虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

アズールとアスマール(2006/フランス)

2008年01月19日 | 映画感想あ行
AZUR ET ASMAR
監督: ミッシェル・オスロ

 ヨーロッパの領主の子アズールとアラビア人の乳母ジェナヌの子アスマールの2人は身分も人種も違うが、乳兄弟としてジェナヌの手で育てられた。しかしアズールが寄宿学校へ行く年になると、ジェナヌとアスマールは追い出された。成長したアズールは、ジェナヌに聞いた「ジンの妖精」を助け出すために、ジェナヌの国へと海を渡ったが…

 素晴らしい美しいアニメ。
 同じオスロ監督の「キリクと魔女」も映像の美しさに驚嘆したけど、このアニメの色彩のコントラスト、光と影の表現、くっきりした描線の絵ががアニメとして動いていくのに、まさに陶然。
 特にアラブ風というかアラベスク模様の宮殿の描写、殺風景な海岸から、目を閉じたアスールが夢のような色彩の林に差し掛かるシーン、とりどりの色彩の香辛料の市のシーンは何度も何度も繰り返して見てはため息ついてうっとり。
 物語の寓意は明らかなので、まあそれはそれとして、ものすごくきれいで贅沢な絵本を繰っていくような快感に存分に浸れるアニメ。
 日本語版もフランス語もどちらでもいいですけど、外国語で聞くほうが、この絵の「異郷」とか「異国」の感覚を楽しめます。


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