のら猫の三文小説

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新しい子猫たち No.182

2014-07-15 00:00:57 | 新しい子猫たち 
地域とも国とも云えないところにも、小さい鉄鋼会社があった。ジブトラストのダミー会社が買収して、ほとんどの株式を持っていた。


猫資本がアジアに進出してきて、危機感をもった神太朗が快適製鉄の事も考えて買収していた。一般鋼板だけを作っている会社だった。製造会社とは、名前ばかりで、神太朗は単なる販売拠点のように考えていた。

実際、快適製鉄の鋼板を輸入して、販売していた。チャタロウは、神太朗に頼み、特殊金属を作って欲しいと言った。メッタヤタラと難しい特殊金属だったので、現場は到底、無理と言った。屋台でフランス料理が作れる筈がないと言った。神太朗も難色を示した。


チャタロウは、考えて、新しい特殊金属用の製造ラインを作り、その新設の製造ラインの設備代は、猫資金ですべて持つと言って、押し切った。かなり大規模の投資をこの会社にした。チャタロウは菊子にも頼み、菊子金属のテストプラントの同様の特殊なラインを作ってもらった。菊子金属もメッタヤタラ難しい特殊金属だったので、この特殊金属専用のラインを設計して、プラント設計代とパテント代まで取った。


チャタロウチームが作っていたハイテク素材の製品の単価は、思い切り高かった。原料代がいくら掛かろうとそんな事は気にしない程だった。安定供給できる事が最低条件だった。


こうして、ジブトラスト、正確にはダミー資本の小さい鉄鋼会社に、猫資金がかなり大幅に出資した形となった。製造ラインの立ち上げは、菊子金属がパテント代程度は、操業が順調に行くまで指導してくれた。この小さな鉄鋼会社も、マニュアルを見ながらの操業だったが、菊子金属も丁寧に教えてくれた。作った特殊金属は、全量、猫資金の加工品メーカーが買い取った。鉄鋼会社には損はなかった。


設備投資はすべて、猫資金が出して、利益もほどほど渡しくれた。出来た製品は猫企業の部品メーカーがそっくり買い取るので、むしろ大幅な利益になった。ジブのダミー資本が出資している会社にもそこそこ利益が入っていた。


こうして漸くアジアの第二工場も大幅に拡張する事ができた。九州での工場と同程度の生産数量が確保できた。営業は安心して、どんどん売った。又どんどんと売上が伸びてきた。


アメリカでの販売が増えてきた。アメリカでの工場を作り、今度は、キクコドイツメタルがあっさりと、この特殊金属を作ってくれる事になった。キクコドイツメタルはやはり、技術力は高かった。易々とつくってくれた。


世界三工場システムになり、製品の品質の競争も始まり、製品品質も安定化してきた。ヨーロッパでの販売が増えれば、今度は未来テクノの子会社に頼めばいいと思っていた。ヨーロッパでは、現に小賢しい、利益に敏感な大介の未来テクノが販売代理店として、販売を担当していた。


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