虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

アルフィー (2004/アメリカ)

2006年06月12日 | 映画感想あ行
ALFIE
監督: チャールズ・シャイア
出演: ジュード・ロウ    アルフィー
    マリサ・トメイ    ジュリー
    オマー・エップス    マーロン
    ニア・ロング    ロネット
    ジェーン・クラコウスキー    ドリー
    スーザン・サランドン    リズ

 イギリスからニューヨークへやって来たプレイボーイ、アルフィー。彼はリムジンの運転手の一方で、様々な女性たちとアバンチュールを楽しんでいた。アルフィーは人妻ドリーと会った後、シングルマザー、ジュリーのもとへ押しかけ、親友マーロンの彼女ロネットにも手を出してしまう始末。ブロンド美女のニッキーとは同棲もはじめる。さらに超リッチな年上のビジネスウーマン、リズと知り合い、彼女こそ理想の女性かと思うが…

 マイケル・ケインの1966年のオリジナルは見たはずで、マイケル・ケインのモノローグだけはなぜか記憶にあるのだけれどそれ以外はすっかりアタマから消えている。本にしても、いわゆる世界の名作を「読まねばならぬ」とばかりに、その本を読みたくて読んだのではなくて、「読んだ」と言いたいだけの虚栄心で読んでいたのですが、それと同じように「映画なら見る」というような時期があって、ぜんぜん興味もてなくてもともかく見ていた時期に見たんじゃないでしょうか。今オリジナルの「アルフィー」を見たらきっと面白いだろう、と思ったリメイクでした。

 ともかく色男で女を見たらそれがどんな女性であろうと、たとえ隣のおばさんでもうれしがらせずにはおかないという天性の女たらし。だから悪意は全然ないのよね、ほんとに。かえって相手の生活に華を添えてるような気分。でもいつもその場だけの誠実で生きてるから、結果的にかかわった人にとんでもない傷を負わせることになる。
 そんなふわふわした「おもしろうてやがて悲しき」男を嫌悪感なしに、見るほうに納得させるには役者の底力が必要でしょうが、ジュード・ロウがその文句なしの美貌もあって、アルフィーになっているのに感心。
 それでオリジナルが猛然と見たくなってしまったのでした。
 音楽素敵でした。(映画のオープニングで一瞬「アルゼンチンよ泣かないで」に聞こえてしまった。)

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 私も歳をとったのでしょうか、映画を見てああ、こんな事態に遭遇しなくて良かったなあ…などと考えることが多くなりました。以前はそんなこと考えなかったのに。
 こういうプレイボーイも鑑賞するだけで周囲にいなくて助かるし(いや、プレイボーイも私のような偏った趣味だけで生きてる女には興味を示してくれないか)、一昨日BS2の放送で「HAZAN」という陶芸家の伝記映画を見ていたときも、家族内に芸術家がいなくてほんとに助かった…と心から思った。
 美しいものとか、独創を生み出すというのは並大抵のことではないのは理解できるが、そういった芸術家の苦悩とか貧乏も辞せずが私の生活にかかわってきたらどうしよう。是非遠慮したい。私は軟弱ものなのです。そんな生き方では最高の幸福感や高揚感を感じるとか、物事の深みを真に味わうことは出来ないかもしれない。でも平常の安定と引き換えにしても悔いない感情って、どんなものだろうか。


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