ノエルのブログ

シネマと海外文学、そしてお庭の話

ベニシアさんの四季の庭

2013-10-18 15:45:55 | 映画のレビュー

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映画「ベニシアさんの四季の庭」を観に行ってきました。ベニシアさんは、もう何年も前に本を買って以来、その生活ぶりに惹きつけられてきた人。 その生活ぶりをドキュメンタリーで公開するというのだから、これは見逃せない!

でも、見始めた瞬間、「あれ?」と違和感。 本の中では、古民家を移築した家は、ぴかぴかに磨き立てられていて、庭の花々も一本一本、計算されたような端正な美しさがあったような気がするのに、実際の家は、本や生活雑貨があちこちからのぞき、庭も野趣あふれるもの・・・一言でいうなら、生活感に満ちている! でも、これはこれで自然な居心地の良さがあり、ベニシアさんがラベンダーの入った蜜蠟で、戸棚を磨くところや、紫蘇の葉をジュースにしてみせるところなども、本で知っていたことです。 英国貴族の家に生まれながら、社交界になじめず、ヒッピーに近い暮らしをしていた若い頃、ひょんなことから、日本にたどり着き、今では京都・大原を終の棲家としていることは、皆さんご存じのとおりですが、こうした暮らしぶりには、今の日本人が忘れてしまっている「本物」があるんでしょうね。

ベニシアさんは、自家製のオイルやジュースといったものを詰める瓶に、イラストと直筆で説明を書いたシールを貼るのですが、独特の丸っこい字で書かれた、それがなんともお洒落!私も欲しいくらいです。 絣のモンペや藍染めのシャツを着て、夏は団扇をあおいでいるなど、日本人以上に、日本人してるのも面白い。  

そして、印象に残ったのは、ベニシアさんちの庭が、ノエルハーブガーデンと、植生が良く似ていること。 ボリジも、コスモスも矢車草も、アメジストセージも、ラベンダーも皆、ノエルハーブガーデンに咲いているものと同じ。 まるで、ベニシアさんと共通する感性がありそうで、うれしいな。