のら猫の三文小説

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新しい子猫たち No.1383

2018-01-21 00:09:39 | 新しい子猫たち 

ジブアメリカの代表もアホではなかった。彼は常務からの忠告を無駄にしなかった。綿密に調査する事にした。確かに神子が言った通りだった。自分は一つの決算しか見ていない。彼らは火事場泥棒みたいな稼ぎを減らしていて、長期的スタンスに変えていた。しかも不動産部の評価は高い、ジブ関係の企業ですら、アイツ等の作った町、再開発した地域に移動したりしようとしている。本家のジブの不動産部とも連絡を取り合っていて、神二郎にも挨拶に行っているらしい。ワシは表面しか見ていないと悟った。


 


社会福祉だ、社会貢献だと相場の人間が言っても始まらないとジブの変化についても戸惑っていたが、アメリカのジブ系列の企業、ジブファミリーも落ち着いてみると安定して儲けていた。全体としてジブが寄付する前よりも利益は高水準でしかも安定していた。ワシが上手くコーディネートしているからと思っていた時もあったが、そうではないと判った。そうか これが香奈の本当の狙いでそれが実現していっているだけに過ぎない


 


形の上でも移籍でも ジブからクビになると云う事は深刻な事と云えた。社会の一線から退く事にも直結する。政府筋からの話はあったがそれはワシがジブアメリカの代表だから、ワシと云う個人を評価していると勘違いしてはいけない。


 


このオッサンの調整力は流石だった。カヨコファイナンシャルの奴らもそれは認めていた。気持ちを切り替えて、カヨコファナンシャルの手助けをして、ジブアメリカも儲け、傘下も紹介しナンダカンダとゼニも儲けた。アメリカ代表も知らない内に変わっていた。


 


ジブアメリカの代表はジブを信頼していた。ジブ首脳は人を正しく評価する、人が変われば評価も変わる。それはコイツも確信していた。それがジブの強みでもあった。それとなく忠告もしてくれる。それに気が付かない奴は、ダメなのだ、ワシもそうならないといけない、これがジブの魔法だろうな。


 


ジブの首脳会議での話


 


神太郎


香奈おばさんは流石ですね、常務を使って、それとなく忠告するなんて。彼は元々調整肌なんですね。


 


神子


ジブアメリカも利益が安定して上がるようになりました。カヨコファナンシャルと上手に調整しているようです。彼もそれに気が付いた。加代子さんは本当の天才肌、対抗しようとしてはいけない。むしろ流れを利用しないといけないと 彼が気が付いたのはよかった。


 


香奈


アイツはアイツで見どころはあるんだよ。人間としても自省する一面はあるしね。いかにも私が後で操ったような言い方はやめてね。常務は本気で忠告して、彼がそれを真剣に受け止めたと云う事にしてね


 


常務


すべては会長の手の平で動いているのですね。ただ自分で判らないといけないのは確かですからね。


 


 


 



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