日本の「政治」の〈可能性〉と〈方向性〉について考える。

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『21世紀の孫子の兵法』から朝鮮半島情勢を語るマスコミ報道の愚かしさを考える

2020-06-24 | 日記
『21世紀の孫子の兵法』から朝鮮半島情勢を語るマスコミ報道の愚かしさを考える

最近、朝鮮半島情勢が「緊迫」の様相を呈す中で、マスコミの論者の語り口でとても気になることがある。それは、そもそも韓国と北朝鮮が今日に続く対立と敵対あるいは融和の状態を晒すことになったのかに関する「そもそも」論が、まったくと言えるほどに欠落しているということである。

朝鮮半島問題を引き起こした元凶は直接的には第二次世界大戦中から顕在化するに至った米ソの対立関係であったし、さらにそうした戦後しばらく続いた米ソ冷戦構造の源を辿れば、これまた前回記事でも指摘したように、スペイン・ポルトガルがけん引した大航海時代以降の国際関係の歩みにまで、言及されてしかるべき問題なのだ。それは、換言すれば、私のモデルで描く「システム」それ自体に原因を求められる問題と言えるだろう。1970年代までの{[A]→(×)[B]→×[C]}-①の「システム」で描く関係の世界と、70年代以降今日に至る{[B]→(×)[C]→×[A]}-②で描かれる「システム」の関係の世界に他ならない。

最近の喧しい朝鮮半島情勢は、①にみられる国際関係から引き起こされた問題なのである。ところが、私たちの半島問題へのアプローチは決まって、その全体像には、すなわち私のモデルで描く「システム」であるが、目を向けようとはしないし、そもそも全体像を描くことすらできないのである。それゆえ、おかしな話をしばしば平気でしているのである。

たとえば、その代表例は、北朝鮮が核実験やミサイルの打ち上げを行うのは、米国を会談のテーブルに着かせるためであるとか、国際的な注意をひくためだとか云々の話であるが、そのような議論はおかしいではないか。米国やロシアは彼らの大国が小国をイジメ続けてきた責任を忘れてはならないし、朝鮮半島問題の解決に、責任を持つべきなのだ。その最たる問題は、今なお戦争中の状態となっている朝鮮戦争の停戦と終戦、そして平和条約の締結である。

米国とロシアは、「北の挑発」云々に関わらず(忘れてはならないのだが、米国やロシア、そしてイギリスやフランス、オランダといった欧米列強諸国は「挑発」を超えて他人様の土地に土足で踏み入り、その後も長期にわたりそれら諸地域の人的物的資源を収奪し続けた過去があると同時に、朝鮮半島は、そうした地域であったことを鑑みるとき、これら諸国とその国民は、常に率先して朝鮮半島問題にかかわらなければならない過去から続く彼らの責任を引き受けて当然なのだ。

勿論、それを言うならば、日本と日本人も他人事ではない。先ずこうした問題解決を済ませない限りは、「あの戦争」を巡る従軍慰安婦問題、強制連行問題、歴史教科書問題、歴史認識問題といった一連の問題に向き合うことはできないはずなのである。

いずれにしても、私たちは、国際関係におけるスペイン、ポルトガル、オランダや米国やイギリスやフランス、ロシアが主導してつくり出した国際関係とその「秩序」が、今日の世界の至る所での紛争や貧困、そして今なお残る南北関係問題、また朝鮮半島における南北分離問題を引き起こしていることに対して、目を背けてはならないはずである。

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