古墳:探訪

全国の前方後円墳を中心に訊ね歩いています。

奈良市・ベンショ塚古墳

2017-09-16 05:56:08 | Weblog
奈良市山町塚廻り634の台地上にあります。
JR桜井線・帯解(おびとけ)駅から徒歩10~15分ほどのところです。
国道169号線下山交差点すぐ東側です。











全長72~77m、 後円部径38m・高さ7m、 前方部先端幅42m・高さ3m  三段構築の前方後円墳です。
前方部を西に向けています。
その前方部は削平されて畑地になっています。


               (右側小屋の建っているところが前方部です)

後円部も「森常稲荷大明神」の社が建っていて、墳頂部が削られています。





墳丘の周りには、今は埋没している幅8~16mの盾形をした周濠があります。
葺石は施されていなかったようです。
円筒埴輪や家形埴輪・楯形埴輪・蓋形埴輪・鶏形埴輪 などが採取されていて、墳丘に埴輪の配列がなされていました。

稲荷神社の建設に伴う発掘調査が1990年(平成2年)に行われています。
埋葬施設が三つ確認されています。

後円部頂にある埋葬施設は盗掘がひどく、どのような埋葬だったのか不明です。
三角板革綴短甲片、鉄鎌、鉄鏃などが出土しています。

後円部頂南側にある埋葬施設には、粘土槨(全長6.38m・幅2.4m)に組合式割竹形木棺が収められていました。
三角板革綴短甲、小札鋲留眉庇付冑、鉄槍、柳葉式鉄鏃、長頸式鉄鏃、鞍金具、環状雲珠、鉄斧、鉄鑿、砥石、針、ガラス製小玉 などが出土しています。

後円部頂東側にある埋葬施設は、南側同様粘土槨(全長2.3m)に組合式割竹形木棺が収めれれていました。
ガラス製小玉、滑石製児玉、土製小玉、滑石製勾玉、土製勾玉、有孔円盤、針 などが出土しています。

古墳時代中期・5世紀前半頃の築造と推定されています。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿