傍観者の独り言

団塊世代で、民間企業で「チンタラ・グウタラ」に過ごした人間の手前勝手な気儘な戯言・放言。

野田・小沢会談:並行線は時間軸の差ではなく、政治の大義の次元の差

2012-05-31 07:34:38 | 民主党(野田政権)

30日の野田首相と小沢一郎氏との会談後に、野田首相は、”「小沢氏は、消費税の引き上げ自体には反対ではないが、私は時間軸の問題での差があると思った」と述べ、議論は平行線に終わったことを明らかになったとあるが、時間軸での差ではなく、政治の大義の次元の差ですね。
NHKの「ニュースウオッチ9」の大越健介キャスターもゲストの小沢一郎氏に政局の話題を振ったが小沢一郎氏の政治観に臆した印象でしたね。

NHKニュースの『野田首相と小沢氏 会談は平行線』(5月30日 13時35分)で、

”「野田総理大臣は、民主党の小沢元代表と30日、民主党本部でおよそ1時間半にわたって会談し、消費税率引き上げ法案の成立に向けて協力を要請しました。会談のあと、小沢氏は、記者団に対し「野田総理大臣に対し、『消費増税に賛成か否かと今、問われれば、賛成というわけにはいかない』と話した」と述べ、会談が平行線に終わったことを明らかにしました。

野田総理大臣と民主党の小沢元代表の会談は、民主党本部で、輿石幹事長も同席して、およそ1時間半にわたって行われました。
この中で、野田総理大臣は「今日の財政事情、特に少子高齢化の問題を鑑みれば、消費税率の引き上げは待ったなしだと認識している」と述べました。そのうえで、野田総理大臣は「国会で審議が進んでいる法案については、この国会中に採決して成立を期すのが私の立場だ。是非、協力してもらいたい」と述べ、今の国会での法案の成立に向けて協力を要請しました。
これに対し、小沢氏は「消費増税について、国民の大方の皆さんの抱いている感じは『国民に大きな税負担をさせる前に政権としてやることがあるのではないか。それをやってからの話ではないか』というのが、国民の率直な偽らざる気持ちではないか。私も同じように考えている」と述べました。そして、小沢氏は、消費税率を引き上げる前に、国の仕組みを中央集権から地方主権に変えること、政権交代で訴えた社会保障改革、デフレ経済からの脱却の3点を実現する必要があると主張しました。そのうえで小沢氏は「消費増税に賛成か否かと、今、問われれば、賛成というわけにはいかない」と述べ、会談は平行線に終わりました。
このあと野田総理大臣は、総理大臣官邸で、記者団が「一致点は見いだせたのか」と質問したのに対し、「一致点、合意形成というのは、法案に賛成ということなので、そこには至っていない」と述べました。

また、野田総理大臣は「小沢氏は、『消費税引き上げ自体は反対ではない』と言っていた。私は、待ったなしで、小沢氏は、行政改革などをやり遂げた後にという時間軸の問題で差があると思った」と述べました。

さらに、野田総理大臣は、再会談の可能性について「1時間半にわたってかなり率直な天下国家の議論をした。きょうの会談を反すうしながら考える」と述べました。
一方、小沢氏は、党本部で記者団に対し、「お互い、ざっくばらんな意見交換をすることができたと思っている。一致点を見い出せるかどうかは分からないが、私は一党員になったばかりであり、代表から呼び出されれば、党員として行かなくてはならない」と述べ、野田総理大臣から再会談の要請があれば応じる考えを示しました。
また、会談に同席した輿石幹事長は、記者団に対し、「野田総理大臣も小沢元代表も2人の考えを十分述べた。結果的によい会談だった」と述べました。そのうえで輿石氏は「何としても党内が一致結束して、避けて通れない大きな課題にきちんと応えていく。そういう点で、さらに汗をかいていきたい」と述べました
。」”

と、野田首相は、”「小沢氏は、『消費税引き上げ自体は反対ではない』と言っていた。私は、待ったなしで、小沢氏は、行政改革などをやり遂げた後にという時間軸の問題で差があると思った」と述べ、議論は並行線と報道。

当方は、本ブログ「消費増税:大義は、野田首相の「手順」「必要性第一」か、小沢一郎氏の「国民との約束」か?(追記)」(2012-04-01)で、

”「消費税増税に関しては、野田首相は、経理財務課長レベルの政治目標であり、小沢一郎氏は、国レベルの政治理念であり、小沢一郎氏が野田首相の反面教師になっておりましたが、野田首相への小沢一郎氏への怨念、嫉妬で、自民党と大連立を画策しても消費増税に盲信しているのは、野田政権、民主党の自壊を促進しています。」”

と書きましたが、小沢一郎氏の主張する「消費税増税の前に、国民と約束した事項の必達努力」が第一で、統治機構の改革・地方主権、政治・行政改革、デフレ脱却」の実現努力が先決とは、野田首相の言う時間軸の差ではなく、政治理念の次元での差ですね。

NHKの「ニュースウオッチ9」の大越健介キャスターは、野田首相をゲストに迎えた時の自分のコラム「真剣勝負の夜」(2012年05月23日)で、”「ぼくは政治記者出身ということもあり、インタビュー相手が政治家の場合、ほとんど臆することはない。」”、”「政治家であれば、相手がどのような肩書きであれほとんど気にならない」”とガチンコ勝負に自信を述べていました。
その大越健介キャスターは、30日のゲストの小沢一郎氏には、政局の話題を仕掛けましたが、小沢一郎氏の政治理念にブレナイ意見に一蹴され、借りてきた猫ではないが、声は小さくなり、枕詞が付くインタビューになり、政治家小沢一郎氏を際立てた印象でしたね。

現在、日本社会の火急的な最大課題は、大震災の復旧・復興と原発事故の沈静化である事は異論はないが、一方、日本の最大課題は、高齢少子社会で、既得権社会で、骨粗鬆症に陥っていた日本の再生であり、「硬直化した現下の社会を破壊でき、新たな日本の将来像を創造」できる政治が避けて通れないのです。

野田・小沢会談の並行線は、野田首相の消費税増税は「常識論めいた正論」「正論めいた常識論」では、過去の延長線上での問題提起にすぎず、小沢一郎氏の統治機構の改革は「現状の破壊」であり、破壊なき創造はありえず、政治理念の次元の差なのです。
NHKの大越健介キャスターも現状での問題解決指向であり、現行破壊論の小沢一郎氏の前では、借りてきた猫の状態でしたね。





1 コメント

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小沢氏の圧勝 (信貴明)
2012-05-31 22:06:03
あまりにもレベルが違いすぎて話にならないインタビューだった。民主国家のしかも公共放送であれば、当然公約を守れというのは、当たり前であるが、官僚とりわけ財務省の広報部でしかないマスコミは増税しか語ることができない。

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