小田急中心の模型のブログ

Nゲージで私鉄電車を楽しむブログです。
旧小田急中心の模型のページ(2003~2014)の製作記も再掲載しています。

2021年の終着駅。

2021年12月31日 21時04分03秒 | 雑記
へろへろと、到着です…

今年はかつてなくギリギリの投稿となった恒例の年末記事、まずは今年の竣工車両から。


2021.07竣工 小田急4000形4062×10

2019年末の記事にも完成した風に登場していましたが、
あの時点では屋根周りが手付かずでした。
パンタ周りをフルパイピングで仕上げて、晴れて今年竣工しました。

車体は製品の塗装を概ね活かして仕上げましたが、窓枠をダークステンレスシルバーで
塗り分けるなど一定の質感は出せたと思います。10両編成を仕上げられたのも我ながら驚きです。
地元の現役車両を作っていると、製作途中にも実車を見る機会が多いので
モチベーションを保ちやすいのが良いところ。
来年は原点回帰で小田急にウエイトを置こうと思っているので、我が家でも最多両数の
3000形を1本くらい追加で仕上げたいところです。



今となってはなつかしい眺め。当時はJR無線が準備工事だけだったかも。


2021.03竣工 京王帝都3000系3772F

完成品の大部分をそのまま活かし、顔だけ鉄コレのを塗り直して挿げ替えるという
我が家では前代未聞の工法を採りました。
配管もモールドのまま、妻面裾のカプラー逃げもそのまま…と徹底的に手を抜いて
確実な完成を目指すというスタンスのテストみたいな作例となりましたが、
この手のものを増やすかといえば微妙なところ。

その車両自体を納得のいく水準で仕上げたいのか、
色々な車両を並べて楽しむうちの一員としたいのかによって変わってきそうですね。
京王帝都3000は私の中では後者の色合いが濃く、在京私鉄各社の並びに
これが加わるだけでたちまち華やいだ印象になって思わずニヤニヤ。



気が付けば帝都電鉄の面影も遠くなりました。


2021.05竣工 京王帝都2700系2707F
2両しか作らない分、丁寧に…と取り組んだ作例。
エッチング手すりの断面をペーパーで仕上げたり、アルミサッシは調色の上で吹付仕上げにしたり
手のかかることを色々やった一方、足回りの仕上げがやや雑になってしまったのが悔しい。

鉄コレが出た時、特急色や昇圧前も作ろう!と3編成買いましたが、
あれから8年後の今、1形式あたり1本作るのがやっとです。
何なら生きているうちに同じ形式を二度作ることさえなさそうな感じなので、
最も好きな仕様をよく検討し、じっくり作るスタンスにしたい所存。



来年こそは6000系をフル加工したいところ。


2021.10竣工 JR205系京葉線

ただただ「作ってみたかっただけ」で仕上げた1本。
細かなディテール考証は無視するぶん、「やってみようかな?」と思った工作は全部盛りにしたテストカーです。
技術的な収穫の多さもさることながら、作っていて気楽で楽しかった。
ここ数年、何を作っても二言目にはプロポーションの修正とか単純加工を何十か所…とかで
気が進まないことこの上なかったので、そのあたりを全部スルーする快感はなかなかのものでした。
とはいえその分細部のクオリティは微妙なので、これを標準にすることはなさそう。
年に1本くらいこういうのを楽しく作るくらいがちょうど良さそうです。
手元には東急アオガエルやら157系やら101系やら、いくつかEキットがあります。
来年はこのどれかをやろうと思います。アオガエルは福島か上田(旧塗装)にしたいな。



紅一点。


仕掛品の山手線と並べて鉄道ファン誌'92-1表紙風に。


今年の竣工両数は合計21両となりました。
なんと19両がSUS車でびっくりした。
小田急1000、東急7000、営団3000…必ず作りたいSUS車はまだまだ沢山ありますが、
来年はもう少し鋼製車のラインナップを充実させたいところです。


2012年1月からの10年間に竣工した電車たち。
今年はTwitterのモデラー界隈でも16番が大流行した感があり、
大いに心が揺れましたが…技術的にも経済的にもスペース的にも今のところNが妥当かなあと感じています。
根本的なところでこういう"たのしいでんしゃだいしゅうごう"的な眺めをやりたいっていうのもある。
むろん、単体で眺めても鑑賞に値する作り込みを大前提としたいですが…。

以下、仕掛案件いろいろ。


今年の工作から…その1。小田急の角目ライトをかっこよく。

長年の懸案だったこの加工にも一応の道筋がついたのがうれしい。
タッチアップをしくじった弾みで4連1本をIPA漬けにしましたが、
保有する1000形全部を塗り直すのは相当にしんどいと思われ、
デビュー当初の4連一本のみ全塗装・他はタッチアップで仕上げられないかと検討中です。
全塗装する分は、何とかして1次車にできないかと色々思案中…
こちらもうまくいったらまたTwitterにでも上げます。


今年の工作から…その2。相鉄6000急行灯の点灯化改造。

去年竣工した6000系は、ようやく急行灯が光るようになりました。
ぼくの好きな年代の私鉄電車は大体前照灯消灯・急行灯点灯だから
このほうが当時感出てかっこいいね。
使ったのはクレオスのモジュールLEDですが、配線の処理等がみすぼらしくなってしまったので、
来年は人に見せられるくらいのクオリティを目指したい所存。


今年の工作から…その3。ほほえみ号試作。

準大手時代の相鉄を語る上で外せないほほえみ号、どうしても欲しいので
エアブラシ+手描きでやるとどんな感じになるかを掴むために試作した。
感想としては白い反射の部分も先に白を塗ってから濃い色を重ねると綺麗…という
ちょっと考えれば当たり前の事実w
あとは塗料は普段より薄めに溶くとグラデーションが綺麗…くらいかな?
雲は手描きがしんどいので、白を塗る→ゾルでマスキングorインレタを起こしたほうが得策かも。
前回記事の水間でも触れましたが、この、インレタが自家発注できるようになったのも
大きなトピックでしたね。表現の幅が格段に広がりました。

ここからは買ったもののお話。


ポポンデッタ 銀座線1000系

迷ったけど買ってしまった。
買ってしまったけど買ってよかった。
特別仕様車も気になりましたが、やっぱり実車をよく見かけるノーマル仕様を選びました。
2灯ライトの天地がややつぶれ気味なのが惜しいですが、
戸当たりゴムに印刷が入っていたり、インテリアが床材の色で成型されているなど
既存メーカーにも真似してほしい工夫が凝らされています。


銀丸日2021。
現代の2000系も欲しいな。正面の、小鳥を彷彿させるような丸みがかわいい。


セルフオマージュ的な。
2015年末の記事より、銀丸日2015。


グリーンマックス 東急8500系非軽量車

クロポで未塗装キットが出るまで我慢するつもりだったんだけど、
一番やりたい8616Fと編成構成がドンピシャな8615Fで出てきたので、買ってしまった。
8500系は7年前と13年前にエコノミーから作っていますが、
現代水準でやり直したかったのでうれしい。
いつもならデビュー当初にしそうなところですが、これは2005~2008年くらいの8616Fにしようと思います。


KATO 京浜急行デハ230形

6年前のアッセンブリーキットはスルーしましたが、
大師線として編成で出てきたので買いました。
リベットや窓サッシなど、細部までよくできていてうれしい。
RMライブラリーを参考に丁寧に手を入れたいと思います。
製作中の旧1000形と並べるのが楽しみです。

写真は杉田付近を模してみました。


トミーテック 横浜市交通局1000形

市営交通100年を記念して横浜市営が沢山出ましたね。
ぼくの大本命たる1000形は一番欲しい開業時の3両かつ足回りも新規ってことで
どうしても欲しかったので、普段しない予約をしてまで買いました。
銀を塗り直したい気がしているが、コルゲート周りのマスキングがやや大変そうで躊躇している。


TOMIX 475系

これは今年発売じゃないけど。
後述の富山ツアーの遥か前に、地鉄乗り入れの急行立山にしたくて3両だけ買いました。
手持ちの鉄コレとかと並べると往年の富山地鉄の賑やかさに驚かされます。


KATO EH10

これも今年発売じゃないけど、前から欲しかったやつ。
KATOサイズだし端々に設計の古さが見て取れますが、
フルリニューアルを待っているうちに自分がお星様になるやもしれないので、
安い出物が出たタイミングで買っちまいました。
一応ものの本を調べながらナンバーを選んで、前照灯レンズを165系のギザギザのやつに交換してニヤニヤ。

新幹線開業前の柏原~近江長岡を模してみた。
東海道随一の豪雪地帯のこのあたり、独特なムードがあって大好きです。
大阪へ行くとき、新幹線の車窓から在来線の独特な架線柱が見えると
いよいよ京阪神の文化圏に入るんだなあという高揚感でわくわくします。

以下、おそとの写真。

2021.10 能生にて ※黄色い線の内側から撮影

体力的に大丈夫か!?という不安があったものの、心強い引率の先生にくっついて日帰り弾丸トキ鉄詣で。
編成美厨だからクハ412も連結してほしい~とか思いながらも、かっこいい国鉄急行色を見てきました。
なぜかボナの413系キットを持っているので、いずれこの仕様で仕上げるべく細部も観察してきましたよ。


2021.10 富山地鉄車中にて。

初めて乗りましたが、なかなか素敵でした。


2021.10 電鉄富山にて。

カラーリングは右のほうが好きだな…
日没後に富山をうろうろしていてもその日のうちに神奈川まで帰ってこられるあたり、
新幹線の偉大さを感じずにはいられません。


2021.12 中央林間にて

地元もいろいろ変化がありましたが、地味なところで残り1本の1000形ワイドドア車と
11/27開設の東口改札の組み合わせなど。おそらくかなり短い期間の組み合わせになるのでは…と。
片瀬江ノ島行きの発車標もあと僅かの眺めになりましたね。

・ ・ ・

というわけで2021年線の終着駅にたどり着きました。
この1年、いかがお過ごしだったでしょうか。
気が付けば2年目のコロナ禍の中、様々な形で苦労の絶えなかった方が多いのではないでしょうか。
ご多聞に漏れず私もいろいろなことがあり、これからの先行きにも仄暗いものが立ち込めていているように感じます。
正直なところもうだめかもというタイミングも多々…。
そんな中で曲がりなりにも1年を完走できたのは、巳年の執念深さゆえでしょうか。
来年はもう少し、打たれ強くなれたらうれしいですね。

最後になりましたがリアルでTwitterでお世話になりました同好の皆様、ありがとうございました。
壺中の天ではないですが、束の間、実生活のいろいろから解放されるひとときを来年もご一緒できたらうれしいです。
もちろんスケールを問わず、スゴい作品の数々にめぐり合えることも楽しみにしています。
良いお年をお迎えください。


横浜、小田急が走ってないこと以外パーフェクト都市では…?と感じた眺め。
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"すいてつ"をつくる

2021年12月01日 21時57分36秒 | 関西私鉄

2014年 水間観音駅にて クハ553保存車

のっけから暗い写真で恐縮ですが…
長らくやりそうでやらなかった関西モノのトップは
阪急でも阪神でも御堂筋線でもなく水間鉄道になりました。
Twitterにちょこちょこアップしていた製作の様子を、例によって製作記にまとめてみます。

この写真を撮った折に貝塚~水間観音を往復したことこそあれど、
およそ縁遠い地域の小電鉄をやることになったきっかけは
20数年前に地元の図書館で眺めた児童向け書籍。
詳しいことは忘れましたが古めかしい車体におよそ似合わぬトリコロール風の
塗装を纏った旧型車が田園風景を行く写真が脳裏にこびりついており、
この手の"旧車の厚化粧"が大好きなワタシはいつかモノにしてやろうと思ってきました。

5年前に鉄コレで南海1201が出てようやく製作を企てるに至りましたが、
最大のネックは上記の厚化粧カラーに変わった際に側面へ貼付されたMizumaのロゴ。
そもそも走行写真ばかりで正確な書体が掴めなかったうえ、市販インレタなど
望むべくもなく、インレタを自家発注するノウハウもない…とあって
いつしか製作構想そのものを忘れ去っていきました。


流れを変えてくれたのはTMS950号(2021-3)に掲載の香椎線マヤ検編成の記事。
"Inkscape"なるフリーソフトでインレタの原稿を作ったとの説明があり、
まず手法面で大きなヒントを得られました。
加えて、折よくMizumaロゴ部分をクローズアップで捉えた写真を見つけたため、
あとは手を動かすのみとなり、無事インレタを発注した図が上の画像です。

写真を見る限り実車のロゴは鈍い銀色の塗料で塗ったような質感だったようなので、
明るめのグレーで色指定して発注してみました。


実車については詳しく解説したサイトが幾つかあるのでそちらを見るのが早いと思いますが、
大まかに4種類の形態があったようです。

1.二段窓で車体が短い(モハ501,502)
2.二段窓で車体が長い(モハ508等)
3.二段窓で腰板が狭い(サハ581,582)
4.一段窓(モハ503,モハ507,クハ553等)

鉄コレはおそらく2のグループになるようですが、
両運・片運の違いや、両運から片運に改造された車、はたまた蛍光灯の交流化に伴う電装解除等で
両数の割にたいへん複雑なのが特徴で、2両ないしは3両編成に1~4の各形態がごちゃ混ぜなのが
標準だった模様です。
となると気になるのが鉄コレと、鉄コレでカバーできない形態の車(キッチンのエッチングキット)を
混成した場合の統一感で、いっそのことキッチンで統一してしまったほうが話が早いのでは…?と思った次第。

種車の縛りがなくなると選択肢は俄然広がり、我らがOERのHB車を彷彿させる無骨なサイドビューが
印象的な一段下降窓のグループ(戦時中製造)も難なくラインナップに加えられます。
水間観音駅で実車を観察した縁もあり、クハ553と、一段窓では唯一の両運車であるモハ503を
先行して製作し、後々旧塗装の他形態も順次加えていこう…という製作計画が固まりました。

走行写真を見ると大体二段窓と一段窓は混結しているケースがほとんどで、
RMライブラリーによればある程度固定編成のように使用されていたようですが、
比較的晩年の写真の中にモハ503+クハ553で使用されている様子が確認できましたので、
状況に応じて多少の組み換えはあったようです。


2021年5月ごろ

内張りを固定し終わった図。
かつてキッチンのキットを組んだ際にははんだ付けで組み立てていましたが、
今回はこの手の電車の名人である市川氏の作例に倣って試験的に耐衝撃瞬着で組んでみました。
今回は側窓サッシを別塗りする関係で外板の窓柱がしばらく極細の状態となる(熱による歪みがこわい)ことも理由の一つです。

プロトタイプとする最晩年には、乗務員扉がやや窓の小さいものに交換されていましたので、
組み立て前にプラペーパーで適宜埋めておきました。



水間モハ501形の前面貫通扉は窓下に2つ凹みがあるのが標準パターンのようですが、
モハ503の非パンタ側は妻面用を流用した?のか凹みが1つだけなので、
作例でも妻面用の扉を切り出して挿げ替えてあります。
クハ553もキットの形と比較して若干の差異が認められたので、適宜加工しました。

画像はトレジャーの私鉄旧型用幌枠を仮付けした様子ですが、
俄然実車の無骨さがよみがえってうれしくなってきます。


2021年夏ごろ

キットに入っているホワイトメタルのオデコは使わず、
t1.5のプラ板を2枚重ねたブロックから削り出します。
このブログをご覧の諸兄には釈迦に説法かと思いますが、
プラ板同士の接着にタミヤセメントは使わず、耐衝撃瞬着を用いるのがミソです
(溶剤系だと削ったときにヒケてくることがあるため)


2021年11月

オデコの削り出しが億劫でしばらく放置していましたが、
いつまでも進まないのでとりあえず荒削り。
カッターで大まかに削った後、粗めのスティック紙やすりで形を整えます。
実車は横から見ると意外とこんもり感がなく、やや平たい(鋭い)印象もあるので
それも意識しつつ削り込みました。



続いて車体コーナー部のR付け。
この手の作業がずいぶんご無沙汰だったこともあり(言い訳)、
要領を掴むのに苦労してしまいましたが、とりあえず丸みがつきました。
シル・ヘッダーが少し削れてしまうので、アルミ箔ステッカーでマスキングした後
黒瞬着で復活させます(営団5000系車体コーナー部と同じ工法



ランボードの取り付け穴は不要なのでプラ板で裏打ちしたあと
黒瞬着で埋め込みました。
製作開始から半年以上経って、ようやくディテール工作に移れそうです…
というのが今日までの進捗です。


あまりにも殺風景な記事なので、冒頭の写真を撮ったときの資料をおまけで添えたいと思います。
当時、かつて眺めた児童書の写真こそ印象に残れど、水鉄を訪れた主目的は元TKK7000だったので
せっかく来たから撮っておこ—程度の感覚で押さえた写真で、若干見にくい点はご容赦ください。

画像のクハ553は確か元モハ510で、'80年代半ばに車内蛍光灯の交流化に伴うMG設置のため
電装解除された経緯を持つ車だったと思います(但し保存車はMGを撤去してる風?)


よく見ると車軸に歯車が残っています。


床下機器全体像。


前面側台車後ろ。


車体中央部。


妻面側台車の前。


クハながら、パンタが残っています。
国電のPS13とは似て非なる横型碍子・幅広の大型パンタです。
これはどうしても再現したくて"いろいろ製作所"のパンタを買ってあります。

今回は晩年のアイボリー地に赤・青の細帯を締めたカラーにしますが、
保存車のツートンカラーもかの有名な宮下氏の"地鉄電車"を彷彿させる味わいがあってとても魅力的です。
今回2両を仕上げたら、次はこのカラーも作りたいと思っています。


東急7000が若く見える、すごい世界…


リニューアルされてるけど、味わい深い上屋。


駅舎のなかはこんな感じでした。


言うだけだし言うだけだけど、
水間風のミニレイアウトとかできたら楽しそう。
でも、この駅舎をちゃんとやるにはポイントtoポイントの配線にする必要があるかも!?
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