虫干し映画MEMO

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許されざる者(1992/アメリカ) 

2006年03月16日 | 映画感想や行
UNFORGIVEN
監督:クリント・イーストウッド
出演: クリント・イーストウッド     ウィリアム・マニー
    ジーン・ハックマン    リトル・ビル・ダゲット
    モーガン・フリーマン     ネッド・ローガン
    リチャード・ハリス     イングリッシュ・ボブ

 元賞金稼ぎのマニーは、結婚してすっかり暴力と縁を切った。かつての凄腕の面影も無く今は妻を亡くし男やもめとして子どもたちを育てているマニーの元に若い男が現れ、娼婦の顔を切り刻んだ男をおって賞金を稼ごうという話を持ちかける。
 元相棒のネッドと追跡に加わるマニー。しかし事件の街では保安官が恐怖政治のように支配していて、賞金稼ぎは叩きのめされ追い出されている…

 これは西部劇が単純明快さを失った後にその栄光の光を宿した名作だと思う。いろいろ重い問題、割り切れない正義や生命のはかなさ、人間の心の根本を支配するものを提示し、それぞれの人間が選ぶ「生き方」「人生」を描く。しかし過去の西部劇の残照のようなクライマックスシーンでは、イーストウッドの拍車の音に思わず「かっこいいシーン」への期待に心が弾んでしまう。過去の西部劇の栄光の一部はもちろんイーストウッド自身の担ったものでもあり、かつての名場面がその画面の向うに立ち現れるようだ。
 そして、はじめのよろよろ状態のマニーが、その対決シーンでかつての凄腕に立ち返る、そこまでの運びが、ビシビシとツボにはまりまくる。監督として、役者としてのイーストウッドにただただ唸らされてしまった。何度見てもそう思う。

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2 コメント

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こんばんは (lin)
2006-03-17 01:00:09
この映画かなり好きです。

イーストウッド監督作品の中でも、彼自身のキャリアを振り返らざるを得ない作品ですね。

TBさせて頂きました。
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私も (ningyo)
2006-03-18 21:43:43
監督としてのイーストウッドの凄さを見せ付けられるようです。

映画としては「ミリオン・ダラー・ベイビー」よりも好きです。
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