不朽の名作とはまさにこんな映画のことを言うのだろう。第2回目となった今年の「午前十時の映画祭」、熊本における先陣を切ったのは西部劇「シェーン(1953)」。僕が劇場で見るのは、初めて観た50年前以来3回目だ。その間、ビデオで観た回数は数知れず。にもかかわらず、やっぱり今日もラストシーンでは泣いてしまった。同年輩の方はおそらくみんなそうだと思うが、少年時代に観ているので、ジョーイ少年と全く同じ視点で観ているのだ。つまり、ジョーイ少年への感情移入が甚だしいためだと思われる。また、何度観ても、極めて丁寧な作りには感心する。子どもたちを始め、馬や牛、犬などの動物の描き方に至るまで、一つも手を抜かず、意味のある映像になっている。ジョージ・スティーヴンス監督作品は、他の作品もそうだが、そんな丁寧さが格調の高さとなって表れているような気がする。ただ、残念だったのは、覚悟はしていたものの、フィルムの傷みがひどかったことだ。この作品は2003年問題の時に、「ローマの休日(1953)」などとともに話題になったが、著作権が既に消滅したとされている。しかし、マスターフィルムを所有していると思われるジョージ・スティーヴンス・ジュニアもしくはパラマウント社がデジタルリマスターをしていないので、劣化した映像しか見られないという悲しい事情がある。いつの日か、デジリマ版が上映されることを願ってやまない。それにしても、平日の朝、しかも旧作というのに観客の意外な多さには驚いた。「シェーン」人気の根強さをあらためて感じた。
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オープニングタイトルのシーンですね。
アメリカ人って意外とそういうのは平気ですよね(笑)
> 熊日新聞の反対側に洋画専門の・・・
ありましたね!名前が思い出せないんですが、どこかに「南」という字が入っていませんでしたか?
なにしろ、昭和30年代の初め頃は、たしか熊本市内に30館以上あったらしいですよ!
映画で学んだことが多かったですね。
齢近くとなるとつい、熊本に関連したことが無性に懐かしく、些細なことに興味を持ちます。最近知ったことですが、かっての映画界のワンマン永田雅一の父親は阿蘇の出身だそうです。東雲楼について調べていた時、東雲楼の中嶋茂七の娘が森雅之との間で産んだ子が中島葵であることも知りました。かって、京都に「京一会館」という学生相手のすごい映画館があり、そこでオールナイトの彼女の出演作を何本も観たものでした。
永田雅一の父親の話は昔、何かで読んだ記憶がありますが、すっかり忘れていました。
中島葵ですか~、懐かしいですね。やっぱり代表作は「愛のコリーダ」でしょうか。フランスの無○○版を観ましたが、まさしく名画だと思います。