傍観者の独り言

団塊世代で、民間企業で「チンタラ・グウタラ」に過ごした人間の手前勝手な気儘な戯言・放言。

野田首相の所信表明演説:中庸では社会変革出来ず(雑感)

2012-10-31 09:12:29 | 民主党(野田政権)

野田首相の第181回国会における所信表明演説の「明日(あした)の安心」を中庸の姿勢で「明日(あす)への責任」を果たす内容は、美辞麗句の美文という印象ですが、中庸を旨をする政治手法では大きな社会変革を期待出来ませんね。
中庸の姿勢は、極論を回避する当たり障りのない無難な現実的な手順重視の手法であり、硬直化した社会の変革には不適当と思いますね。

野田首相の所信表明演説は、前段で明日の安心の社会を掲げ、中段で安心の社会への諸課題を提起し、後段で諸課題への取り組みは政治の責務で中庸を旨とし遂行したいという趣旨で、美辞麗句の練られた美文であり、模範的な所信表明の印象を与えます。
しかしながら、この1年余の野田政権は、中庸を旨とした表層的な現実主義の政治に終始し、政治生命を賭け財政健全化への消費税増税を実現しただけであり、大きな社会変革への取り組みは皆無で美文の所信表明は空虚で空々しく思えますね。

当方は、野田首相の中庸の表層的現実主義の政治手法は、大きな社会変革が出来ず、本ブログで批判してきました。
本ブログ「野田首相:朝霞宿舎の5年間凍結・・・中庸では変革にならず。(雑感)」で、
”「野田首相は、財政健全化と掲げ、「社会保障と税の一体改革」で消費税増税を目論んでいることを明言していますが、世界の金融資本主義(虚業・虚像)が破綻し混迷が進行形であり、過去の延長線上の政策は通用せず、「財務健全化し、国亡ぶ」の回避には、「大胆な社会変革・構造改革」が不可欠です。
野田首相の増税路線は「理」はあるが「正論めいた常識論」「常識めいた正論」の「中庸」路線は、社会変革には疑問ですね
。」”
とし、社会保障の問題だけでなく、日本の中小企業が病んでおり、日本は限界国家に至っており、「破壊と創造」が不可避と書きました。

また、本ブログ「消費増税:「JBpress」の「貧困化と医療・介護」・・・社会変革・統治機構改革が先決」では、硬直化した日本社会の変革は、統治機構の改革しかなく、野田首相の手順重視の政治手法による消費税増税は、現行体制ありきでの個人的な野心の成就でしかないと書きました。

野田首相は、所信表明で、
”「私たちの目の前には、国論を二分するような、複雑で困難な課題が山積しています。
あまりに先行きが不透明で、閉塞感に包まれているが故に、ややもすると、単純明快でわかりやすい解決策にすがりたいという衝動に駆られてしまうかもしれません。
しかし、極論の先に、真の解決はありません。 複雑な絡み合った糸を一つひとつときほぐし、今と未来、どちらにも誠実であるために、言葉を尽くして、進むべき道を見いだしていく。共に道を見いだした進むべき道を、一歩一歩、粘り強く、着実に進んでいく。
私たちの背負う明日への責任を果たす道は、中庸を旨として、意見や利害の対立を乗り越えていく先にしか見出せません
」”
と語っております。
まさに、過大と過小の両極端を悪徳とした過不足なく調和を重んじる無難な中庸の手法で、真の問題先送りした手順第一の手法ですね。

石原都知事が知事辞職会見で、統治機構の変改を第一に掲げていたが、政策の継続性と統治機構の変革は対峙する相反する問題ではなく、統治機構の硬直化が政策及び行政の自由度を損なっているのです。
野田首相の中庸の旨とする政治手法は、現行の統治機構を是とする手法であり、社会の根幹が経年劣化で骨粗鬆症に陥っている現下に、金融緩和策程度で経済再生など対処療法に過ぎないのです。

当方は堺屋太一氏に感化され、本ブログ「政権交代:「救国維新」の取り組みを願う・・・自民党は万年野党へ(1)」で、
”「長い物には巻かれろの適当な人間である当方が、社会変革の必要性を痛感したのは、堺屋太一氏の提起した「明治維新に匹敵する『救国維新』が必要だ」に刺激を受けたからですね。」”
と堺屋太一氏に啓発されたと書きました。

何事も時間の経過とともに陳腐化し、生成発展には新陳代謝が不可欠であり、現在の統治機構も陳腐化し副作用が顕在化し、日本が赤字体質に陥ったことは事実であり、野田首相の中庸な正論めいた常識論、常識めいた正論論では統治機構の変革は出来ないのです。
明日への責任を果たすには、政治生命を賭した先鋭的・挑戦的な統治機構の変革、社会変革の取り組み姿勢が求められているのです。
美辞麗句で練られた美文より、国民への檄文が心を揺さぶるのです。
多弁・雄弁より国民との約束事項を誠実に泥臭く一生懸命に取り組みの姿が国民の信頼を得られるが、国民の信を問うこともせずに、消費税増税は待ったなしと錦の御旗を掲げ、手順第一で責務を果たしているというのは詭弁でしかなく、国民を失望させているのです。



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