトを持つ8000で試した加工。
右の車両はGMの8000形純正パーツの裏からアルミ箔ステッカー(尾灯には灰緑色塗装)を添えたもの、
左の車両はライトレンズパーツをGM東武10030系(完成品版)用に交換の上、
トレジャーのTTP904-02A(角型ライト)のうち、エッチングパーツCを裏から添えたうえで
更にミラーフィニッシュで反射鏡を表現しました。

後者は懸案のリムを表現することこそできたものの、
リムが太くサイズそのものも小さくて納得のいく仕上がりにはなりませんでした。

その流れでふと思いついたのが、春先に個人発注したインレタ。
フリーソフトのInkscapeで比較的容易にデータ作成ができるため、
実車のヘッドライトを撮影してトレースしてみました。
(ライトの画像はわたしがばっちり反射してるので載せられない…ごめんne)


比較的単純な形状ですが、よく見ると縦の辺は微妙に弧を描いているのがポイントです。

前述の通り実車のリムは光沢の強い銀なので、メタリック箔で色指定して注文しました。
薄手の塩ビシート(GMキットの窓セル)に転写した様子が上のシートです。
鋭い方はお気づきと思いますが、
初めから前照灯と尾灯は所定の寸法で並べたデータにしたほうが転写が楽です。

初めての試みなのでいろいろなサイズ・リムの太さでデータを作成しましたが、
最終的に天地が約1.1mm、左右が約1.4mm、リムの太さが約0.2mm程度がベターとの結果になりました
(参考程度にのちほど失敗例もご紹介します)


転写した塩ビシートを裏返してマステで仮固定後、
裏からエナメルのスカイグレイを筆塗りします。
レンズ以外の部分を表現するためですが、試行錯誤の結果
裏面から塗ったほうがスッキリ見えるとの結論になりました。
また、塩ビにエナメルなので定着力は極めて弱く、
出来るだけ塗装後に刃物を使わずに済むよう(切り口から塗装が剥がれるので)
周囲はある程度カットしておくと〇でした。
言い方を替えれば多少はみ出しても爪楊枝でこすれば容易に修正が効きます。


こんな感じになる。
ただ、敢えて塗装でやるメリットはあまりなく、
できればこのスペーサー部分もグレーのインレタを起こしたほうが早くて綺麗に仕上がると思います。
わたしも今後の増備分ではそうしようと思いました。


お次はレンズの反射鏡表現です。
使うのはトレジャーのTTP904-02Aのプラ製レンズ。
まずはヘッドライトを作るために、表面が球面状の角型レンズを使います。


ここに4アーティストマーカーのシルバーを塗ります。
すごくわかりにくいのですが、塗った面は車体裏側になります。
球面頂点から約0.5mm程度のところでカットし、
カット面を先ほどの塩ビシートの裏から接着することで、
透明部品を通して凹状の反射鏡が見える構図を狙うわけです(説明が下手ですみません)


お次は尾灯です。
少し画像が見づらいのですが、こっちは表面が平らな角型レンズを使います(同一サイズで2種類収録されてます)
エナメル塗料のクリアブルー+クリアーイエローで作ったクリアグリーンを
クリアとエナメル溶剤で薄くして塗布します。
実車の尾灯は消灯時に灰緑色っぽく見えるので、表面を限りなく透明に近いグリーン、
裏から灰色を塗って透明感のある灰緑色を表現しようという狙いです。

こっちも表面から0.5mm程度のところでカットしますが、
前照灯とは違い塗装した表面側を接着します。


こういう感じのユニットができあがります(左は裏返した様子)
これを純正のレンズパーツを外した車体裏側から添えると冒頭のような仕上がりになります。
ただし、前述のように後退角があるのでそのまま付けると光軸がやや外向きになってしまいます。
これを実車通りに光軸が正面を向く角度とするために、車体裏側を僅かに彫り込む必要がありました。

前後しますが、塩ビシートにレンズを付ける際の接着剤はセメダインのハイグレード模型用を用いました。
透明度が高く粘度が低い使い心地で、塗装を侵さないすぐれもの。
レンズのカット面は表面が荒れることでやや曇りますが、
この接着剤はクリアコートと似た効果がもたらされ、透明度が復活するのも好都合です。


純正のレンズを外してしまうことでカバーガラスがなくなってしまうので、
塩ビシートを開口部の大きさに切り出してはめ込みました。
これも上記のセメダインで綺麗に接着できます。


純正レンズを使わないのは、開口部に対して隙間が目立つため。
画像は純正レンズを嵌めたまま、純正のプリズムにリムのインレタを転写した様子です。
厚みがあってリムやレンズが奥まってしまう上に、断面が反射してあまり綺麗な仕上がりではありません。


考えた末、今回の構造になりましたが、
リムのサイズが小さすぎ+前照灯と尾灯が寄り目すぎる失敗もしました。
天地が1.0mm、左右が1.3mmのリムですが、たった0.1mmとはいえずいぶん見た目が違います。
また、尾灯のクリアグリーンも濃すぎたのがわかります。


改めて冒頭と同じ完成形を。

1000形になかなか手を付けなかったのはライトをどうにかしたかったから…
というのがメインなので(次いで軸距が寸足らずな台車枠も気になる)、
ようやく対策が立てられたことでそろそろ1編成仕上げようという気持ちになりました。

台車枠の問題がない8000は更に課題が少なくなったので、
1000もそこそこに8000を1編成やってもいいかもしれませんね…と大風呂敷を広げつつ〆といたします。
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「世界でも、最も外観の美しい電車」

2012年10月31日 20時06分49秒 | 小田急1000形
なにやら異議が続発しそうなタイトルは、20年ほど前のRF誌における連載記事、
「ある車両技術者の回想」からの引用です(笑)
東急車輌の技術者による同記事には、1000設計当時のOERからの外観に関する
注文の数々が綴られています。
会社のフラッグシップたるロマンスカーならまだしも、
一通勤車のスタイリングにこれほど拘りを持っていたというエピソードは、
中々興味深いところ。

~引用元:鉄道ファンNo.385 1993年5月号P110ヨリ~



話の着地点はこれです。
かれこれ3年くらい進捗がなかった1000ですが、
今年に入ってBONAの専用手すりが発売になったあたりから意欲が再燃。
ツイッターにUPしてたようにちょこちょこ進めようやくここまで。
ガラス貼りまでを終えているので、残す作業は内装のみとなりました。
どうせなら完成記事にしたかったのですが、書けるうちに書いておこう・・・
ということで、久々の更新です。

前面は、手すり穴を一旦ランナー延ばし線で埋めて開け直し、手すりをBONAのに
した程度です。
これで見た目は幾分スッキリ・・・の予定でしたが、仕上げの粗さがそれを損なっちゃった感。ガラスの汚さが惜しいな。。
仕掛品のワイドドア車ではこの辺を改善したいところ。




プロトタイプは画像のとおりD-ATS-Pを付けた現行仕様です。
模型ではGMの8000更新車用のを流用してます。

台車はマイクロエースのFS385をBONAの台車キットと組み合わせましたが、
本来8000のFS516と同形状になるボルスタアンカーは改造を断念しました。
均一に仕上げる自信がなかったので、そのままのほうがスッキリするかなーと・・・
ワイドドアのボルスタアンカーはより個性的なので、どうしたもんかしらと考え中。




遊び心で制輪子を新品っぽい色にしてみた。
実車は全軸新品ってあんま見ない気がするけど(^^;)
メトロあたりじゃラインカラーとおんなじになってるとか・・・?(注:聞きかじり)
車端の空調制御箱はどうしても再現したかったパーツ。
重々しい1000のM車をさらに重々しく見せるにゃ欠かせない機器だと思います。




反対側(山側)には、電圧計箱?が付きます。
デハ1114には営団用IRアンテナも付くので中々ぼりゅーみーな仕上がりに(´∀`)

ガラスは戸袋がGM京王8000、ドアがKATOのサハ204より。
後者については
遊び半分で205のドア窓当ててみる

なかなかいい線いってるけど若干縦寸法が足りない

そーいや6ドア車って若干縦長じゃね?

キュピーン!(゜∀゜)
という偶然の産物です。
中間はジャストフィットですが、
先頭は若干車体側の断面をヤスリでなめないとキツいかも。




実は今回、配管はモールドそのままにしました。
だいぶ試行錯誤したんですが、
ビードやら雨樋を傷つけずに配管だけ削るのがどうもうまくいかず・・・。
ただ、妻板だけは配管付きと無しで窓の大きさが若干違う?みたいなので、
それを是正する意味でもノーマル妻板にランナーで配管を引きました。
Rを描いて屋根に繋がるところまでがランナー製で、
真鍮線同様のフィーダーを用いた工法で固定しました。




ステップ類はいずれもBONAの専用品ですが、右側の窓脇のみ形状が違うことに注意。
説明書によれば実車には個体差があるそうですが、とりあえず1064と1253は
このスタイルなのを現車にて確認しました。
駅で覗き込むのも恥ずかしいので、さりげなく優先席付近を狙って電車に乗りました(笑)




ちなみに新宿方のクハは屋根端の手掛けが付かないので、モールドを
削ってビード風に整形しました。地味に骨の折れる工程です。。。




幕類はいずれも鳳ステッカーですが、後ろ4両海老名止まり、にしてみた。
ちょっと前まで最終の小田原行きがこれでしたね。随分お世話になりました(´∀`)




資料に使ったとれいん誌(2010-5)に機器配置図があったので、
できるところまでやってみた図。
VVVFはそのままだと左右でズレちゃうので、適宜調整しました。
見える部分も、フィルタリアクトルに蓋をするなどちょいちょい弄ってあります。




もういっちょ。
機器裏をプラ板で埋める作業といい、完全なる自己満足。
でもこーゆー効率度外視の遊びができるのも趣味ならでは。




学生時代の通学路から眺めた図。
何限だったか忘れたけどちょうど急行が下っていく時間で、
その度に、車端の箱の存在が気になってました。
これは絶対再現しなきゃーとw

塗装済みキットがある関係か、とかくアッサリ仕上げの作例が多い1000を、
2600あたりと同じノリで作ったらどうなるか?というのが今回のテーマでした。
実際はあんまスッキリ仕上がりませんでしたが、
自分なりにこだわりを詰め込んだ満足感は中々のものです。
願わくば、こんなノリで模型を楽しむ人が増えたらうれしいなーなどと少しおもいます。




などと寝言を言いつつ、3000とつなげてハァハァなう(´Д`;)




実はマイクロエースの8253と繋げようと思って、1000は動力無しで作ったのですが
いざ繋げると車高やら帯色やら色々違和感が・・・。
GMのと繋いだほうがしっくりくるみたいです。




それでもいちおう更新なう。
よっぽど帯塗り直そうかと思ったのですが、これで実車が
インペリアルブルーになったりしたら(しないと思うけど)・・・
ということで、そこはスルー予定です。
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こだわりの小田急1000形製作記・・・その2

2011年09月21日 22時36分06秒 | 小田急1000形
■こだわりの小田急1000形製作記■

2011年9月21日



前回の更新(製作記の開設)より2年半が経過しました。
今更ながら進捗がありましたので、ブログに移転の上更新を続けます。

ようやく中間車が1両箱になったのを機に、前回更新時の最後で
触れていた妻面ステップを思い切って削り落としました。
やっぱたぶん左右対称だと思ったのと、
模型作りのスタンスがやや精密志向に変化したためです。
配管は大変そうだからやんないけど、ステップくらいは頑張ろうと。

とりあえず現状はステップ削ったところまでです。
なかなか見栄えのする写真にならないですねw
ステップ自体はホンモノを見た感じ鋼製車同様にビミョーに
窄まった形をしてるみたいなので、以前2662Fの製作にも
使ったトレジャーの103用で行こうかなと思ってます。
4両全車を箱にしたら本格的に植えていきます。
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こだわりの小田急1000形製作記・・・その1

2011年09月21日 22時29分24秒 | 小田急1000形
***この製作記は2009年3月に本サイトへアップしたものです。当ブログに移転の上、更新を継続する予定です。2011.09.21***




■こだわりの小田急1000形製作記■

数年前から何度となく作ってきた1000形ですが、鋼製車と比べて
あまりにもサクサク組めるラクさが災いしてか、どうもじっくりと
作ることがなかったように感じています。
加えて、グリーンマックス(以下GM)のキットを素組みした姿を見る
限り、見栄えを向上させる為の工夫をする余地が多分にあるように思われ、
既に製作中の1000形ワイドドア車や3000形と併せて、今一度1000形の
ノーマルドア車を丁寧に作って見よう・・・そんな動機から、今回の製作がスタートしました。

材料は上記の通りGMの未塗装キットです。
仕様など細かい事は未定ですが、一応今のところ4両編成にしようかと思っています。


2009年3月25日



初っ端から何だか退屈な写真であれですが、
まずは先頭車1両を箱組みしました。
組み立て自体は何ら難しくないのですが、
前面と側面の継ぎ目は鋼製車を作る感覚で
接着剤を塗布すると絶対はみ出すので(鋼製
車ならそれで隙間が埋まるのも好都合なの
ですが)、ここだけは注意深く作業しました。
まぁ、改めて説明するほどの事でもないかも
しれませんが、一応今回は最大限丁寧に
作るというのがテーマなので・・・('∀`)

ちなみに前面の手すり取り付け用の窪みも
若干大きく見えがちなのが気になっていた
ので(ただし手すりパーツの断面形状が板状
なのに対し丸い窪みだから目立つんであって、
寸法そのものが大きすぎる訳ではないと思う)、
ぜひとも手を加えたいと考えていましたが、
前面窓の張り出しが近接している事もあって、
下手にいじると却ってみすぼらしくなりそう・・・
という考えから、今回は断念しました。実車と
比べると手すりの付け根が随分大げさになっ
ちゃってカッコ悪いんですけどね・・・。




妻板の様子。右側が今回の1000形で、
左がワイドドア車です。ワイドドアのほうは
ご覧のように窓に縁取りが付くんですね。
そういえば比較写真をまだ載せてなかった
なぁと思って唐突に掲載してみました。

幌枠は迷いましたが、結局手を加えられる
ところは最大限加工するという考えのもと、
薄く削り込みました。塗装後にはちゃんと
幌を付けようかと思っています。ワイドドア車
のほうは当初無加工としていましたが、
今回のノーマルドアの1000形に合わせて
こっちも薄く削ってあります。

で、、、
この写真見てて気付いたんですけど・・・
左右でステップの高さ違ってません?(・∀・;)
一応今実車の写真見てみましたけど、両側とも
同じで、左側の高さが正しいはず・・・。
参りましたね・・・手をつけるべきか?(;´_>`)
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