小田急中心の模型のブログ

Nゲージで私鉄電車を楽しむブログです。
旧小田急中心の模型のページ(2003~2014)の製作記も再掲載しています。

いまクオリティの小田急5000形。比較編

2019年02月04日 18時39分12秒 | 小田急5000形(おすすめ)
紹介編はこちら


左:2012年5月竣工 GMキット加工2663×6 右:2018年6月竣工 マイクロエース完成品加工5057×4

そもそもプロトタイプが異なるので単純比較はできませんが、
車体断面やライトケースなど、本来同じ姿を目指している部分において
表現の違いを見て取ることができます。

断面はマイクロのほうが幅広ですが、実測19.3mm程度(実車は2900mm)と、ほぼスケール通りです。
古いGMキットは動力の関係で幅が広かったり背が高かったりするのがよくあるパターンですが、
小田急についてはむしろ幅が狭い(実測18.9mm程度:9000の2870mmと換算しても0.2mmほど狭い)という
意外な結果でした。
無論S50年代半ばの設計であり、更にそもそも9000をモデルにしていると捉えるならば十分すぎるとも言えます。
この2600形の作例では、面長さを緩和すべく裾を0.3mm詰めています。


マイクロから5000の改良品が出たとき、買うか悩みました。
下で載せますが、15年前にも一度マイクロベースで5000を作ったことがあったのです。
その時に客扉周りの雰囲気が惜しいとか、側面のガラスパーツがピタピタ過ぎて
嵌めると窓周りの塗膜がボロボロ剥がれる、とかそもそも高くて沢山買えないとか
色々な事を考えた結果GMキットに回帰した経緯がありました。

で、その後10年近くGMで作り続け、エコノミーキットからできるMAXのところまで
突き詰めた2600を作った、これを標準に増備しようというのがマイクロの改良品発表当時の状況でした。
最終的には車体断面の正確さが決め手となりマイクロベースでの増備を決めましたが、
小2で初めて買ってもらって以来延々と作り続けたNo.404シリーズの最終作例として
2663×6は今後も大切に保管していこうと思っています。


横顔。
作った当時はエコノミーからこれだけバキバキに仕上げる日が来ようとは・・・と
思っていましたが、それすらも既に素朴な感じに映るようになってしまいました。


弱点である戸袋窓やドア窓の雰囲気が改良されたものが出た日には
これも「以前はこうだった」的に紹介することになるんでしょうねえ。
完成した瞬間、それは旧作であるという昔のTMSの記事を思い出します。


妻面。
顔以上に車体断面の違いがよくわかりますね。
GMのほうは、前面がライトケース以外跡形もなくすべてのディテール(窓の高さすらも)を
作り直しているのに対し、妻面は二段窓化して幌枠を薄く削ったくらいなので、より素朴な感じが際立っています。


側面。
Hゴムの色で印象が変わっちゃうので、
2600は6両中唯一黒Hゴムのサハで比較。
2003年にマイクロから2600が出た時、この日の字型サッシの表現が大げさだとする
声が多かったですが、個人的にはとても好き。
2015年の改良品では先頭車だけサッシが奥まってて中間車は外板ツライチという謎仕様なので、
これはいい塩梅になるよう揃えてあります。
簡単に言いましたが、先頭車のガラスはそもそものモールドの深さが足りないので、
別の中間車からガラスだけもらってくる必要がありました。
なお、昨年出た2600と4000の改良品では直っています。

GMのほうはタヴァサのサッシを貼ってあり、これはこれですっきり見えて好きだった。
前面のほうから見た時にサッシが奥まっちゃうのが弱点といえば弱点だったかな。


2004年4月竣工 5000形(車体修理後)

15年前の作。
とりあえずHゴムは出っ張ってないんだよって教えてあげたい。


左:2016年5月竣工 デハ2228

中型車と並べた時の幅の違いがぐっと際立ってうれしい。
ヘッドライトケースの大きさを揃えたかったんだけど、
マイクロの立体感あるフードがかっこよくてそのまま仕上げてしまった。

貫通扉のHゴムはプレスの凹みにゴムがはめ込まれて見えるように改良し、
急行灯もトレジャーの新製品へ変更・・・と直近の2年間にも変化が見られます。
大型車はあくまでもGMで揃える、としていたならディテールも
古いほうに合わせて作っていたはずなので、進歩するほうに舵を切ってよかったかなと思います。


ボナの2300とマイクロのHEを早く加えたくなる。


TN化、するか・・・?
上の写真でもわかるように、ディテールはダミーのほうがいいんだよなあと。

以下、お遊び。


相模湾アーバンリゾート・フェスティバル1990、の略らしい。
略さなかったらドア間埋まりそうなネーミング。
バブルの頃は地方博が流行ったらしいですが、その流れを汲む
最後のほうってことなのかな。平成のはじまりのころのおはなし。

このステッカーは江ノ島線運用に入ることが多かった5000の4両口に貼られたらしいです。


小田急のネームドトレイン。
江ノ島たこあげ大会のHMがいつごろのものなのかはよく知らない。

やや脱線しますが、5057×4を選んだのは種別幕の故障が多く
マル急板を付ける機会が多かったらしいからです。
種別板を掛けるフックを付け直したのもその関係ですが、
今のところ種別幕は本来の姿で仕上げてあります。


No.404とNo.421がいまのステッカーに切り替わるまではこれだったっけ。
小2の夏、初めてキットを買ってもらった時にこれが入っていて、感激した思い出。
写真ではうまく表現できてませんが、帯用の水色が絶妙に緑かかってて
まさに小田急の帯の色なんですね。実際貼ると微妙なんですが、
こども心にはもう十分でした。
白抜き文字が銀色で刷られてても、1000の車番が1251…1501,1551となっていても気にならなかったころ。


次は1000形?
できればデビュー当時をやりたいんだけど、
最初の8本は屋根のビードからして違うらしい。
縦樋の漏斗は頑張って直すけれど、ビードは・・・ということで
1059以降にしようかと思ってます。
1000の本命は1090の千代直仕様なので、
先に4Rで課題を抽出するつもりです。
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いまクオリティの小田急5000形。紹介編

2019年02月04日 18時39分02秒 | 小田急5000形(おすすめ)

2018年6月竣工

2663×6以来、6年ぶりのフラッグシップモデル竣工です。
GMとマイクロの比較は後編(比較編)で触れるとして、
ディテールパーツを含め最新のクオリティで小田急顔を作るとどんな感じかなーというところをご紹介いたします。

プロトタイプは車体修理前の5057×4で、電連横のスカートが切り欠かれ(S50年代前半)、新宿方にはジャンパ栓(S57年ごろ撤去)
が付くことから自ずとS55年前後の時代設定となりました。
本に掲載後、やや低すぎた車高を調整したり先頭台車にATS車上子を付けたり若干の手直しを行っています。



前面の表情。
加工方法は過去記事のとおりですが、作ってよかったなーと思える顔になりました。
つい、最大限スマートに仕上げたくてどっちもダミーカプラーにしてしまった。
これだとこの時代の醍醐味である増解結ができないけど、
胴受けの感じとかはこっちのほうが好きなんだよなー


製品との比較。
顔はデフォルトでもなかなかの出来栄えです。
急行灯はトレジャーのカット入りレンズを使いたいがために交換したけど、
無理に替えなくてもいいかも。元ぐらいの大きさがいい感じ。


いい顔なんだけど、ガラスの厚みがどうしても気になった。


全部やり直した図。
この手の、後々バリエーションを揃えていくタイプの車両の場合、
迷うならやったほうがいいなと思いました。
迷うということは納得してないので、結局次作では改良する可能性が高いです。
そうなると一作目が急激に見劣りするので、二度手間を避けるためにも
判っているところはパーフェクトにしておくのがベストかなと・・・。

先日記事にした3664×8の配管がまさにそれで、たぶん次は引き直すはず(^^;)


側面は当初から乗務員扉の修正が必須だなと思ってました。
マイクロエースのこのシリーズ、部分的な改良改良で来ていて
根底は2003年クオリティなので、今の目で見ると苦しいところが多いのは否めません。
フルリニューアル、してくれないかなあ・・・
無論そうなるとさっきの話で今回のが一気に見劣りすることになりますが・・・


製作中の記事でも触れたとおり、5000は客扉と乗務員扉で天地が揃います。

誌面発表後に追設したATS車上子は、KATOの17m旧国用胴受より切り出したものです。


印刷表現のランプ切り替え式種別表示窓は開口した上で、鳳のステッカーを入れました。


本来、いまの水準を謳うならば台車も3D出力でボルスタアンカー別体で然るべきとは思いますが、
2年前に設計したデータをようやくいま出力してみようかという段階につき、
製品のFS385(9000の台車)に軽加工した仮仕様です。


妻に降りるところ、裾に引き込むところで一旦持ち上がる配管が見せ場ですが、
営団5000以降アルミパイプを採用するようになってから、いとも簡単に再現できるようになりました。
配管留めのバンドは原則リード線を使いましたが、妻板部分はやや太さが欲しかったので
ボナの割ピンを使っています。


屋上部分の母線のみエバグリのプラ材で台座を噛ませて、他と高さに差をつけてあります。

妻窓は製品では5200同様の1枚固定窓ですが、当然車体修理前は二段窓なので
2600非冷房の製品から流用しています。
幌は蛇腹と垂直方向(すなわち修正がめんどくさい)のパーティングラインが目立つので、
これまた2600の初期ロットより流用しました。
後年、車体修理後は貫通路内側も含めアイボリーで塗りつぶされていましたが、
この当時は室内色だったのではないかと思います。


ヒューズ周りの重なり合う配管はアルミパイプの加工性がフルに活きました。とても楽です。
パンタ台は形状の都合上、8億年ぶりくらいにプラ材で自作しました。ゲタ付きのランボードも同様です。

パンタはTOMIXの0250(PT4212-S)です。
この当時は製品同様すり板先端のホーンが楔状ですが、
H10年ごろより先端がパイプ状のすり板に交換されました。
当時の文献によれば雪対策の一環で架線追従性のアップが目的とのことですが、
鋼体架線との関連か9000だけは昭和の時代よりパイプ状のホーンを持つ擦り板だったようです。


六角形の避雷器はKATOの西武E851用(Z03-2003)です。
ややパーティングラインが目立つので、整えてから塗装しました。

扇風機カバーは例によってプライマーをやや屋根板にはみ出して塗ることで
隙間をなくして周囲との一体感をもたせました。


妻面の表情。
配管が2両で完璧にそろっていないとか、そもそも床板がハイデッカーすぎとか
課題はあれども、まずまず。
車体修理前の昇降ステップは後年より左右が小さいので、ボナの2600用を用いています。



パン無し妻の表情。
冷房のドレン管はモールドのままです。


今回初めての試みとして、エンド表記と検査表記、銘板を再現してみました。
表記はタヴァサのOER5000用車番インレタに収録のもの、銘板はトレジャーの東武用です。


床下機器は一度まっさらにしてすべて付け直しました。
主抵抗器や主制御器といった大物を除いてトミックスのレッドアローのものを多用しています。
ブレーキ制御装置はこの時代カバー無しです。
MGはディテールがやや異なりますが、雰囲気が近いので流用しました。


クハに付く非常電磁吐出弁?はマイクロの8000より流用しました。


製品は動力が機器の少ないデハ5000のほうに入っているので、
主抵抗器や主制御器でぎゅうぎゅうのデハ5100に移設しました。
主抵抗器はこの時代、風道がむき出しなのが本来の姿ですが、
ダイキャストフレームからのぞくモーターを隠すためにやむなくカバー付きとしています。
元の機器を薄くしてダイキャストに貼りましたが、メッシュ表現がないため細密感はいまひとつ。

余談ながら、実車の増備終了から間もない頃のTMSにある5000の製作記事において
この主抵抗器のブロアーの音について「近代的なものを感じさせ・・・」との一節があり、時代を感じさせます。


断流器と主制御器も元の製品のものを使っていますが、かなり大味です。


キャブインテリアをプラ材で適宜自作したほかは、
製品の床板を流用しています。
シルバーシートがほんとにシルバーな時代です。

後編へ続く・・・
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2018年クオリティの小田急5000形を作る

2018年03月21日 23時36分54秒 | 小田急5000形(おすすめ)
気が付けば年が明けて3ヶ月←
今年もよろしくお願い致します。
あっさりとタイトルが1年進んだ5000形の製作記、続編です。


2018.02.01

前回迷っていた前面窓は、やはりアクリルガラスの
断面反射が気になるため、プラ材で再構築することにしました。
0.5のプラ板を窓の大きさピッタリに切り出してはめ込んだ図。
当然のことですが奥まり具合とその均一さが肝なので、微調整を繰り返します。
前回の実車写真からもわかるように、Hゴムが外板より出っ張ることはないので、
後述するプラペーパーの厚み分ちょうどくらいに窪ませるようにしました。


2018.02.08

窪みの外周よりごくわずかに小さいサイズのプラペーパーを接着し、真ん中を抜いてHゴムを構築した図。
接着は微量の紫キャップ(Mr.セメントのスーパーパワー)によっています。
流した直後に息を吹きかけて揮発を促進すると溶けすぎないでいい感じ。

迷っていた種別・方向幕は結局オリジナルのアクリルガラスを用いましたが、
カッターで裏を薄く削ぎ、400番から順繰りに2000番までペーパーをかけた後
コンパウンドで磨くことで幕の奥まりを改善しました。
随分考えた割にシンプルな方法に落ち着き、案ずるより産むがやすし感が強い。


2018.03.08

手すりやら何やらを仮付けして満足してしまい、一か月後。
ようやく反対側の先頭車も顔が出来上がりました。
めんどくさいけどやる価値はある加工だと思います。


2018.03.15

ようやく中間車に着手。
車体修理前の1~3次車はランボードがゲタを履いたスタイルなので、
一旦全部削って全部付け直す。
配管止めの位置は車体修理前の写真から判る範囲で忠実に再現したつもり。

つづく・・・

例年達成した試しがありませんが、一応2018年最初の記事。
抱負を並べておきます。

1.2~3本OERを
2600、5000、3000あたり?

2.久しぶりに相鉄を
10年以上竣工してない。さすがにそろそろ・・・
とっつきやすいところで新6000か5100か。
前者はほほえみ号への布石として先に若草色で1本作りたい。
6000も3010も2100も7000も
と実はぜーーんぶ作りたいとは思っている(高望みし過ぎて永遠にできないパターン)
2000系列もぽつりぽつりとキッチンの素材を集めて結構な数が揃いました。
カラー写真は見つけたものの色調に謎を残すS38年・モハ2017の
黄緑系?試験塗装も含めて形にしたいところ。

3.忘れられている東武2000を
やめたつもりはないのですが、気が付けば1年も中断してしまった。
出来上がる前から不満箇所が増えてくる一番出来上がらないパターン。
でもちゃんと形にしたい。

技術的には急行灯を点灯させたいのが目下の目標。
さてさてどれか達成できますでしょうか・・・
今年もよろしくお願いします。
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2017年クオリティーの小田急5000形を作る その1

2017年11月05日 23時34分59秒 | 小田急5000形(おすすめ)

2015-04

2年前に蕨から発売の5000形「改良品」は
以前から存在する製品の顔やスカート、台車を改良(但し9000用のFS385)
したものですが、こと顔に関してはパット見けっこう似てる。
賛否両論ある二段窓の表現も私は割と好きで、早々に1本買いました。



よさみ。


2015年暮れの記事より再掲。
GMキットから作った2663×6と5200を並べていますが、
幅は蕨のほうが正規っぽい。肩のRなんかも蕨のほうが近いんじゃないかな。

実車が同じものは模型でも同じ表現に揃えたいタチなので、
GMベースの作例を抱えながら表現の異なる蕨を買うか
とても迷いましたが、今後増備するなら
より正しい断面形状にしたい思いがふつふつと・・・。


2015-05?
色を剥がした。


顔のかっこよさの一方で、
結構色々な表現を諦めてる製品です。
一例として乗務員扉。
大まかに
2600・4000中期まで=天地が客扉よりやや低い
5000・4000後期=天地が客扉と同じ(これに伴い両脇の手すりが下方へ延長)
というのが本来なのですが、
製品は元金型の2600まんまです。
これは直すことにしました。


2017-10

一気に2年以上の月日が流れw、
ようやく本格着工。
扉を両脇手すりも含めくり抜き、天地を拡大。
扉は0.5mm厚プラ板より新製してはめ込みました。
GMキットベースの時は技量の都合もあって扉の奥まり具合に課題を残しましたが、
今回はパーフェクトを目指しました。

両脇の手すりはエバグリの0.25厚×0.75幅の帯材がピッタリはまるように
欠き取りを設けました。


2017-11

乗務員扉が片付いたところで顔の加工。
全てのパーツは仮付けですが、下記の通り。
急行灯:トレジャーTTP904-01B
手すり類:ボナ P-089

最新のパーツをフル活用するとどんな感じになるかという試み。


今回は帯を後塗りする予定なので、
せっかくシャープなモールドの種別板受けを残したいと考え中。
但し、板の「掛け」が邪魔になるジレンマ。

また、ガラス系をオリジナルのアクリル成型パーツで行くか
Hゴム類を作り直して塩ビをはめ込むか迷い中。



言い出すときりがないのだけど・・・
まず幕の奥まりすぎが気になる。
ガラスの断面反射も・・・。

そして何より、蕨ベースで2600や4000を増備すると考えた時、
表現を統一できないのが最大のジレンマ。
この2形式は古い製品なので、ライトケースと方向幕窓を
中心に手直し必須。
クロポのFM前面からそのへんを移植する前提で考えると、
5000だけこの表現というわけにもいかないかなーと。。。



話の流れからはそれるけど、
黒幕を入れるとこんな感じ。


2005.11.13 藤沢

よく外板とツライチと表現される5000の前面ガラスはこんな凹凸具合。
単純にツライチというのとも違う。
一応プラ細工でHゴムをやり直すとしたらこういう構造にしようという
イメージは描けているので、あとはやるかやらないか・・・。

ちなみにTwitterでも触れましたが、晩年の前面ガラス押さえは
一見Hゴムながら、実は金押さえ化されていた模様。
画像でもちょっと黒が剥げているのがわかりますね。

つづく
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