傍観者の独り言

団塊世代で、民間企業で「チンタラ・グウタラ」に過ごした人間の手前勝手な気儘な戯言・放言。

消費増税:大義は、野田首相の「手順」「必要性第一」か、小沢一郎氏の「国民との約束」か?(追記)

2012-04-01 12:05:08 | 民主党(野田政権)

野田政府は、30日、消費税増税を手順を踏んだとし、国民新党の連立協定を反故にして閣議決定し、政局より大局とし、政権与党は責任ある結論を出したと記者会見で発言したが、国民との約束を必達努力もせずに大義はなく、民主党は自壊に進行形ですね。
野田首相の大義とは、自公政権時代に成立した改正所得税法の付則の「11年度までに必要な措置を講ずる」であり、手順を踏み、法に準拠し結論をだしたことでしょうが、国民との約束を不履行し、国民新党と連立協定を反故にし、大義といえるでしょうか?

メディアの論調は、朝日新聞の社説「税制改革の法案提出―やはり、消費税増税は必要だ」、日経新聞の社説「首相はぶれずに突き進め」に代表され、野田首相の消費増税姿勢を擁護・評価していますが、これは、「やはり、原発稼動は必要だ」と同じ論調であり、なし崩しに、必要性第一の論法であり、過去を否定せず過去を是認した中庸的な姿勢ですね。
一見、国民に痛みをお願いする大きな政治決断めいた印象を与えますが、実際は、言葉のあやに過ぎないですね。

「JBpress」の週末版の川嶋 諭氏の週末版『消費税増税法案は、政治家の落第証明書  野田首相の得意技:仕事をしたフリをすること』の見出しの「野田首相の得意技:仕事をしたフリをすること」に接して、成る程ナーと同感、納得しました。
野田首相の会見では、印象的な語句を用いて発言しますが、現実には、手順重視、必要性第一で、国民と約束した事項の努力不足を棚上げし、東日本大震災・原発事故の復旧・復興も遅々と進まず、被災者は疲弊し、石油価格が高騰し、電気料の値上げが確定的で、年金受給額の減額と社会保険料の増額傾向の現下に、国民の耐乏生活も限界にきています。
「野田首相の得意技:仕事をしたフリをすること」は、うまい言い回しですね。

当方は、本ブログ「野田首相:自己矛盾しても消費増税を強行覚悟は理解不能?・・・別計算があるのか?(邪推)」で、野田首相が、自己矛盾してまでも消費税増税を政治生命をかけ成立への姿勢は理解できず、別な思惑があるのか疑心暗鬼と書きましたが、経過をみれば、野田首相の政治観は、企業の経理財務課長レベルでの財政健全化第一と思いましたね。
川嶋 諭氏のいう「野田首相の得意技:仕事をしたフリをすること」ではないが、財政健全化なく社会保障の実現できないという政策目標で、政治目標の達成には、手順重視で組織運営のテクニック論だけが得意技ということですね。

メディアは、消費税増税の野田首相支持で、消費税増税に慎重な小沢一郎氏を政敵、国家運営の障害物という論調ですね。
当方は、小沢一郎氏の消費税の考えについては、二見伸明氏が「The Journal」に寄稿の『小沢裁判は抜本的改革派と「亡霊にしがみつく守旧派」との戦いだ』で、小沢一郎氏の消費税の考え方について、

”「25年前、消費税導入をめぐって政府・自民党と野党が激しく対立したときのことである。政府・与党の司令塔は官房副長官・小沢一郎、私は税制特別委員会の野党理事だった。当時、衆議院職員で委員部副部長だった平野貞夫(元参議院議員、政治評論家)から「小沢と徹夜で、本音の議論をしてはどうか」との話があり、権藤恒夫衆議院議員(故人)と私の二人で小沢と文字通り、徹夜で議論をしたことがある。その時、小沢が断言した言葉が忘れられない。

 彼は「消費税は財政赤字の穴埋めに使ってはいけない。財政が厳しいからといって、安易に消費税を引き上げたら、国がおかしくなる」「シャープ勧告による税制を見直し、所得税、法人税、租税特別措置を抜本的に改革しないで消費税増税をしてはいけない」「増税をする前に予算の無駄遣いをなくすなど抜本的な行財政改革をする必要がある」「不況下では消費税増税をしてはいけない。逆進性の強い税制だから中堅層以下の家計は大打撃を受ける。まず、経済を成長路線に乗せてから消費税を考えるべきだ。さもないと、不況対策として『消費税をゼロにせよ』という意見も出てくるだろう」「消費税は社会保障充実の財源にするほうがいい」等々、消費税増税についての根源的な課題・問題点を語ったのである
」”

と、25年前の話を語っており、小沢一郎氏は、現在も何ら変節していませんね。

消費税増税に関しては、野田首相は、経理財務課長レベルの政治目標であり、小沢一郎氏は、国レベルの政治理念であり、小沢一郎氏が野田首相の反面教師になっておりましたが、野田首相への小沢一郎氏への怨念、嫉妬で、自民党と大連立を画策しても消費増税に盲信しているのは、野田政権、民主党の自壊を促進しています。
人間の怨念、嫉妬は、開きめくらにしますね。
自民党の谷垣総裁も、消費税増税と小沢切りを同次元で物言うとは、政治家としての器の小ささを感じますね。
新たな地震・津波予測が発表され、自然災難の将来不安が大きくなっている現下に、経理財務課長レベルの「カネがない」では済まされないのです。

「追記」

当方は、社会保障分野は身近な問題であり、学習院大学の鈴木亘教授のブログをウオチングし、本ブログでも鈴木教授のブログを引用させていただきました。
この度の野田政府の消費税増税の閣議決定を酷評しています。

消費増税閣議決定に思う:私が消費税引き上げに断固反対する理由(上)
消費増税閣議決定に思う:私が消費税引き上げに断固反対する理由(下)

鈴木教授は、大阪維新の会の特別顧問(西成特区構想担当)に就任、「維新政治塾」の講師(社会保障担当)となりましたね。
橋下市長は、独善的な性急な側面はありますが、有識者を集め、数の組織力だけでなく、質でも組織力UPしていますね。




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