古墳:探訪

全国の前方後円墳を中心に訊ね歩いています。

京都府向日市・五塚原古墳

2008-06-28 09:02:26 | Weblog
京都府向日市寺戸町大牧の丘陵尾根上にあります。
全長94m、 後円部径54m・高さ8.5m、 前方部幅36m・高さ4m 三段構築のばち形をした前方後円墳です。
後円部の一部が住宅建設のため壊れています。
墳丘には河原石を使用した葺き石が施されています。
裾部では埴輪片も採取されています。
1977年、京都大学考古学研究室が測量調査を実施しています。
また帝塚山大学の電気を利用した調査で、主体部が後円部と前方部にあることが明らかになりました。
後円部は東西15m、南北11mの墓穴が、前方部には東西5m、南北7mの墓穴があることが判明しました。
古墳時代前期(約1650年前)の築造と推定されています。

京都府向日市・元稲荷古墳

2008-06-21 09:16:27 | Weblog
京都府向日市向日町北山の向日丘陵先端部の尾根上にあります。
全長94m、 後方部一辺長52m・高さ7m、 前方部幅46m・高さ3m 三段構築の前方後方墳です。
乙訓地方で最も古い古墳です。
墳丘の周りには周濠(空堀)があります。
墳丘には、弥生時代終わり頃の墓の「貼り石」によく似た、タイル状の石が貼られていたそうです。
円筒埴輪や壷型埴輪が、前方部墳丘中央南北2m、東西約4mの範囲に立てられていました。
1960・1970年の二回、京都大学による発掘調査が行われています。
後方部中央に竪穴式石室があり、割竹形木棺が納められていたそうです。
石室は、千枚岩質粘板岩の板石で造られていて、全長5.56m、幅1.02m~1.32m、高さ1.9mあるそうです。
石室は大半が盗掘を受けていましたが、銅鏃・鉄鏃・鉄剣・鉄刀・刀子・槍・ヤリガンナ・鉄斧・土師器の壷などが出土しています。
古墳時代前期(4世紀初頭)の築造と推定されています。
近畿地方における前期古墳の中でも、極めて古い様相を示す重要な古墳です。
ほぼ何所からでも観察できますし、墳頂にも上れます。



京都府向日市・物集女車塚古墳

2008-06-14 08:58:43 | Weblog
京都府向日市物集女町南条の段丘先端部にあります。
全長48m、 後円部径31m・高さ9m、 前方部幅38m、高さ8m 二段構築の前方後円墳です。
墳丘には葺き石が施されていたようです。
また円筒埴輪や朝顔形埴輪、蓋形埴輪、盾形埴輪などが採取されていて、墳丘には埴輪の配列がなされていました。
1990年に調査が行われています。
埋葬施設が後円部にあり、左片袖型横穴式石室に組合式家形石棺が納められていたそうです。
石室は、全長約11m、玄室は長さ5.1m、幅2.4m~2.8m、高さ3mで砂岩で造られているそうです。
ガラス製の管玉や小玉、銀環、などが出土しています。
石室内部が南南西側に開口していて、見ることが出来ます。
古墳時代後期6世紀中頃の築造と推定されています。
古墳は何所からでも観察できますし、説明板もあります。
京都府の史跡に指定されています。

大阪府堺市・黒姫山古墳

2008-06-05 22:30:57 | Weblog
大阪府堺市美原区(旧美原町)黒山の阪和自動車道そばにあります。
墓山古墳と呼ばれることもあります。
百舌鳥古墳群からは離れた場所にあります。
全長116m、 後円部径66m・高さ11m、 前方部幅67m・高さ11.5m 二段構築の前方後円墳です。
前方部が後円部より大きく、最終発展形の古墳と考えられています。
墳丘の周りは、今も水を湛えた盾形の周濠になっています。
その外側には周庭があります。
北側のくびれ部には造り出しがあります。
墳丘には葺き石が施されていたようです。
また円筒埴輪や蓋形埴輪、盾形埴輪、家型埴輪、動物埴輪などが採取されていて、墳丘には埴輪の配列がなされていました。
主体部が2つ確認されています。
後円部にある埋葬施設は、はっきりしていません。
滑石製紡錘車、衝角付冑片などが出土しています。
前方部にある埋葬施設は、竪穴式石室です。
石室は、全長4.03m、幅0.75~0.83m、高さ1.03mで、河原石と砂岩で造られています。
鉄剣、鉄刀、鉄鉾、鉄鏃、横矧板鋲留短甲、三角板鋲留短甲、横矧板衝角付冑、小札鋲留眉庇付冑、長方形小札鋲留眉庇付冑、眉庇付冑、肩甲、刀子などが出土しています。
古墳時代中期(5世紀中頃)の築造と推定されています。
古墳は黒姫山古墳公園内にあり、どこからでも観察できますし、説明板もあります。
近くに黒姫山古墳ガイダンスがあり、出土品などが展示してあります。
昭和32年10月24日、国の史跡に指定されました。