のら猫の三文小説

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香奈とコシロの子供たち No.7

2013-06-05 00:00:11 | 香奈とコシロの子供たち

チャとココ、香奈の家に現れる!




ジブトラストとしての再編成が進んでいた時に、香奈がジブトラストから、帰ってくると、コシロに良く似た白い小さい猫と茶色の猫が二匹並んで香奈の家の玄関で待っていた。香奈は、もう歳だし、猫を飼うのは、嫌だった、しかし、その二匹の猫は、堂々として、当然のような顔をして香奈の家に入り、当然のように、コシロの部屋に入って、コシロのようにお不動さんの絵の裏で寝ていた。


コシロが死んで3年程経っていたが、コシロの部屋はそのままにしてあった。片づける気にはならなかった。コシロは死んだ時に雄と判った。外に出歩かない猫だったが、白い猫はあまりにもコシロに似ていた。茶色の猫も、コシロと同じ顔をしていた。コシロが死んで急に部屋に火が消えたようになり、その悲しみも時間と共に薄らぐように思えたが、それでも忘れた頃に急に寂しくなり、絵の裏を覗いたりして、ため息をもらす香奈だったので、追い出す事も出来ず、そのまま猫を飼った。



二匹の猫は、仲がそんなに良くないものの、他人の事は知らないよと言った顔をして、お不動さんの絵の裏にいた。翌日、香奈はもう一枚の大きなお不動さんの絵を持ってきた。するとそれぞれ一匹ずつ、絵の裏を自分の寝床とした。二匹の猫は、コシロの部屋にじっとしていた。お手伝いさんはまた、コシロの部屋を掃除して、猫のエサと水を用意し、猫のお便所を掃除する仕事が増えた。香奈は水とエサを朝あげる事になっていたが、猫たちは若く、水は直ぐに飲んでしまい、エサも食べてしまう事も多かった。おかわりを用意しろと言った顔をして、漸くお便所の掃除を済ませた、お手伝いさんを、二匹の猫は見ていた。



「香奈さん、又猫を飼ったの。コシロが死んだ時、もう猫は飼わないと言っていたのに。お手伝いさんがぼやいていたよ、仕事が増えたと言って。」、
香奈「飼う積もりはなかったんだよ。堂々と一緒に家に入ってきて、コシロの部屋で寝るんだよ。コシロにどことなく似ているし、追い出す事も出来ないのよ。」、
「コシロは長生きした猫だけど、コシロの子孫かねえ。」、
香奈
「でもコシロは家からほとんど出なかった猫だよ。」

香奈さんが海外に行ってる時には、コシロは夜遊びしていたみたいだよ。コシロが死ね間際に、友貴が帰ってきた時に敷地の外に出かけようとするコシロを見た事もあったらしいよ。翌日、健次郎さんが珍しく朝散歩していると、美術館の方角から帰ってくる所を見たらしい。

香奈「本当かね。もう相当の歳だったのにね。コシロに良く似て水を良く飲むのよ。」

「友一が、大学に用事が出来て行った時に、コシロとよく似た子猫を見かけたといっていたよ。その猫かも知れないよ。白い子猫と茶色の子猫が、二匹並んで窓の外で授業を聞いているみたいに座っていたらしいよ。

香奈「コシロは英語も読めるみたいだったけど、あの二匹も海外らのメールも印刷してくれと言うみたいに鳴くんだよ。コシロも画面見るのは苦手だったのよ。」、

「それは、気のせいだよ。猫は英語なんか読めないよ。」