人間は年を重ねる度にボケて食欲・治癒力も減退する老衰は自然の摂理であると思うが、飲食・排泄をも忘却する認知症を患うと一人で生活できると思っていても出来ないことも分からずヒトの世話になることです。
高齢者の親は自宅で生活を願い家族も在宅介護を望むが核家族の現下では在宅介護に限界があるのが現実ですね。
高齢者の社会的入院については、NHKの番組「クローズアップ現代」の2012年5月29日放送『もう病院で死ねない ~医療費抑制の波紋~』(全文テキスト)で、本ブログ『「高齢者医療難民」の著者に聞く・・・・内容に身震いします。』(2009-04-03)で取り上げた医療費抑制による高齢者の医療難民を取り上げておりました。
認知症高齢者の精神科病院については、NHKの番組「クローズアップ現代」の2012年11月22日放送『”帰れない”認知症高齢者 急増する精神科入院』で認知症高齢者の精神科病院入院の急増を取り上げ、番組「特報首都圏」の2013年3月1日放送『漂流 認知症高齢者~ある精神科病院の4か月~』では、一人暮らしが出来なくなった軽度の認知症高齢者の受け皿に精神科病院になり認知症が悪化し看取ることが増えている現実を報道していました。
当方が認知症高齢者問題で触発された番組は、NHKの番組「ハートネットTV」の2013年7月1日放送『シリーズ 認知症 “わたし”から始まる 第1回 462万人 ―自宅で暮らしたいけれどー』で、番組案内を転載すると、
”「今年6月、厚生労働省の研究班は65歳以上の高齢者のうち認知症の人が2012年時点で462万人、軽度認知障害のある人も含めると862万人いると発表しました。
国は、急増する認知症高齢者に対し、これまでの施設や病院を中心にしたケアのあり方を改め、在宅中心のケアへと大きく方針を転換。しかし、独り暮らしの高齢者や、夫婦ともに認知症になるなど、これまでの支援だけでは在宅生活を維持できない人が増えています。
認知症になっても住み慣れた家や地域で暮らすためにはどうすれば良いのか?視聴者の皆さんと共に考えていく「シリーズ認知症」。第1回は現状編、実際に自宅で暮らす認知症の方や介護する家族の姿を取材し、日本の認知症施策の課題を浮き彫りにします。」”
です。
番組では、厚労省の発表では、65歳以上の認知症高齢者数は462万人、軽度認知症を含めた数は862万人の4人に1人で、親が認知症になったらどこで介護したいか?のアンケート調査の結果は、在宅が78.3%、病院が6,6%、施設が15,9%で家族の多数は在宅介護を望んでいると。
番組の前半は、認知症高齢者に人気の民間の介護施設を紹介で、特長は介護保険外の費用(1泊800円)で宿泊可能できることで、介護する家族の要望を柔軟に対応していることや、母親と姉の二人が認知症になり弟サン(ツヨシ)が通いで面倒をみている内容は、大変だよなーと共感しました。
当方が啓発された内容は、後半の4年前から自宅で認知症の両親を介護している主婦の渋谷史子さん(42歳)の在宅介護の部分でした。
内容は、母親(83)は物忘れ認知機能退化する脳血管性認知症で、父親(81)は幻視・幻覚が特徴のレビー小体型認知症で、二人の子育て真っ最中にパート勤務をしてた渋谷史子さんが両親の介護に苦闘してきた経過です。
特に、父親が幻覚のある時の対応が判らず一人で不安を抱え、幻覚症状の父の様子を撮影し主治医に相談しても納得できる説明もなく対応する薬を処方されるだけだったと。
渋谷史子さんは、その状況を”「(幻覚は)副作用だから幻覚止めを飲みなさいって言われて飲ませると、今度はレビュー(小体型認知症)は薬物過敏の人が多いので短時間で体が動かなくなってしまって、薬が抜けるのに3日ぐらいかかったので本当に怖くて怖くて・・・」”と語り、そこで、渋谷史子さんは自らインターネットを使って独自に情報を集めて、4人の医師を回り信頼のできる専門医にたどりつくことができ、その後、専門医と相談しながら薬や対処法を変えたことで父親は落ち着いて暮らせるようになってきたと。
両親の介護に孤軍奮闘してきた渋谷史子さんは、
”「認知症を理解し生活を支える医療体制が整っていれば仕事と介護を両立できたのでないかと感じている」”
と語っておりました。
当方は認知症の老母を在宅介護をしてきましたが、渋谷史子さん程、苦悩し問題解決に真剣に行動してきたかと思うと後悔の念があります。
老母に何かを問い詰めると認知症特有の忘却を「知らない」「聞いていない」「教えてもらってない」「言われていない」・・・・と自己弁護の終始に苛立ちを覚えたことが多々ありました。
夜間、時々、幻想・幻覚で長時間同じ動作を繰り返していることもあり、当初は、説明をし止めさせていましたが、そのうち、面倒くさくなり、疲れるまで放置していました。
老母を特養に入所手続きをした最大の理由は、異常行動の抑制への衝動的暴力の防止でした。
番組の前半部で、母親と姉の二人が認知症家族を面倒をみている弟サンが、”「怒ることはありますか?」”の問いに、「ありますよ それは」と答え、それを聞いていた母親が「私を怒っちゃうのかね?私を怒っちゃうの?」と口をはさみ、弟サンが
”「怒るね
言ってることがあんまりにも通じなくて
やめてくれということを繰り返しやられると やっぱりね」”
の会話場面がありました。
この弟サンの心理状態は共感でき、この状態が何回も続けば、弟サンも頭にきて衝動的に手が出る可能性があると思いました。
問題は、異常言動の抑制への衝動的な暴力が1,2回でおさまれば良いが常態化する危険性があることですね。
番組を視聴し改めて思うことは、認知症の人間は過去も直前の出来事を忘却することを自分は間違っていないという思い込みですね。
前述の母親の言葉「私を怒っちゃうのかね? 私を怒っちゃうの?」や、渋谷史子さんの母親が”「何が何だかわからない」”の口癖を、
”「逃げ口上で、自分の頭の中が何かはっきりしないこともあるから
そんなふになるんでしょうね
嫌なことは忘れてもいいんだけれど頭の中にとっておきたいと思うことまで
わすれちゃうっていうか
歳のせいです。これは、」”
という言葉を紹介しておりましたが、当方の老母も同様な言葉”「ボケてきた。何が何だがわからくなった」”とよく口にしていました。
認知症の人間は一見まともな会話するのです。
一般庶民の高齢者は自宅で介護・終末を迎えるのを切望し、家族も在宅看護を望んでいる風潮であるが、核家族化が大勢の現下では、現実は在宅介護する家族の負担も大きいのも事実ですね。
とはいえ、在宅介護を担うのは配偶者であり娘であり嫁である因習・慣習が残存し、在宅介護の主体になるのは女性であるのも事実です。
また、介護される高齢者が、番組で紹介された渋谷史子さんの父親のような幻視・幻覚が特徴のレビー小体型認知症の場合には女性では手に負えないことも事実であり、在宅介護指向の風潮は考え物です。
過去には、家督相続には親の面倒をみるとか、老いては子に従うとか、親の面倒は嫁の務めとか、老後の親の世話が親孝行などの因習があったが、現在は、親は子供に負担を掛けたくないという考えであり、核家族化した現下では、子供は無理せず出来る範囲で親の世話をするのが現実的ではないかと思いますね。
高齢者が自宅を望む背景には、気心知った人間と自分本位の日常の生活、慣れ親しんだ住環境に居心地が良く落ち着くのでしょうね。
この居心地の良い生活環境を営利組織の介護・医療施設だけに要求するのは酷であり、高齢両親の施設生活を「姥捨て山」にさせないようにするのには家族の協力が不可欠です。
高齢になるほど生活圏は狭まり睡眠時間が長くなるのは自明で、特に、認知症が進行すれば身内の判別も曖昧になり、親身に世話してくれる話相手になる人間が存在があれば施設・自宅を問わず平穏に過ごすことができ、最終的には高齢者に居心地の良さは施設か自宅かは関係なく、他人、家族も関係なく世話をする人間の親身さですね。
経済原理で社会的入院を抑制させ在宅介護主体に移行させるより家庭的な社会的入院と在宅との柔軟性が高齢者にも家族にも平穏に過ごせると思いますね。
社会保障の医療費予算の抑制で介護・医療難民を生み出し在宅介護を奨励し、在宅看護も介護施設の入居も難しい高齢者は精神科病院に向かい、認知症高齢者は介護施設から煙たかれ精神科病院が受け皿になっており、自然増の社会保障に充当するとした消費税増税は景気への影響や財務健全化が主題になっており、高齢者は「長生きするものではない」「長生きし過ぎた」という心情になっているのでしょうね。
やはり、幸せな終末は「ピンピンコロリ」でしょうね。
ハルシオン、デパス、ドグマチールなどの
睡眠薬や精神安定剤が原因であることがほどんどです
夜眠れないからといって飲んでいませんか?
これらの薬は年間18粒飲むだけで
脳の免疫をつかさどる部分を眠らせガンを発生させる
という論文もあります
製薬メーカーや無知な医師に騙されないでください
処方されても飲まないでください
眠くないときは起きていましょう
運動でもしましょう
眠くなったら寝ましょう
やめて三日でなおってきますよ