のら猫の三文小説

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新しい子猫たち No.61

2014-03-15 00:00:36 | 新しい子猫たち 




神太朗は、



今回は色々と調整した。ジブアメリカも、密かに度々ジブ本社に呼ばれて、ジブトラストとしての対応を検討していた。加代子の選んだ会社以外にも、やはりジブトラスト全体として保有しておきたい会社もあったし、どの程度保有すべきか、相手の会社の対応はどうだとの観点もあった。



香奈や神太朗は色々と調整していた。ジブトラストは、本来市場での買占めなんかはしない会社だった。友好的な買収は度々したが、今回の加代子の動きは派手だった。


しかし加代子の会社以外にも、ジブトラスト関係の会社はあったし、ジブアメリカも金はあった。ジブの金融センターにも金はあった。ジブの孫会社はあったし、神子系列の運用会社もあったし、切人系列の会社もあった。



折角加代子たちの会社が買った株式の総合的な調整を、神太朗は密かにしていた。派手な市場の動きとは別に、色々と交渉していた。ジブトラスト系列は、一族の会社や今までのジブ傘下の会社とも調整していた。ジブトラストのそれぞれの運用会社は独立していたが、香奈だけが、すべてを知りえる立場だったし、香奈の意向があれば、統一した行動が取れた。そして今回は統一的な行動を取った。何故か今回の騒動の後、ジブトラスト勢は、アメリカでの保有株がグーンと膨れ上がっていた。



香奈は、普通は余程気に入った会社でなければ、価格が上がれば、みんな売ってしまう人だったが、今回は売らなかった。香奈は、もう古くからの知り合いでもなければ、面会なんぞも、管理セクションに話を聞いてもらうのが、ほとんどだったが、今回は、挨拶に飛んで来た数社の会社の首脳には会った。


その人たちは軽い冗談でこう言った。


ジブはアメリカを買い占める積もりだと噂されて、ウチも買い占められると思っていました


香奈は、冗談を言いながらも、この時は真剣にいった。


ジブトラストは、本来は経営には関与しない運用会社なのよ。あれは、カヨコファイナンシャル独自の考え方で、独自のリスクを取ったのよ。ジブトラストとカヨコファイナンシャルは、資本が違う別の会社なのよ。株式を保有するのにはリスクがいるのよ。そんな何でも買っても仕方ないわよ。カヨコファイナンシャルは、経営陣を活性化させたら、大きく飛躍できると思ったから、会社の株を多く保有したと思うわよ。貴方の会社の今の経営陣は、しっかりしているわよ。資本と経営とは別なのよ、私が高くなっても売らなかったのは、本当は、もっと価値のある会社だと思っていたからなのよ、神太朗君が渡す企業分析書をよく読んで参考にしてね。こんな株価の会社ではないと思ったからなのよ、今後期待しているわよ。


その後また冗談が続いたが、来日した首脳は、冗談には軽く笑っていたが、笑顔はなぜか強張っていた。その後、神太朗から企業分析研究所の企業分析報告書を貰って、いくつか話をして帰っていった。そういう会話が、今回は繰り返されていた。会長室としてもアメリカ株の株式保有額は増えていた。




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