のら猫の三文小説

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新しい子猫たち No.333

2014-12-19 00:25:41 | 新しい子猫たち 

お宝銀行は変わって行った その3



企業投資部門は、香奈特別保証との連携を強めた。

香奈特別保証も中小企業に支援みたいな融資だけをしているのではなかった。





リトルキャット運用会社には豊富な猫基金があった、リトルチャとの約束で、今後の猫たちのために貯めておく金だった。リトルチャグループとチャタロウグループからの配当の半分を猫基金とするのは、正人とリトルチャとの間の約束だった。





正人はその金を初めは、もう一つの大きな銀行に預けていた。リトルチャは、お宝銀行にも預金しろと正人と交渉して、今までの預金はそのままで、もう一つの大きな銀行とお宝銀行とに半分ずつ預ける事で、リトルチャと正人は合意していた。





もう一つの大きな銀行に預けていた金のある程度を引き出して、お宝銀行に預けろとリトルチャがいい、正人はそれは駄目、今後の金にしたいと言い出して、予定比率をもう一つの大きな銀行の方が多くしていたのに、半々と云う点で合意したと云う、なかなか、緊迫したやり取りもあったが、結局そこに落ち着いた。



それから時間も経って、お宝銀行には、莫大な金をリトルキャット運用会社として預金していた。



香奈特別保証は、企業が口座決済で不足する金を一時的に立て替える事を始めていた。つまり一時的とは言えども、融資みたいなもので、結構利益が出ていた。香奈特別会計が出資していた有力企業が相手だった。





ジブトラストとして多額の金を預けている一族の銀行と香奈ファイナンシャルやリトルキャット運用会社として多額の金を預けている、もう一つの大きな銀行の口座が当初の対象だった。





香奈特別保証は独立した会社で本来香奈ファイナンシャルやリトルキャット運用会社とは独立した会社の筈だった。ジブトラストとはまったく関係もなかった。

そこが多額の金を預けていたとしても、香奈特別保証の融資の担保にはならない、しかも契約もない。担当レベルや役員レベルではとても認められなかった。





しかし香奈の名前もある会社なので頭取に相談した。そして頭取決済で、それぞれの銀行が香奈特別保証に特別に安い利子で貸して、それより少し高い利子で、香奈特別保証が貸すシステムが認められていた。





一族の銀行では神とも天皇とも云える神一が、ジブトラストに保証人になってもらうなんて事ができる筈がない。いざと云う時には僕が動くよといって簡単に終わった。





もう一つの大きな銀行は頭取が正人にこうしますよと言ったら、香奈特別保証は親父の指揮下に入ってるから、宜しくねと云う正人の言葉があったので、頭取もそれ以上の事を云う必要もなかった。





政則は香奈ハイテクの財務責任者だった。香奈ハイテクは、一族の銀行がメインだったが正人が政則に言って、もう一つの大きな銀行の比重を大きくしてもらっていた、香奈ハイテクを敵に回す事はできないのは明白だった、関連子会社も多かった。





実際に返して貰えない時には香奈特別保証が貸した金を出資に換えて、金はそれぞれの銀行に返すので、事故もなく、香奈特別保証の資金も潤沢になっていて、何の問題もなかったのだか、もう一つの大きな銀行と一族の銀行の役員や担当部門の奴らは、人のふんどしで相撲取っている奴ら、何もしないで金稼いでいる奴らと香奈特別保証を見ていた。





口に出さないが、そういう態度は明白だった、

お宝銀行は違った、この対象銀行にお宝銀行を入れてもらう交渉の時には、リトルキャット運用会社の金が預金されている事もあったがそれには触れず、無担保保証に応じたし、利子も少し安くしていた、香奈特別保証は、お宝銀行の口座を加えるだけでなく、推奨した。





お宝銀行の法人口座は急増していた、それに国際間決済も代行して、他の銀行よりも為替レートも実際のレートに近く、当日の仲値レートの一円の上で買い、一円より下で売りとかではなくて、もっと狭かった、海外との取引のある企業はお宝銀行に口座を持ち、しかも短期の融資までしてくれた、増えたのは当然だった。





しかも、後で触れるが、リトルキャット基金での個人融資は、初めは既存の本店支店だけで行っていたが、香奈特別保証、恵の財団、不動財団なとと連携を高める内に、不動マンションがある地域、財団の事務所のある地域、中小都市まで、支店とか事務所などが増えていっていた。





もう一つ、お宝銀行には、お宝ネットバンクと云う子会社があって、これは大きくなって、コンビニでのATM利用とか空港での独自ATMまでもって、逆にそれは口銭取って、他のクレジッドカード会社などにも間口を広げていた。





支店とか事務所には当然、このネットバンクの相談窓口もあった。





個人融資も支援みたいな融資だけでなく、企業融資と似たような、銀行決済時に不足する金を自動融資する制度を取り入れた、これもある時払いの催促なしだったが、お宝銀行の個人融資は、相手をよく見て、金払える客かではなくて、助けたい相手かを考えるのを優先していた。



別に利益取るのが目的ではなくて、リトルチャに感謝してくれる相手でないと意味ないと考えていたからだった。個人融資としても考えが違っていた。





対象が増えた個人融資は返却率がかえって、上がり、利益まで出るようになったのは不思議な事だった。





頭取が副頭取の権限を強めて、銀行に行く日を減らしてから、お宝銀行の収益は上がっていた。頭取は馬鹿ではないので、副頭取の権限を更にあげ、本当に大切な事だけの決済権限に限定するようになって、お宝銀行は次第に大きくなっていた





この時の日本の銀行業界はもう一つの大きな銀行がトップで、それにちょっとの差で次ぐのが、一族の銀行となっており、二大メガバンクと云われていたが、第三の銀行として、お宝銀行とお宝ネットバンクの名前が上がるようになっていくのだった。





象徴的な事件が起きた。


世界の巨大な資源メジャーと云われていた香奈オフィスは、もう一つの大きな銀行、一族の銀行とをほぼ同じ比率で使い、世界でもそれぞれ大きな銀行を使用していたが、奈津美は、香奈オフィスでの膨大な国際間決済のかなりの部分をお宝銀行に任せた。銀行業界に激震が走った。





奈津美は猫チャンネルはあったが、現実的に国際決済ではお宝銀行に任せた方が、経費が少ないと云う単純な理由でもあった。銀行としての信用力も高いと奈津美は冷静に判断していただけだった。



日本も三大メガバンク時代になっていくと云う人までいた。



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