徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

椿三十郎

2007-11-22 13:28:27 | 映画
 ちっとも見る気がなかった「椿三十郎」リメイク版の試写会の券を、皮肉にも2枚も入手したので家内と一緒に出かけた。見る以上はきちんと評価しなければと思い、事前にオリジナル版のDVDをしっかり再見した。結論から言うと、見方によって評価は大きく分かれるだろう。まず、オリジナル版を抜きにして見れば結構面白い映画だ。何しろ脚本がオリジナル版と同じものでしっかりしているから、ある意味当然だ。しかし、オリジナル版との比較という眼で見るとどうしても首を傾げざるを得ない点が多いのはしかたがない。織田裕二もそれなりに頑張ってはいるが、三船敏郎のあの、まさに「抜き身」のような存在感には遠く及ばない。また若侍たちや腰元たちの芝居はどうも「スターかくし芸大会」風に見えてしまう。森田芳光監督はいくつか新しい演出も試みている。殺陣のシーンでは音を強調して血のりなどは使わないことやクライマックスの決闘シーン等々。ただそれらが完全に成功しているとは言い難いが。直前にオリジナル版を見たので、次のセリフが全部わかってしまったのだが、映画を見ながら「あれ、こういう楽しみ方もあるのかな?」という気がしてきた。つまり、歌舞伎の演目と同じような楽しみ方だ。この「椿三十郎」も何度も繰り返し映画化されるような、そんな映画になっていくのかな・・・。


リメイク版(2007年、森田芳光監督)


オリジナル版(1962年、黒澤明監督)

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2 コメント

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まあ、想像はしてましたが (へいたらう)
2007-11-30 20:35:45
私も食わず嫌いしてはいけない・・・と思いつつ、やはり、どうしても見る気になれない映画ですね。
私には貴台様のように、こういう見方もあるか・・というような広い心がありませんので(笑)。

しかし、最近のそれは、何か、「昔当たった題材なら最低限の保証はあるだろう」みたいな、安易な考えがあるように思えてなりません。
Re: まあ、想像はしてましたが (FUSA)
2007-11-30 22:48:55
森田芳光監督が「なんと言われようと当れば勝ち。」みたいなことを言っていますが、何か寂しいですね。今、日本映画は久しぶりの活況を呈していますが、創造性を欠いてきたらまたかつてのどん底時代に逆戻りするのは目に見えています。

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