のら猫の三文小説

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新しい子猫たち No.62

2014-03-16 00:00:53 | 新しい子猫たち 



ジブトラストのシステムとしては、



アメリカは、取引は、切人や加代子たちの担当だったし、企業支援や出資はジブアメリカの担当だった。神子は、社長としては全体のジブトラストの株式、先物などの取引の責任があったが、今回は極めて微妙だった。



今回はアメリカでのジブトラスト全体としての株式保有と実業分野の拡大と位置付けられていた、神子系列のジブトラストの孫運用会社、神子グループの運用会社も途中から役割が与えられた。



神子の個人会社が保有していた会社でもジブトラストシステム上の運用会社ではないものの、取引はジブシステムの中で行われ、香奈は把握していた。それなりに香奈との話し合いも持たれた。神代の会社は、経験のある先物オンリーの取引に今回は徹していたが、カミヨエンジニアリングは、再生ファンドの筈なのに、いくつかの会社の株をカヨコファイナンシャルから市場外取引で取得していた。



神子の個人会社としては、アメリカ株の株式保有をして、神子の得意技の調整売買もしなかった。いや出来なかったと云うのが正しかった。本当は局面がある程度進んだ段階では、ジブ取引システムでの取引制限は解除されていた。しかし、神子の個人会社も、神子が優秀と思った人への支援をして、その人が経営陣に入ったり、起業したりしていた。神子は、経済的合理性を重視していたし、神子グループにいた人も元々そんな人だったので、神子も、自分の個人会社として、その人たちの会社に出資していた。



神子は、そうした会社に利益になると思われるアメリカの会社を選んでいた。神子グループにいた人は、みんな経済合理性を重視していたので、当然そうした会社とは、相互に利益になると思われる話し合いをした。ナンダカンダと個々の企業レベルで協力関係も出来ていた。



ジブアメリカは密かに交渉して、ジブアメリカや切人の会社と一緒に、ジブトラスト全体として、少し割り当て増資まで、引き受けたりしていた。今回は香奈の大きな意向の中で動いていたので、調整売買なんぞは流石に神子も出来なかった。


チャタロウが株式を買った企業にも、実はジブアメリカが香奈の意向も受け、それなりに交渉して、ジブアメリカとしても出資していた。香奈は神太朗と企業分析研究所のスタッフを呼び、ジブトラスト全体として、いや一族の会社まで抱きこんで、全体としてのアメリカの企業に対するジブトラストとしての実業へのスタンスを決めていた。



ジブトラスト全体の中ではごく一部の人が香奈のマスタープランを聞いていた。ジブトラストでは臨時の役員会議も召集されていた。チャタロウはジブトラストとは関係ないものの、チャタロウの企画調査チームは、アメリカの協力会社からジブから出資の提案がされた事が報告され、事業拡大案も検討して、チャタロウに報告した。チャタロウたちは、研究担当の猫たちと協議した。



チャタロウは何かを感じていたが、あくまで猫事業への影響を考えて、事業拡大の方針を了承し、ジブからの出資も受け入れる事を伝えた。リトルチャも金融チームから、それなりの報告を受けていた。当然神子は、その後の展開を考えていた。神之助も為替や商品相場の展開を考えていた。事実、アメリカで株式が乱高下すると、日本への影響は、相当あったので、神子の本職ともいえる、日本株の調整に忙しかった。神代とも話をして、先物とデリバティブそして保有株の調整も大変だった。



切人やマリア、そして聡美や神元たちもヨーロッパでの影響を考えていた。ただ、ジブトラストグループとしては、それぞれ自分達の関心の強い業態のアメリカ株式を、今度は長期的に持つ事になった。ジブアメリカは大活躍して、ジブ全体に、業態毎に、割り振っていた。








アジアではチャタロウチームは、

その影響力を広げていた。




ジブラストの神太朗の秘密の特命チームが、ダミー会社を作って、重工業やエネルギー関係の会社を、アジアの各国で、密かに接触して出資をしようとしている事は、チャタロウは、チャタロウのアジア調査チームからの報告で知り、チャタロウも、アジアでは、中国ではなく、地域とも国とも云えない国とか、都市なのか国家なのか分からない国とか、中国とは違うが共産主義なのか資本主義なのか分からない国で、ダミー会社を作り、ハイテク関係の会社とか食品会社とか、ハイテク用の資源関係の会社を幾つか、こっそり買収したり、合弁会社を作ったりして、コツコツと協力会社を作っていた。



ハイテク関係は、結構、レアメタルなどの資源を使った。奈津美とも相談して、協力して合弁会社も作っていた。香奈に云われたように、ぼーと、自分勝手にいい製品だと過信して、買ってくれと云うだけでは駄目だと、チャタロウは考えていた。



アジアでもリトルキャットの協力企業はそろりそろりと増えていた。チャタロウは、中国はジブトラストの影響が強く、競合を避けようと考え、アジアの他の国と云うか地域と云うか微妙な国の会社に、ダミー会社を通して、資本を入れ、その会社を経由して、中国との付き合いを考えていた。



アメリカでも、リトルキャットに割り当て増資して、完全にリトルキャット傘下の企業になる会社もあり、協力企業も増えていた。不動総合は別の国内販売ルートをそもそも持っていたが、ここではリトルキャットとお互いに補完する製品も多く、不動ルートでも販売したが、リトルキャットルートでも一緒に販売してもらった。ともかく、この九州事業での農作物や食品は九州では有名になっていた。


一方、敷地内はジブシティーで作られた農産物や食品を消費しており、農産物や食品は敷地の近郊から関東から東日本で消費され、一部はプレミアムの商品として海外に販売されていたので、そんなに影響はなく、実感もなかった。



ジブトラスト傘下ではイチコプロダクツ程度は、この実態を知るべきであったが、北日本のリトルキャットプロダクツの農作物や商品を一手に販売して、好調だったし、さすが影の農水省に呼ばれるほどの企業であり、社内の一部の人は気付いていたが、情報は、上から下には流れるが、下から上には流れにくい体質になっていた。



ジブトラストの実業部門を束ねる神太朗は、世界に分散する各企業からの報告だけでも、本になる程あった。アメリカではジブトラスト傘下の企業が急増して、忙しかった。それでも猫たちの九州事業が好調である事は色々ルートで知っていたが、それがどの程度なのかは、まだ知らなかった。



イチコプダクツやリトルキャットプロダクツの社長たちに聞いたら、九州事業はそこそこ好調らしいですと言う程度だったので、その時点では、詳しく聞かなかった。



話題のレアメタルを使用した薬も安部製薬フランスとスイスカナコインの医学研究所がナンダカンダと数多くの医薬品を開発し、加代子たちが買収したアメリカの企業には研究体制が完備していた大きな製薬会社もあって、新しいアイディアも持って、これに参画しており、一族の会社である製薬との調整もナンダカンダと一杯あった。しかしその後調査してみると、チャタロウチームのアジアへの浸透はかなり進んでいて、それと競うように、神太朗もジブトラストとして、中国を刺激しないように工作を、ダミー会社を使って、加速していた。





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